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▼ オーロラの彼方-Whitehorse~Juneau-
- ジャンル:日記/一般
- (オーロラの彼方, 自転車旅, A piece of the great journey)
ホワイトホースの空港でKENZOOさんと合流し、車を借りて束の間の車旅をスタートした。
ちなみに6日間で走った距離は2000キロ以上。
場所なんて分からなかったから、地図を見て、実際に足を運んで、探して探して探し回った。
この時の話はいずれKENZOOさんが語ってくれるだろう。
。。。いや、面倒だから書かないんじゃないよ?笑
この6日間の主役はKENZOOさんで、そして最後のドラマも彼のためにあったようなものだったし。
よろしくお願いしますね、けんぞーさん?
さて、自転車旅の話に戻る。
KENZOOさんを空港で見送った後、再び1人になった。
なんだか出発の時よりも寂しいなあと思いながら、また自転車を漕ぎ出す。
漕ぎ始めてすぐに気づく。
ああ、風が良いなと。
踏み込んだ力で前に進んでいき、風を切って、風になっていく。
やっぱり自転車で行く旅は良いなと思う。
今までチラホラ行ってきた海外で、何となく感じてきた違和感。
それは自分の体が勝手に運ばれて行くということへの嫌悪感だったのかもしれないなと思った。
車も列車も飛行機も、目的地へと僕らを届けてくれるけれど、そこには連続性がない。
どこかで自分が時間的に、空間的に切断されてしまったような感覚に囚われる。
自転車は世界が繋がっていることを教えてくれる。
そしてそこに自分が属し、繋がりを渡ることを実感させてくれるのだ。
、、、そんな哲学的な思考に入ったのは最初の3分だけだった。
やっぱ、自転車辛い、クソッタレ、アクセル踏みたい。爆
カップ麺の待ち時間並みに短い思索を終え、通常運転に戻ったのであった。
ホワイトホースを出て、アラスカハイウェイとはお別れしてクロンダイクハイウェイという道に入る。
この道は内陸部から海に出る道で、終点にはスカグウェイという港町がある。
ちなみにスカグウェイはアラスカの街で、国境がその30キロくらい手前にある。
とにかくここの国境付近は景観が凄かった。
氷河をたたえた山々、苔むした岩石と針葉樹、ターコイズブルーの湖。
南東アラスカというのはかなり特異な地域である。
アラスカ州の右下に鍋の籠手のように伸び、海岸沿いは多くの島が浮かぶ多島海となっている。
険しい山々は海岸まで容赦なく迫り、町と町の間の移動手段は船か
飛行機だ。
ちなみに州都であるジュノーは完全に内陸部への道が絶たれており、船と飛行機以外では入ることができない。
この地域を外界と隔絶させる山脈に、太平洋を循環する黒潮の海流がぶつかって大量の雨を降らせる。
その量、年間4000mm。
それがこの壮絶な風景を造り出しているらしい。
国境を越えてスカグウェイに入り、フェリーでヘインズという町へ行く。
せっかくなので海でも釣りをしてみることにした。
もう、何をどうしても釣れる。
このカジカみたいなやつは特にそうで、海底にコイツらが敷き詰められているんじゃないかというくらいだった。
釣り飽きてテントを張って寝る。
ちなみにキャンプ生活で最も大事なもの、それは衣食住だ。
まあ衣は寒くないものを着れば良い。
後の2つが重要だ。
即ち、美味しいものを食べて、そして最高の場所でテントを張る。
ここは、まさに最高のテント場だった。
しかも南東アラスカにしては珍しい快晴で、僕は上機嫌でフェリー乗り場へと向かった。
この日は州都、ジュノーへ渡った。
ここは前述の通り船と飛行機以外では訪れることができない場所で、なんでこんなところに州都?という感じである。
険しい海岸線の、ほんの僅かな緩い斜面に張り付くように作られた、何ともこじんまりとした、しかし美しい町だった。
夕方、町中で1人の東洋人に声をかけられた。
色々と話をしてみると、実はその方は自転車旅をしている日本人で、そして偶然にも僕がヘインズジャンクションで別れたカナダ人・デニスと出会っていたというのだ。
しかも僕の話をしていて、「RYUに会ったらよろしく!」と言伝てを預かっていたとのこと。
まったく、なんという偶然だろうか。
そして意気投合した僕たちは、とりあえず一緒にビールを飲むことにした。爆
(そういや写真許可貰ってなかったので一応目隠し)
タカシさんという彼は、登山をしながら自転車で世界を旅しているらしい。
アラスカには5月に来て、北米最高峰のマッキンリーを登ったそうだ。
そしてダルトンハイウェイという、自転車乗りの間で狂気の道と悪名高い道を走りきり、北極海まで完走したらしい。
今はカナダへと向かっており、とりあえずは南米まで行って南北アメリカ縦断とアコンカグア登頂、その後はオーストリアへ行くとのことだった。
何だかこんな凄い人とウマがあったと書くのは大変恐縮なのだが、彼との会話はとても面白かった。
自転車旅をしている人というのは意外と多い。
しかし、自転車+アルファで旅をしている人にはなかなか出会えない。
ぶっちゃけて言ってしまうと、僕にとってただの自転車旅とか辛いだけでマジでやってられない。笑
だって、漕いで食って寝るだけだぜ?
