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解禁櫻鱒釣行~追憶編~

  • ジャンル:釣行記




2月1日AM3:00。

スタッドレス、スキーキャリアを装備した完全雪道仕様のレンタカー、「ノア」を駆り、TOMMYは一人北陸道を北へと進んだ。


車内には、スキー用品など一つもない。

あるのはロッド(SPARTAS Foojin’go ANGEL SHOOTER 95ML)、リールにベスト、ウェーダーと、釣具のその他諸々・・・。


2時に家を出発し、関ヶ原を越えた辺りから一面雪景色となっていた。


これは数日前から日本列島を覆っている寒波の影響であり、東北、北陸を中心に、この日も断続的な雪との予報。


先のレンタカーだけでなく、前日には庶民の強い味方、「ユニクロ」にてヒートテックソックス、暖パン等のヒートウェアも購入し、万全を期して北陸へと乗り込んだ。



AM5:00、外気温-2℃。

凍てついた道路をバリバリと割り進み、年券を購入する為、まずは交わした約束を果たしに「越前フィッシングセンター」へ。

金色に輝く年券を購入し、しばらくご主人とアングラーの方達と談笑。互いの健闘を祈り、いよいよ聖地“九頭竜川”へと向かった。


先日下見に訪れた時とは打って変わって、九頭竜川河川敷道路も大雪に覆われていた。

しばしグルグルと辺りを回ってみるが、ここぞと言う場所には先行者の車と、雪の洗礼・・・。


兎にも角にも、車を駐車するスペースを確保する事が先決。
九頭竜川付近は思いのほか、駐車出来るスペースが少ないのである。

そしてただでさえ少ない上に、今回の様な雪に覆われてしまっている時はスコップが必須との前情報。

TOMMYもこの日に合わせてスコップを用意していたのだが、幸運にもこの日一番入りたかった、最下流ポイントとなる「高屋橋」付近の高架下に難なく車を止める事が出来た。


毎年解禁日には多い時で200人近くのアングラーが九頭竜川には訪れると聞いており、中でも一級ポイントであるこの高屋橋上流付近には、前日からの場所取り組の方達が陣取っているだろうと高を括っていたが、さすがにこの雪では・・・と言った所だろうか、残りニ台程止めれるスペースが空いていた。


AM5:45。

辺りはまだ暗く、少し早いが早速タックルの準備に取り掛かった。
何よりジッとしていられなかったからだ。


AM6:10。

全ての準備を済ませ、河川敷へと向かった。
気温0℃。
足取りは軽かったが、上空からは雪混じりの冷たい小雨がパラついていた。


河川敷に立つと、もの凄い風に被っていたハットをいきなり飛ばされた。
ハットキーパーがなければ、のっけから帽子を追い掛けるという無様な姿を晒していた事であろう。

この時の風速は7m。

向かいの山からの吹き降ろしなのか、先ほどの雨のせいなのかはわからなかったが、とにかくスキー場でしか体験した事のない「吹雪」がTOMMYを暖かく出迎えてくれた。


「こちとら完全防備で挑みに来たんだ。望む所だぜ!」



AM6:15。

見下ろす眼下のテトラには、既に数人のアングラーがロッドを振っていた。
さすがに一級テトラの周りには簡単には入れねーかと、猛烈な風に何度も帽子を飛ばされそうになりながら、300m程上流に歩いて、以前下見した時に押さえておいた“中州”へと入る事にした。


AM6:30。

雪の積もった堤防を滑り降り、目当ての中洲前に辿り着く。

上空はこの天気のせいからか、まだやっと青みがかった黒になったばかり。

目の前の中州に渡るには、5m程の川渡りをしなくてはならない。

ライトを車に置いて来てしまった事を一瞬後悔したが、水中に目を凝らすと、すぐに底が見て取れた。

更に対岸の中洲にはさざ波が立っており、そして何よりここが浅いという事は、先日の下見の時にも確認済み。


『水面の変化から、あの中州の向こう側は深く掘れているはず。』
『下流のテトラ沿いに上がった魚は、必ずこの中州の向こう側を通るはず。』

迷いはなかった。


摺り足で入水し、いよいよ満を持しての九頭竜川櫻鱒釣行のスタート。



思ったよりも水深は浅く、足首までしかない。
更に歩を進めてもさほど水深は変わらず。

2m程進んだ所で、足裏の感触が土から岩盤の様な固い地に変わった。

ここからは楽そうだなと、そのまま左足を前に出した次の瞬間。



『ドブン!』



びっくりする程深かった!!

瞬時に首まで浸かってしまった!



「お~ふ!あああ・・・おふ・・!」

慌ててターンをし、手で水を掻いてもう一度岩盤に上った。

袖口から滴る冷たい水・・・。
何てこった!完全防備で挑んだつもりが、いきなりの丸裸に!


岩盤だと思っていたのは堤防の先端であり、土が被ってまったくわからなかったのである。

そこから先は奈落の底・・・。

いや、もちろん底はあるのだが、TOMMYに取っては最早、奈落以外のなにものでもなかった。


辺りにアングラーの姿が無かったのが不幸中の幸い。
もし誰かに見られでもしていたら、ハットで顔を隠して九頭竜川を走り去っていたに違いない。




人生初となる“聖地九頭竜川”櫻鱒への挑戦・・・。


辛く楽しい解禁は、こうして幕を開けたのである。



◎BGM『The Ecstasy of Gold』by Ennio Morricone 

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