減衰比と伝達関数:ロッドの感度の話

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ロッドを選ぶ時の基準といいますと、
長さ:フィート
重さ:グラム
かたさ:ウルトラライト、ライト、ミディアム、ハード、エクストラハード
テーパー:ファスト、レギュラー
ティップ:チュブラー、ソリッド
 
などだと思います。
スペック表をみればわかることですし、
お店で、持って、振らせてもらって、曲げさせてもらえば、
だいたいスペック表通りかな、とか思ったよりかたいな、とかわかると思うんですよね。
(ちなみに、僕はロッドを買う前に試し振り、試し曲げをさせてもらったことはほぼないです)
 
さて、ここで、ロッドを選ぶ基準に、『感度』というものが加わったら、途端にややこしく、複雑に、わけわからなくなると思いませんか。
 
 
 
そもそもロッドの感度って、ロッドそのものだけではなくて、
・ガイドの数、種類(これもロッドの一部ですね・・・)
・ラインの種類
・糸がどれだけガイドに触れているか
・人間の掌の感覚の個人差
 
などなど、感度に関係する要素は多いわけです。
他にも、
リールを巻いているとき(ロッドがルアーの巻抵抗で曲がっている)
リールを巻いていないときとでは感度が変わってくる、と言う事も言われています。
 
 
糸電話の話がよく例に挙がっていますが、
50m先の人と糸電話で話すとき、紙コップより、その糸の材質の方が大切ですよね、と。
使う糸は、毛糸より、例えば釣りでつかうナイロン、フロロ、PEラインの方が、声がよく伝わるような気がします。

釣りも同様に、たかだか2m~3mのロッドより、水中に50mくらい伸びているラインの方が、はるかに感度に影響があるんじゃないの、ということです。
 
もちろん、糸の材質が一緒なら、
紙コップの材質にこだわれば、より声が伝わりやすい糸電話になることもわかります。
釣りのラインが同じなら、ロッドの感度にこだわる方向になっていくこともわかります。
 
 
ただ、釣具屋さんで、試し振り、試し曲げをさせてもらったとしても、感度って正直、よくわからないはずなんですよね。
 
リールつけて、ガイドに糸を通して、ってまでやる人いらっしゃるんですか?
そこまでやってくれる釣具屋さんあるのでしょうか・・・すいません、ここはわかりません。
仮に、場合によっては、リールまで持参してw、ラインまで通させてもらったとして、糸を店員さんに指ではじいてもらって?わかるんですかね?
 
ま、ここは、ラインまで通す人がいるか、いないかは問題ではなくて、
 
感度って実際、フィールドで使って、魚をかけるまで分からないんじゃないかな、と。
 
作れるか、実際あるかどうかは別として、
感度以外のカタログスペックが全て同じロッドがあるとします。
感度の良し悪しの違いで、値段が数千円~数万円違うとして、使ってみないと実際どれだけ感度が違うかわからないってのはギャンブル性が高すぎませんかね、と。
 
A社のいう『絶対的感度』は、
B社が遥か昔に通り過ぎた感度なのかもしれませんし
 
B社がいう『未だかつてない感度』は
C社が遥か昔に到達していた感度かもしれません。
 
勘のよい方はお気づきかもしれませんが、実際買う前に、感度の違いを数値化して売り出すことはできないのかな、と、考えておりまして、これがこのブログの趣旨です。
 
 
そこで、感度に関して論じられている論文を見つけまして
『釣り竿の振動特性と感度に関する研究』です。
 
4本のロッドを使って、メバル釣りをして、4本のロッドの振動特性と感度に関して論じられている研究です。
アタリ数や、釣ったメバルの数などが記載されていなかったり、計測施行回数が明記されていなかったり、気になる事はあるのですが、
 
・減衰比なるものを小さくすれば感度を上げることができる
・伝達関数なるものを上げることで感度を上げることができる。
 
という結論に達していることが素晴らしいと感じました。
 
各釣具メーカーさん、ロッドメーカーさん、ロッドビルダーさんにとって、減衰比とか伝達関数は、既知のパラメーターであるのかもしれませんが、
感度の指標として明らかにしてくれたら、ロッド購入の一助になるのかな、と考えました。
 
それらのパラメーターの絶対値での良し悪しは判断できなくても、何本かのロッドを比較する際に、
このロッドは、あのロッドより減衰比は小さいけど、伝達関数は大きいな、とか、そんな感じで比較することが可能になるのかな、と。
 
 
すくなくとも『絶対的感度』とか『未だかつてない感度』とかより、
フェアで客観性がある表現かなと思うのですが、メーカーさん、エキスパートのみなさん、いかがお考えでしょうか。

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