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オーロラの彼方-Fair banks~Whitehorse-

結局、フェアバンクスでは2泊した。

本当は1泊の予定だったのだけれど、出発しようとしたら雷雨だったのだ。笑

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ちなみにこのフェアバンクスという街は、晴天率が90%を越えることで知られている。

そのため冬にはオーロラが良く見れるそうだ。

そんな場所で雷雨をもたらす僕はどれだけ雨男なのだろう。。。



 

出発の日も雨だったのだが、もうどうしようもないので次へ進む。

とりあえず写真も撮るのだけれど、いかんせん天気が悪すぎて絵にならない。

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何とか綺麗な場所が無いかと探していたら、もう宿泊予定の湖に着いてしまった。

着くなり管理人のオッサンが出てきて「ここがテント張るには良いぞ」と場所を勧めてくれた。
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ちなみにアラスカでは州立のキャンプ場が結構あって、それぞれにボランティアのホストキャンパーなる人達が居る。

だいたいみんな5月から9月まで、人里離れたキャンプ場で毎日を過ごすみたいだ。

そんな場所だからか、ホストはみんな来る人たちに対してフレンドリーで優しい。

特にこのオッサンなんか、翌朝にコーヒーとスナックバーを片手に現れて「おはよう!これ食べな!」と渡してくれたくらいである。
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なんか、いいよね。

そして翌日はデルタジャンクションというところへ。

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ここはアラスカハイウェイという、アラスカからカナダのユーコンテリトリーへ入っていく道の始点である。
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ここから180キロほど無補給区間が続くらしいので、あんまり走ってないけれど休憩。

夜、テントを張っていたら隣のバイク旅行者が焚き火に呼んでくれて、2人で火を囲んで話し込む。

デイビッドさんという彼はアメリカ本土に住んでいて、今は3週間ほどバイクで北へと出てきているらしい。

色んな話をしていたら仲良くなって、別れ間際にこんなものを貰った。

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"Ride Eat Camp Repeat"

彼が自分で作っているんだって。

そこに刻まれた言葉がどうにも可笑しくて、的確で、凄く気に入った。



 

次の日からは大変な日々だった。

無補給区間が長かったのもそうなんだが、何より向かい風が常時吹いていたのだ。

ちなみに自転車乗りにとって最大の障害は風である。

坂はさ、登ったら下れるじゃん。

だけど向かい風って走っても何も得が無い。

もっとも、言い換えれば追い風は無条件に力を与えてくれる存在なわけだが。



正直写真なんて撮っている余裕がなくて進むことだけで精一杯。

それに何処へ行っても同じような風景が広がっているものだから撮る気が失せてしまう。笑

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そんな数日をこなして、ようやく国境へ。

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カナダ側に入ると舗装状態が一気に悪くなる。
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同じ道なのに突如としてガッタガタになるのだ。

これに向かい風が合わさって自転車が進まないこと進まないこと。



後から聞いた話だと、アメリカの1州であるアラスカと人口の関係で準州であるユーコンでは財力が違うので、道路舗装に予算が下りてこないらしい。

アメリカとかカナダにおける「州」というのは日本における県と違いとても大きな自治権がある。

税率や法律が違うくらいだからね。

日本が政府を頂点としたピラミッドならば、米加は連邦政府を真ん中に各州が横並びとなった数珠のようなもんだ。

そんなわけで予算も州ベースになり、ぶっちゃけ儲かってない州は貧乏なのである。

地方が力を持つと言っても、自由と責任は表裏一体、そんなもんだ。

でも、彼らが国というより州に属しているのに、中央集権のどこぞの国民よりしっかりと国民としての意識を持っているのは何故だろう?

なかなか興味深くある。

おっと、話がそれた。笑





そして国境の検問。

ちなみに実際の国境沿いではなくて、20キロほどユーコンに入ったビーバークリークという街にある。
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そこからまたガッタガタの道+向かい風を走ってキャンプ。

疲れたので早々に飯を作って食べていると、何やら見覚えのあるバイクが近づいてきた。

なんと、デルタジャンクションで一緒に焚き火を囲んだデイビッドさんではないか。
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どうやら彼はフェアバンクスまで行って戻ってきたらしい。
実に5日ぶりの再会であった。

 

その翌日もまたタフな道のりが続いた。

あまりにも辛すぎて、途中で見つけた川で釣りをして現実逃避をする。笑
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魚影は濃く無かったのだが、グレイリングが一匹出てくれた。

その後、逃避した分を取り返すために何とか走りきり、ディストラクションベイという町にたどり着いた。

そしてあまりにも疲れていたのだろう、僕のカメラに残っている写真は、ビールの写真1枚だけだった。笑

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そして速攻で就寝。

 

