雨の予報だった。

ゆっくりと目を覚ますと、外は濡れていた。

妻と朝食をとりなが、僕は思考を巡らせていた。

上の空の僕を見かねたのか、妻の方から釣行の許可が下りた。



予想通りだった。

程よく水位が上がり、少しばかり笹濁り。

水も冷たすぎない。最高だった。

先行者の足跡を見つけるまでは。



幸いにも、ピンからは出てくる。



メッツとプロトのアレを駆使して攻めるが、

なかなか尺が出ない。釣られたのかどうなのか、

それは確認できないが、プレッシャーは高いようだ。

川を変えようと道路に出ると、

釣り人の車とすれ違う。

こうなることも解っていたが、仕方ない。

早い者勝ちだ（笑）

次のポイントでは僕が初めてのようだった。



キレイなチビニジとイワナ。

癒された。

大場所ではソウルを突っ込む。

今日は冴えている。

手に取るようにルアーが動く。

イメージ通りに行けば、結果は必ずついてくる。



皮一枚のフッキング。

掛けなければ釣れなかっただろうと思った。

二度目がないと言うことで。

それからは、なるべくプレッシャーの少なそうなところを探す。

どこも真新しい足跡やタイヤ跡があるのだから、

みんなから見えるところしかなかった。

さぁ、見てるがいいなんて、少し調子に乗りながら、

前回の悩みを晴らす。

手元に伝わったのは、僅かな違和感だった。

高々と竿を上げると、久しぶりに重たいと感じる首振り。

嬉しい。ずっぽりと竿が刺さり、柔軟なナイロンラインがピンと張る。

ようやく寄ったところでネットに収まった。



見事な雄のヨンマルだった。

もう満足だったけど、せっかく冴えてる日だったから、

時間いっぱいまで楽しんだ。



突如、水面を割って走るファイター。

もう、楽しすぎる。

少しアイを調整したら飛び出さなくなったソウルは、大活躍だった。



気がつけば雨も上がり、予報通りの晴れ間が覗いた。



気持ちいい休みになった。

これでようやく、僕も次に行けるかな。





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