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オーロラの彼方-Kenai peninsula-

長い長い船旅が終わってホーマーという街に着く。

到着した頃にはもう夜だったので、砂浜にテント泊。
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海に沈む夕日なんてどれだけ久しぶりだろう。
 
夜風が柔らかく流れていく音に耳を澄ませながら、太陽と入れ替わりで出てきた星を眺めた。


 
翌日。
 
まずはアラスカの海ならハリバットでしょ!ということで情報収集開始。
 
ビジターセンターに行って色々と話していると、どうやらチャーターじゃなくて乗り合い船があるみたい。
 
料金はチト高いが、記念ということで翌日の船をおさえてもらう。

 
ついでにこれで翌日の出船までかなり時間が出来たので、自転車で行ける範囲で楽しそうなところを教えてもらう。
 
するとなんと近くにワイナリーがあるそうで、試飲できるんだとのこと。
 
ジュノーに引き続き飲んでばっかりな気がするが、どうしようもないよ、お酒、好きだもん。笑
 
そんな流れでこんなワイナリーに。
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ベリー類を使って作るワインらしい。
 
アラスカは極度に冷える気候のため地産の果物がない。
 
その代わりにあるのがブルーベリーやクランベリー、サーモンベリーといったベリー類。
 
それを使っているってわけだ。
 
ちなみに5ドルで8種類試飲ができる。
 
(帰りの自転車が結構フラフラだったのはここだけの話。爆)



 
そしてしばらく酔い覚ましがてら街をぶらぶらし、そろそろ夕飯の食材でもゲットしようと堤防へ。
 
小さなスプーンでやれば根魚が釣れるだろうと思い、ボトムをチョンチョンしてみる。
 
すると、え?ちょ、何これ!?

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奇跡が起きた!!!

マツカワガレイ?

しかも結構肉厚でいい重さしてる。

渓流トラウトタックルで、アラスカにてスプーンでカレイを釣ったヤツはさすがに僕だけでしょ。笑
 
さて、食材も確保出来たことだし料理して夕飯にしよう。

そう思いキャンプ場へ。

実はフラットフィッシュって自分では捌いたことが無くて、悪戦苦闘しながら5枚におろす。

が、事件はその後に起こった。

久々に海の魚だし塩焼きやら煮付けモドキやら何種類か試してみようかな〜とルンルン気分で自転車カバンから調味料を取り出す。



そして振り向いて、唖然とした。



 
肉が1切れしか残ってない!!!

そしてそのすぐ側には、知らん顔をしたシーガル(カモメ)が2羽ほど。
 
お、お、お前らぁぁぁ!!!


たぶんこの時の僕がライフル持っていたなら即座に銃撃したに違いあるまい。
 
そして哀れな僕は残った1切れを大事に、大事に食べたのであった。
 
ちなみにメチャクチャ旨かったので、更にシーガルが憎くなった、うん。



 
翌日。

シーガル襲撃事件から立ち直れない僕は、あることを決めていた。

 
それは、ハリバットを死ぬほどたらふく食べること。
 
あいつらが羨ましがって泣きわめくぐらい食いまくってやる!
 
そんな邪悪な思いを胸に、船に乗り込んだ。
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ちなみにタックルはこんな感じ。
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リーダー、縄じゃん。笑


 
 
天気は快晴で、マッキンリー山が彼方にクッキリと見える、美しい日だった。
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そしてポイントへ行く途中、クジラを見ることも出来た。
 
遠すぎたから写真に残すことはできなかったのだけれど、あの巨体が潮を吹きながらゆっくりと動き、そしてT字の尻尾が青と青の境界線を叩いて消えていくのを見られたことは本当良かった。
 
