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牡蠣時々目張

  • ジャンル:釣行記

日曜日。

まだ夜が明け切る前から、カキ祭り会場である、的矢港目指して出発。


祭りのスタートは午前10時から。

このペースで行けば予定通り、8時には到着するだろう。


今年は余裕を持っての参戦。
もちろん、ハッチにはライトタックル。



午前8時過ぎ、的矢港到着。
さすがにまだ、人はまばら。
寒風吹きすさぶ中、関係者の方々がせっせと準備に精を出していた。


祭り開始まで二時間弱。

まずはロッドと共に積んできたチャリンコに長男を跨がらせる。
つい最近、ワッパなしで乗れる様になったばかりの長男は、得意げに駐車場をグルグルと周り始めた。


TOMMYは早速海を眺めに。


魚影は確認出来なかったが、いかにも釣れそうな雰囲気。

すると、すぐ先の防波堤をロッド片手に歩いている二人の少年を発見。

すかさず後を追うTOMMY。


「この辺でやろっか」

そう話しているのが聞こえたので、

「こんにちは。何を釣るの?」

と声を掛けた。


すると、
「こんにちは~!えっと、メバルとかシーバスとかが釣れたらなと思って・・・。この辺は何が釣れるんですか?」

と、逆に問われた。

(地元の子じゃないのか・・・。)

「う~ん、お兄ちゃんも地元の人間じゃないからわかんないけど、メバルなら釣れるんじゃないかな~?」

などと、昨年たいして釣れなかったくせに、いい加減な事を言ってしまった・・・。


「一緒にやりませんか?教えて下さい!」

聞けば、岐阜から来たこの小学四年生の少年達は、普段は野池のバスを相手に竿を振っているようで、まだ一度も海の魚を釣った事がないと言う。


純粋に釣りが好きで、一生懸命小遣いをはたいて買ったのだろう、
少年達のルアーボックスには、どこのメーカーのものなのかわからない、ラパラもどきなルアーがたくさん入っていた。



おじさん、感動しちゃいました。


「よっしゃ!やってみっか!」


少年のロッドには真新しい小さなメタルジグが結ばれ、最初は何も言わずに黙って見ている事にした。

もう一人の少年は、刺身をエサにした釣り竿と、エギを結んだロッドの二刀流。
彼は気付いていなかったが、辺りには墨跡もあったので、決して間違った選択ではない。

ただし、エサ竿にエサとして付けていた刺身が、ブリの切り身そのままであった事だけが、唯一の不安材料であった。


しかし、何もかも教えてしまっては、彼等の楽しみを奪ってしまう。

釣りは好きな様に、各々思うがままに。





メタルジグの少年は、表層から30cm付近をバーチカルに誘っている。


とそこへ、

「フグだ~!」

チャリンコを乗り捨てて駆け付けた長男が、見付けたフグを指差して声を発した。

子供達は、嬉しそうに小さなフグを見つめ、あっという間に三人の輪になっていた。

そんな微笑ましい光景に、目頭が熱くなる齢35歳のTOMMY。

年を取ると、涙腺が緩くなると言うのはどうやら本当の話のようだ。


しばらく何も言わず、そのまま眺めていたが、相変わらず表層付近をメタルジグでチョンチョンとしていたので、

「一度ボトムまで落としてごらん。二、三回しゃくってリールを巻いたら、そのまま少し落としてまた数回しゃくってやってみ。」

えらそうにレクチャーしてみたものの、そんな簡単に釣れる訳ねーよなぁ・・・何て思っていると、


『きたぁー!!』


一際大きな声で叫ぶ、ジグ少年。


(へ?ウソ!?)

刺身を小さく付け替えていた後ろで、ロッドが小気味良くしなっている!

グリグリとリールを巻いてあがって来たのは、何と紛れもない「メバル」!

しかも中々の良型だ!


『やったぁー!メバルだぁ!初めて釣れたぁ!』


「おお!やったじゃん!」

そう、肩をポンと叩いてやると、更に顔を真っ赤にして喜ぶ少年。

何度も何度もガッツポーズを魅せ、喜びを露わにしていた。


その後パターンを掴んだ彼は、続けざまにもう一匹追加!


それを見たTOMMY、さすがにいても立ってもいられなくなり、ダッシュで車からタックルとカメラを持ち出し、大人気なく並んで参戦。

5gジグヘッドに月下美人「ビームスティック」をセットし、停泊船の下からいとも簡単にメバルを引きずり出す!



更に、彼等に取ってはその時既に『対メバル兵器』と化し初めていた、二匹のメバルを釣り上げたメタルジグ・・・。
そいつを、足元のカキ殻に引っ掛けてしまい、ひどく落胆していたのを、ロスト寸前の所でTOMMYが救ってやった。

内心、切れたらどうしようかとドキドキであったが、これにより少年達の目は、まるで神でも見たかの様な羨望の眼差しをTOMMYに向ける。


(やめろ!そんな純粋な目で俺を見るんじゃない!)





そうこうしている内に、10時になり、いよいよカキ祭りが始まった。




慌てて戻り、カッパを着込もうとしたTOMMYを一緒に行った親父が制止した。
何と今年は『詰め放題』ではないと言うではないか!

何でも昨年の震災で、こちらでも津波の影響を受け、例年の半分以下の量しかカキが捕れないのだとか。

それでも何とか祭りだけはと、関係者の方々の熱意によって今回の開催にこぎ着け、20個千円での販売(お一人様3袋まで)となったとの事。


少々残念ではあったが、こればかりはいた仕方がない。
前日に買ったカッパを放り投げ、列に加わり、それでも6袋、計120個のカキを購入させてもらった。




他にも会場には、カキフライ、カキ汁、焼きガキ、カキめしと、所狭しにこれでもかと言う程の「カキ尽くし」に家族共々ご満悦。





ふと、先程の突堤に目を向けると、カキには目もくれず、黙々と竿を振り続ける少年達の姿。





『木曽川でシーバスを釣るのが夢』

そう言っていた少年達に、

「秋になったら木曽川の〇〇大橋の下においで。俺はいつもそこにいるから(笑)」

と別れを告げ、来年こそまた盛大なカキ祭りを・・・そして詰め放題も復活する事を願い、会場を後にした。


帰りは『鳥羽水族館』でチビ達にも家族サービス。

彼等もまた、魚を見る目はキラキラと輝いており、いつかあの少年達の様な、とびっきりの笑顔を纏った“釣り人の顔”を見せて欲しいなぁと思ったのでありました。



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