高嶺の花

  • ジャンル:釣り具インプレ
  • (リール)
以前、スピニングリールに思いを馳せてみるという記事でダイワのトーナメント系統のリールと切磋琢磨してきたステラとの歴史を書きました。

自分はトーナメントCシリーズ(1999年発売)がダイワリールのひとつの到達点として、今のリールに通じる技術のほとんどが搭載されていると思っています。
(その後にマグシールドやモノコックボディ等の技術も投入されていますが)

トーナメントCシリーズが発売されたのと同じ1999年、時を同じくして、ダイワから異端とも言えるリールが発売されたのでした。
それが『チームダイワZ-C』だったのです。

当時高級リールといえばアルミボディがスタンダードで、今のようにザイオンやCI4といった剛性を確保できる樹脂素材が出てくる前だったので、樹脂ボディのエンブレムシリーズやリーガルシリーズはかなりの重量がありました。そこで軽量化と高剛性を確保するための切り札として、マグネシウム素材がリールに採用され始めた頃だったと思います。
(当時マグボディ機は、まだ淡水専用だったと記憶しています)

スペックを記載してみましょう。
型式:TD-Z 2506C
ギヤ比:4.9:1(1巻72cm)
重量:185g
糸巻量:4LB/170m,6LB/100m,8LB/80m
価格:80,000円

当時ハイエンドのトーナメントZ2500Cが定価57,000円だった時代に8万円です。どれだけとんでもないリールだったかご理解いただけますでしょうか?
ちなみに翌年に限定販売されたミレニアムステラが同じく8万円でした。
その後、このリールをベースに2002年にトーナメントエアリティが発売され、その後初代イージス(2004年発売)や初代エメラルダス(2007年発売)、初代イグニス(2008年発売)等でも流用されて10年近く活躍したのでした。

今となっては巻き心地やパワー等では現在の中級機にも見劣りする部分はあるでしょうが、スピニングリール軽量化の道筋を作った意欲作で、当時できることを惜しみなく投入して作り上げた傑作リールだと思います。やっぱりスピニングリールではダイワが一歩先を行っていると思います。
今だったらモノコックボディですかね。

さて、実はそんなリールが20年の時を超えて我が家にやってきました。
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当時の自分には手が出せなかった高嶺の花が、中古とはいえお手頃価格で入手できたのですから、感慨深いものがありますね。
最近思うのは、最新の道具も欲しいとは思うのですが、ワクワクしたり、つい買ってしまうのは昔憧れた道具の方なんですよね。実用性はほぼ無いんですけど(笑)

手にしてみれば確かに軽くて、実測187g。
現在では200g以下のリールも珍しくなくなりましたが、当時トーナメントの2500クラスが300g近い重量だったことを考えると、本当に驚異的です。
中古だったので心配していた巻き感もゴロゴロしていなくて安心しました。使い込まれて塗装の剥げた部分やスプールの印字面のシュリンク浮き、ベール下がり等、若干のお疲れ感はありますが、今のリールほど滑らかではないものの十分に軽い巻き心地で、精密さを感じます。これはきっとメタルボディの恩恵でしょう。

メンテナンスして、いずれ芦ノ湖のトラウトで使ってあげたいと思います。

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