信じらんねーよ。爆
そんなコトをどうやら共通認識として持っていたようで、なんとも楽しい夜であった。
いつか東京で一緒に酒を飲もう
え、タカシさん帰ってくるんですか??
そりゃ帰るさ、いつかは
そんな別れ際の言葉の交わし合いが何とも可笑しく、そして悲しかった。
またいつか、どこかで。
分かれて一人でテントを張る。
キャンプ場は町からすぐ近くの氷河が流れ込む湖の畔にあった。
人間の感覚では計り知れないほどの長い時をかけて流れ落ちる氷河。
それに比べれば人の一生は遥かに短く、そして思い浮かべていた、人の一生が交差する僅かな瞬間は瞬きの如く。
なんだか不思議な気分になりながら夜を越した。
まずは前の日にタカシさんから教えてもらったALASKAN BREWING という醸造所に行って、試飲のビールをグビグビ。笑
ちなみに3杯まで無料。
そして一番気に入ったSmoked Porterというやつを買った。
お酒を飲まない人には分からない表現だと思うのだけれど、ヘヴィーピートのスコッチをビールにした感じ。
もっとも、ピート臭という感じではなく、もっとクセのないスモーキーさ。
いや、分からんか。爆
ちなみに立て掛けてある栓抜きはタカシさんから記念に頂いたもの。
ありがとうございますm(_ _)m
Observertoryという古本屋だ。
もしあなたが星野道夫の『旅をする木』を持っていたら、海流という短編を読み返してみてほしい。
そこに登場するのがこの本屋なのである。
が、書かれた20年以上前の時点で主人は高齢だったこともあり、もしかしたらもう無いかもしれないなと思っていた。
そしたら、あったのだ。
ドアにはClosedと書かれた紙が貼ってあって、その理由が女主人・Deeさんの病気であることが記されていた。
が、どうやら他の張り紙の日時を見るにどうやらご存命のようで、そしてよく見るとドアには寄せ書きがあった。
彼女がどれだけ人々から慕われているのかを、年月を重ねた店の風貌とその寄せ書きが示していた。
ほぼ自分が生まれた年にあったはずの物語の場所に、今、自分が立っている。
じっと見つめていると、一瞬、周りの音が消えて、決して交わりはしないはずの彼らと自分の物語が、時を越えて交錯したような気がした。
これから向かう先は、アンカレッジから南に伸びる半島、
キーナイ半島だ。
もしサーモンについて興味があって調べたことがある人、あるいは開高健の『オーパ』第3巻を読んだ人ならば聞き覚えがあるかもしれない。
そう、ここはキングサーモンのメッカ、キーナイ川を擁する釣りの聖地だ。
そしてフェリーが到着するキーナイ半島の先端・ホーマーは、ハリバッド釣りのダービーが開催されるハリバッド釣りのメッカだ。
なんたって3日半も乗っているのだ。
そんなわけでこの文章を打ったり、釣具のメンテをしたり、本を読んだりしている。
そうそう、ジュノーで会ったタカシさんとは、本の交換をやった。
彼には僕の『星野道夫著作集3』を、僕には彼から野田知佑さんの本を。
ちなみに見開きのページにはこんなことをやった。
人の手を渡っていく本、それは本棚で過ごす一生よりも彼らの望む人生(本生?)に近いんではないだろうか。
例え最後に、ボロボロになって焚き火にくべられようとも。
続く
ちなみに6日間で走った距離は2000キロ以上。
場所なんて分からなかったから、地図を見て、実際に足を運んで、探して探して探し回った。
この時の話はいずれKENZOOさんが語ってくれるだろう。
。。。いや、面倒だから書かないんじゃないよ?笑
この6日間の主役はKENZOOさんで、そして最後のドラマも彼のためにあったようなものだったし。
よろしくお願いしますね、けんぞーさん?