翌朝目が覚めると、テントがバタバタと風に煽られている。

嫌な予感がしたらその通りで、もはや暴風な風が進行方向から吹いてきているのであった。。。

この日は距離を稼ぐことは諦め、近くにある湖で釣りをしながら少しだけ進むことにした。

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だが、トラブルというのは弱り目に祟り目でやってくるものである。

25キロほどやっと進んでキャンプ場に入ったのだが、そこはなんとキャッシュ(現金)オンリーのキャンプ場。

ちなみにその時の僕の持ち合わせは、、、

USドル:2ドル

カナダドル:ゼロ

クレジットカード:2枚

日本円:4000円

いや、日本円って。。。

実はカナダに入って最初の町・ビーバークリークでキャッシングをしようと思ていたのだが、なぜかATMがことごとく使用不可になっており、ディストラクションベイでもATM が無かったのでクレジットカードで全てを済ませていた。

ちなみに次の町までは80キロ。

、、、無理、、、

ディストラクションベイにまで戻るしかないのか??

そんな僕の目に、キャンプ場の受け付けの壁にあるこんな文字が飛び込んできた。

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「人生に打ちひしがれたなら、横になって星を眺めなさい」


いや、白夜だから星ねーし。爆

もうなんか、どうにでもなれという気分になった。笑

ヤケクソで受け付けのおばちゃんに話をしてみた。

RYU「あのぉー、お金が無いんですよ」

おばちゃん「泊まっていっていいわよ」

RYU「あざす!」




が、次の問題は食糧。

次の町まで走るカロリーが足りるかどうか。。。

とりあえずテントを張りながら考える。

いやー良いところだ。

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まあ、釣りでもして考えよう、うん。

ショアからやるにはあありに広大な湖だったので、正直釣れる気はしていなかった。

が、幸運は続く。

なんとなく投げていたルアーに突然のバイト!

反射的にフッキングし、そしてその瞬間にある言葉が脳内を駆け巡った。

メシ!!!爆

jnoo2rnzt9tzyt3uw9d3_480_480-54fe01aa.jpgもうファイト中は食べることしか考えていなかったし、
陸にぶっこ抜いて、写真を撮って、そしてその30秒後には頭とワタを取り終えていったのでした。笑

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ああ、美味しかった。


 

翌日。

湖に映える朝陽を見ながら準備し出発。

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風は相変わらず強いアゲインストだったが、次の町で補給が出来ると信じて突き進む。
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br3tvph7epakd2ahaccb_480_480-bb129079.jpg氷河をたたえた山がチラホラと見える美しい道で、舗装状況と風が良ければとても素晴らしい道なんだろうなと思う。

そして目的地、ヘインズジャンクションへと到着。
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ここはハイウェイの分かれ道で、東へ続いていくアラスカハイウェイと南へ進みアラスカの都市・ヘインズへと至るヘインズロードに分岐している。

とりあえずテントを張り、今度こそはとキャッシングをして食糧を買い込む。

もうあの絶望的な気分とは向き合いたくない。笑

そしてまたもや早々に就寝。

朝、出発の用意を整えてブラブラしていると一人のサイクリストに出会う。
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カナダのエドモントンに住むデニスさんという人で、自宅から北へと3ヶ月の旅をしているらしい。

実は彼とはディストラクションベイに行く道すがらで何度も会っていて、彼が休憩しているときに僕が追い抜いて、僕が休憩しているときに彼が、といった感じだった。

彼はこれからヘインズへ行き、フェリーでジュノーへと渡るらしい。
ちなみに本来の予定ならば僕も同じルートを辿る予定だったのだが、急遽予定が入って更にアラスカハイウェイを進むことになっていた。

これから先はルートが被ることはなく、会うことも無いのだろう。

互いの無事を祈って、漕ぎ始めた。




ちなみに急遽入った予定というのは、釣友であるKENZOOさんが盆休みでこちらに来る、というものだった。

実はアンカレッジを出発して4日後くらいに、「合流できる?」という連絡が来て、その日程だとこの辺に居ますねーなんて話をしていたら、本当に来ることになった。笑

僕が人のことをむちゃくちゃと言うと怒られるのかもしれないけれど、KENZOOさん、あなたやっぱむちゃくちゃですよ。爆

そしてその合流地点がヘインズジャンクションから160キロほど離れたユーコンの州都・ホワイトホース。
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この区間は追い風が吹いていて、結構楽に着いた。
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ユーコンの川辺にあるこの街は「綺麗な観光地」という感じなのだけれど、それを取り囲む自然が圧倒的すぎて街の存在感を良い感じに消している気がする。

なんだろう、調和しているとでも言えば良いのだろうか?

さて、明日からは5日間、自転車はお休みで釣りの毎日だ。

自転車で進むことも面白いけれど、やっぱ釣りもなきゃね。

続く。

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