写真のフレームいっぱいにおさまるのではない、壮大なアラスカの風景の中の消えそうなほど小さなクジラを見られたのが、良かった。

 
ポイントまでは約2時間半。
 
そして到着後、船上は戦場と化した。
 
いや、冗談とかじゃなく、マジで。
 
時化で揺れまくる船、釣りはおろか普段は船にすらほとんど乗らない乗客、着底する度にエサを引ったくって暴走するハリバット。
 
至るところがグチャグチャで、ホント、写真撮る暇がなかった。
 
ちなみにタックルはロッドとリールとで1キロ以上、そしてシンカーは2lb(約1キロ)。
 
そこに60-70メーターラインでヒットするハリバットの抵抗と水圧が加わる。
 
。。。もうね、2匹釣った時点で腕が終了した。

 
どうしようもないので、ちょっと無理かもしれないけどタックルを手持ちのリプラウトに変える。
 
40グラムのジグを2つまとめてシンカーにし、その先にリーダーを出してタコベイト付きのスピナー。
 
で、なんというか、エサと同じように着底した瞬間にヒットし、再び拷問をやってフィニッシュ。
 
感想=もうしばらくやらんで良いです
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さて、港に帰って再びキャンプ場へ戻り、調理の時間。
が、大きな誤算が一つ。
 
ハリバットの肉、予想以上に厚くて量がある。。。
 
一番小さいヤツのはずなんだが、どう考えても食べられる部分だけで2キロはある。
 
とりあえず作ってはみたのだけれど、、、

その1、ハリバットの刺身。すなわち、生のハリバットと塩だけ 爆
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その2、ボイル。本だしと塩。
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その3、グリル。ガーリックチップ塩とコチュジャン。
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、、、こんなたくさん食えるか!!!
 
とりあえずボイルは翌朝のスープ兼ご飯になってもらい、刺身とグリルをなんと食べきった。
 
いや、不味くは無いんだけどさ、淡白すぎてなんというか。。。
 
結局、刺身を白米のようにモリモリ食べながら味付きのグリルを食べるというワケわからん状態だった。
 
もう、当分ハリバットはいいや。。。

 
翌日、ホーマーを後にして北上する。
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途中で地図にある川を片っ端からやっていくのだが、どうにも魚を取れない。
 
というか、サーモンの場合は遡上していればほぼ目視できるので良くも悪くもすぐに結論が分かってしまうのだ。
 
そしてもう一つ、いい川があったとしても釣りが出来るとはかぎらないという、自転車釣旅特有のジレンマがある。

自転車で行けなければ釣りが出来ない。
 
釣りが出来たとして、そこが良いポイントだとは限らない。
 
ある意味、一番不自由なスタイルなのかもしれない。
 
でもいいのさ。
 
奇跡と思える何かに出会ってこそ、記憶に残るというものだ。



 
そして魚はほとんど釣れないまま、今回の釣りにおける最終目標、キーナイリバーへと辿り着く。

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ここはキングサーモンの特大が出ることで有名な、アラスカ屈指のメジャーリバーだ。

実際、ソルドットナという川沿いにある町のビジターセンターには、97lbというトンデモなサイズのキングの剥製がある。
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早速、釣りを始めてみる。
 
まずは行ける範囲で最下流まで下っていき、そこから自転車でひたすら釣り上がっていく作戦。
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下流からソルドットナ周辺ではピンクサーモンが遡上しているようだった。
 
が、いくらピンクといってもかなりデカイし、セッパりかたが尋常では無い。

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どうやらキーナイリバーは様々な魚を大きく育てるようだ。

下流はピンクしか居ないと睨み、一気に上流へと向かう。


 
 
しばらく上ったところでルアーを引ったくったのは、ドリーバーデン。

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と思ったんだけど、なんだか婚姻色の出る前のアークティックチャーソックリだ。

頭の片隅でそんな事を考えながら、しかし本当のところは全く違う事を考えていた。

 
 
何を考えていたかって?
 
決まっているでしょう。
 
「タンパク質!
タンパク質!!
俺のタンパク質!!!」爆



 
 
更に川を遡っていく。
 
すると途中に挟む湖を境に川幅がグッと狭くなり、景色もまた違う様相を帯びてきた。

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そして川の中に点在する鮮やかな朱色の点々にも気づく。
 
レッドだ!!
 