さて、自転車旅の話に戻る。
KENZOOさんを空港で見送った後、再び1人になった。
なんだか出発の時よりも寂しいなあと思いながら、また自転車を漕ぎ出す。
漕ぎ始めてすぐに気づく。
ああ、風が良いなと。
踏み込んだ力で前に進んでいき、風を切って、風になっていく。
やっぱり自転車で行く旅は良いなと思う。
今までチラホラ行ってきた海外で、何となく感じてきた違和感。
それは自分の体が勝手に運ばれて行くということへの嫌悪感だったのかもしれないなと思った。
車も列車も飛行機も、目的地へと僕らを届けてくれるけれど、そこには連続性がない。
どこかで自分が時間的に、空間的に切断されてしまったような感覚に囚われる。
自転車は世界が繋がっていることを教えてくれる。
そしてそこに自分が属し、繋がりを渡ることを実感させてくれるのだ。
、、、そんな哲学的な思考に入ったのは最初の3分だけだった。
やっぱ、自転車辛い、クソッタレ、アクセル踏みたい。爆
カップ麺の待ち時間並みに短い思索を終え、通常運転に戻ったのであった。
ホワイトホースを出て、アラスカハイウェイとはお別れしてクロンダイクハイウェイという道に入る。
この道は内陸部から海に出る道で、終点にはスカグウェイという港町がある。
ちなみにスカグウェイはアラスカの街で、国境がその30キロくらい手前にある。
とにかくここの国境付近は景観が凄かった。
氷河をたたえた山々、苔むした岩石と針葉樹、ターコイズブルーの湖。
南東アラスカというのはかなり特異な地域である。
アラスカ州の右下に鍋の籠手のように伸び、海岸沿いは多くの島が浮かぶ多島海となっている。
険しい山々は海岸まで容赦なく迫り、町と町の間の移動手段は船か
飛行機だ。
ちなみに州都であるジュノーは完全に内陸部への道が絶たれており、船と飛行機以外では入ることができない。
この地域を外界と隔絶させる山脈に、太平洋を循環する黒潮の海流がぶつかって大量の雨を降らせる。
その量、年間4000mm。
それがこの壮絶な風景を造り出しているらしい。
国境を越えてスカグウェイに入り、フェリーでヘインズという町へ行く。
せっかくなので海でも釣りをしてみることにした。
もう、何をどうしても釣れる。
このカジカみたいなやつは特にそうで、海底にコイツらが敷き詰められているんじゃないかというくらいだった。
釣り飽きてテントを張って寝る。
ちなみにキャンプ生活で最も大事なもの、それは衣食住だ。
まあ衣は寒くないものを着れば良い。
後の2つが重要だ。
即ち、美味しいものを食べて、そして最高の場所でテントを張る。
ここは、まさに最高のテント場だった。
しかも南東アラスカにしては珍しい快晴で、僕は上機嫌でフェリー乗り場へと向かった。
この日は州都、ジュノーへ渡った。
ここは前述の通り船と飛行機以外では訪れることができない場所で、なんでこんなところに州都?という感じである。
険しい海岸線の、ほんの僅かな緩い斜面に張り付くように作られた、何ともこじんまりとした、しかし美しい町だった。
ここで1つの出会いがあった。
夕方、町中で1人の東洋人に声をかけられた。
色々と話をしてみると、実はその方は自転車旅をしている日本人で、そして偶然にも僕がヘインズジャンクションで別れたカナダ人・デニスと出会っていたというのだ。
しかも僕の話をしていて、「RYUに会ったらよろしく!」と言伝てを預かっていたとのこと。
まったく、なんという偶然だろうか。
そして意気投合した僕たちは、とりあえず一緒にビールを飲むことにした。爆
(そういや写真許可貰ってなかったので一応目隠し)
タカシさんという彼は、登山をしながら自転車で世界を旅しているらしい。
アラスカには5月に来て、北米最高峰のマッキンリーを登ったそうだ。
そしてダルトンハイウェイという、自転車乗りの間で狂気の道と悪名高い道を走りきり、北極海まで完走したらしい。
今はカナダへと向かっており、とりあえずは南米まで行って南北アメリカ縦断とアコンカグア登頂、その後はオーストリアへ行くとのことだった。
何だかこんな凄い人とウマがあったと書くのは大変恐縮なのだが、彼との会話はとても面白かった。
自転車旅をしている人というのは意外と多い。
しかし、自転車+アルファで旅をしている人にはなかなか出会えない。
ぶっちゃけて言ってしまうと、僕にとってただの自転車旅とか辛いだけでマジでやってられない。笑
だって、漕いで食って寝るだけだぜ?
