その日いつも通りにタックルを準備していた。ロッドを選ぶ基準はいたって簡単で釣り場と気分によってロッドを選択する。
ここ最近ではどのロッドで釣りたいか？という気分的な部分が選ぶ要因としてかなりのウエイトを占めているようになっている。


今回、相棒のIR-64は置いていくつもりだったのだけど、何かを訴えてくるような雰囲気を感じたので、JSR-64Tを戻しIR-64を持って釣り場に向かった。



ラジオを聞きながら車を走らせる。
平日だというのに各ポイントには先行者がたくさん入っている。あの場所に入れるかな？と思いながらその横を走りぬけていく。



幸いなことに狙ったポイントは空いていて、早速準備をして開始する。

ポツポツと数を重ねていくが、アタリの感知、フッキング、やり取り、抜きあげ、自身の感覚的な物か何か分からない。ただ僅かではあるがいつもと違う感じに違和感を感じていた。


その違和感が大きくなり胸騒ぎに変わり始めた頃、いつも通りキャストして、掛けて抜きあげようとしたら、パキっと乾いた音が頭の中でしばらく響いた。


そしてとうとうこの日が来たんだなと静かに悟った。























折れた瞬間、ずっと感じてた違和感はこれだったんだと悟ったと同時に、今まで共に釣りをしたことを思い出し、このロッドのおかげでアジという魚をよく知ることが出来、大きく成長させてくれた事への感謝の気持ちを込めて「ありがとう」という言葉を掛けた。

正直もっとショックを受けるかなと思ってたけど、ショックと言うよりは感謝の気持ちの方が大きく、そしてこのような名竿に出会えたということが釣り人生の中で大きな財産になった。




いままでありがとう「IR-64S」












■タックル
ロッド：ufm IR-64S
リール：０５イグジスト１００３×ソルティーバ
ライン：シンカーアジング０，２号
リーダー：バスザイル４ｌｂ
フック：レンジクロスヘッド
ワーム：アジリンガーPro、ベビーサーディン