早速竿を出してみると、いきなりドンっ!
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しかもランディングの時にボロボロとイクラを零していたので、ニンマリしながらキープさせて頂く。
 
もう、この時点で釣りなんて結構どうでも良かった
 
これがやりたかったんだよ、イクラ茶漬け!!
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いや、うん、最高だった。
 
そんなことをしながら一泊休んで、翌日からまた釣りに出る。

またレッドが釣れる。

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今までレッドが居る時期の川で釣りをしたことがなかったので知らなかったのだけれど、もしかするとこの魚は最もルアーで釣りやすいサーモンかしれない。


イクラ模しの流しでガツガツアタックしてくるのはもちろん、ミノーの威嚇バイトでも相当数が獲れる。
 
しかも実験したら、フッキングしなければ同じ個体が5回も食ってくる始末。笑
 
まあ楽しいんだけれども、狙っているのはこいつじゃないんだよなあ。
 
しばらくやっていると、レッドと同じところで小さなレインボー釣れる。

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ちなみに実はこっちが本命なのだ。
 
キーナイリバーはレインボーにとって最適の生育環境らしく、メーターオーバーや20lbオーバーが居るらしい。
 
そりゃ、釣ってみたいじゃん。
 
そしてその生育環境の鍵を握っているのが「イクラ」。
 
鮭だらけのこの川では彼らにとっては高栄養価なイクラが食べ放題。
 
デカくなるわけだ、そりゃ。
 
そんなわけで、鮭が溜まっているゾーンのチョイ後方のヨレや淵なんかを重点的に攻めていく。
 
が、やれどもやれどもレッドばかり。

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この時は大変だった。
 
だってボトムとった瞬間に食ってしまうのでルアーが流せない。笑
 
一応、レッドの合間にレインボーは何本か小さいのは獲れていたので「イクラパターン」的なモノはあったと思うのだけれど、どうにも何かが違う気がする。
 
そんな思いで自転車を走らせ再び上流へ行くと、やがて川は湖からの吐き出し口に繋がっていった。
 
すると川の両岸は鋭く切り立ち始め、いかにも何かが潜んでいそうな深い淵が現れ始めたではないか。

当然ながら自転車でのアクセスは不可能で、行けるとしたらラフティングボートのみ。

 
 
まあどうしようもない。
 
しかもちょうどこの頃、前日から降りしきっていた雨が更に強まり全身を強く叩き始めた。
 
そして心がボキッッィィと折れる音を確かに聞いた気がして、キーナイリバー後にする事を決めた。


 
ま、いつの日かまた、来れば良いだけさ。


 
 
翌日もまた雨だった。

ついでにこのキーナイリバー近辺は道の路肩がほぼ無く、またアンカレッジからアクセスしやすいこともあって非常に交通量が多い。

 
しかもこの日は現地での3連休に当たる日で、自転車にとってはとてもとても辛い道だった。
 
さて、この後の予定はどうしよう?
 
実はキーナイ半島でもっともっと時間を使う予定だったのだけれど、キーナイリバー以外がショボすぎてかなり予定を巻いてしまっている。
 
正直アンカレッジに戻っても面白いことは無さそうなので、どうしようか。。。
 
そんなコトを考えながら、湖の畔りに差し掛かった時だった。
 
「おーい、止まって止まって!!!」
 
よく見ると路肩に止まっているキャンピングカーから小さな女の子が手を振りながら呼んでいる。
 
なんだろう?
 
とりあえず面白そうなので近づいてみる。
 
するとどうやらその子の両親と思わしき人も車から出てきた。

そしてフライパンを片手に開口一番。
 
「Hey!チャーハン食ってけよ!」
 
この、何ともよく分からん邂逅が、ジム・ロウ一家と僕の出会いだった。

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続く

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