信じらんねーよ。爆
そんなコトをどうやら共通認識として持っていたようで、なんとも楽しい夜であった。
いつか東京で一緒に酒を飲もう
え、タカシさん帰ってくるんですか??
そりゃ帰るさ、いつかは
そんな別れ際の言葉の交わし合いが何とも可笑しく、そして悲しかった。
またいつか、どこかで。
分かれて一人でテントを張る。
キャンプ場は町からすぐ近くの氷河が流れ込む湖の畔にあった。
人間の感覚では計り知れないほどの長い時をかけて流れ落ちる氷河。
それに比べれば人の一生は遥かに短く、そして思い浮かべていた、人の一生が交差する僅かな瞬間は瞬きの如く。
なんだか不思議な気分になりながら夜を越した。
翌日はジュノーの町をブラブラした。
まずは前の日にタカシさんから教えてもらったALASKAN BREWING という醸造所に行って、試飲のビールをグビグビ。笑
ちなみに3杯まで無料。
そして一番気に入ったSmoked Porterというやつを買った。
お酒を飲まない人には分からない表現だと思うのだけれど、ヘヴィーピートのスコッチをビールにした感じ。
もっとも、ピート臭という感じではなく、もっとクセのないスモーキーさ。
いや、分からんか。爆
ちなみに立て掛けてある栓抜きはタカシさんから記念に頂いたもの。
ありがとうございますm(_ _)m
次に町へもう一度行って、とあるお店を探す。
Observertoryという古本屋だ。
もしあなたが星野道夫の『旅をする木』を持っていたら、海流という短編を読み返してみてほしい。
そこに登場するのがこの本屋なのである。
が、書かれた20年以上前の時点で主人は高齢だったこともあり、もしかしたらもう無いかもしれないなと思っていた。
そしたら、あったのだ。
ドアにはClosedと書かれた紙が貼ってあって、その理由が女主人・Deeさんの病気であることが記されていた。
が、どうやら他の張り紙の日時を見るにどうやらご存命のようで、そしてよく見るとドアには寄せ書きがあった。
彼女がどれだけ人々から慕われているのかを、年月を重ねた店の風貌とその寄せ書きが示していた。
お店の前に立って1人静かに建物を眺めてみる。
ほぼ自分が生まれた年にあったはずの物語の場所に、今、自分が立っている。
じっと見つめていると、一瞬、周りの音が消えて、決して交わりはしないはずの彼らと自分の物語が、時を越えて交錯したような気がした。
ジュノーを後にし、フェリーに乗り込む。
これから向かう先は、アンカレッジから南に伸びる半島、
キーナイ半島だ。
もしサーモンについて興味があって調べたことがある人、あるいは開高健の『オーパ』第3巻を読んだ人ならば聞き覚えがあるかもしれない。
そう、ここはキングサーモンのメッカ、キーナイ川を擁する釣りの聖地だ。
そしてフェリーが到着するキーナイ半島の先端・ホーマーは、ハリバッド釣りのダービーが開催されるハリバッド釣りのメッカだ。
そんな想像をしつつ、しかしフェリーの中は暇だった。
なんたって3日半も乗っているのだ。
そんなわけでこの文章を打ったり、釣具のメンテをしたり、本を読んだりしている。
そうそう、ジュノーで会ったタカシさんとは、本の交換をやった。
彼には僕の『星野道夫著作集3』を、僕には彼から野田知佑さんの本を。
ちなみに見開きのページにはこんなことをやった。
人の手を渡っていく本、それは本棚で過ごす一生よりも彼らの望む人生(本生?)に近いんではないだろうか。
例え最後に、ボロボロになって焚き火にくべられようとも。
続く
- 2016年9月18日
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