【Fishing Spirits 2】川の終わりに…

川の最後。

そう決めて向かった日。

私が「この日」と思っていたタイミングは、遠征に行っていて川には立てなかった。

でも、仲間が良い魚を出していた。私の推理は当たっていた。それだけで、私は嬉しかった。

ピークがその数日。

コンディションが下降して行く中、止めを刺す雨と暴風。川が逆流しているような錯覚をするくらいの風。

そんな中、１本でも釣れたら良い。最悪釣れなくたって、最後の川を見たい。

そう言う想いで、川に向かった。

川に着くと、いつもの仲間が。

もう、川の釣りを納めた仲間、まだ狙っている仲間、それぞれがそれぞれの想いで川に立っているから、応援し合える。

「俺は終わったんで、頑張って来てください」

そう言われ、私はキャストを開始した。

何処にルアーがあるか、何処を通しているのが全く分からず、釣りにならない、。

悪足掻きはせず、車に戻る。すると、嬉しい光景が。

豚汁を作って待っていてくれたのだ。寒い夜に、温かい汁物。

汁をすする。「あぁ～」

誰もが同じ声を発する。

最高のサプライズ。

川のピーク時の話や、私の遠征の話で盛り上がった。

私のお土産を皆で食べる。

最高のデザート。

皆の顔を見るととても楽しそうで、本当にこの仲間と出会えて良かったな～と感じた瞬間でもあった。

しかし、この宴も長くは続かなかった。

突然の雨にバタバタと片付けをして、「じゃあ、また！」と別れた。

あれから1ヶ月ちょっと。今、写真を眺めていると、「良い夜だったなぁ。」そう思う。

翌日は最後の川。しかし、車が揺れる程の風は止まず、叩きつける雨も止まない。

どうなることやら…

そう思い、目を閉じたのだった。

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2015年12月5日
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