1日で、２人で計８匹を釣りあげた土曜日から１夜明けた日曜日、２人は懲りずに夕方からまたカナルの繰り出します。今回は相棒も連れて３人で、前日に釣ったエリアは軽くチェックしながら、まだ叩いていない場所へと足早に進んで行きます。Shin君は語学留学生で、平日は勉強に充てるため釣りを自粛している週末フィッシャーマン(偉い!!)、今日も是非とも良い魚をキャッチして欲しいところです。釣れ過ぎた昨日は過去の話、昨日は昨日、今日は今日の風が吹く。

小ぶりなパーチはポツポツと反応はあるものの、夜中に降っていた雨の影響もあってか、前日の様な生命感は薄れてしまっています。場所によっては水が良くなっているところもありますが、パイクも全く反応なし。結局前日折り返した辺りまで来たところでようやくファーストフィッシュ。鯉釣りをしていた釣り人が、「そこらへんでさっきから小魚が暴れてるから絶対パイクいるぞ、少し攻めてから行け」と言われ、数キャスト目、反対岸ギリギリに着水し、巻き始めた瞬間ぐらいのバイトでした。彼はライブベイト、デッドベイトで夏から冬にはパイクも狙っている顔なじみの釣り師。来月ぐらいからまたパイクやるよと言っていました。グリップなんか必要ねぇぜあんちゃん、と言わんばかりに手でランディングしてくれました。







お見事。　「やっぱりいただろう？ワッハッハ！」　向かいの住宅から拍手を浴びた

７０ｃｍクラスの悪くない型でした。ここからようやくギアアップ、みんなのモチベーションも再び上がり調子。人間は目から見える情報の頼り過ぎている生き物。実際に魚を目で見るとやる気もやっぱり出てくる単純明快な人間。相棒もパーチを追加し、魚のイメージが持てた僕は、その後もすぐに似た様なパターンでもう１匹を追加、手広げ計測で８５は超えていたであろうナイスサイズ。さっき釣ったばかりの僕の後ろにはギャラリーが付いて回っていたので、今回は更に大きな拍手を浴びることに。もうカナルにでも飛びこんでやれば良かったか？？笑


でもちょっと緊張してしまう

しばらくはウィードが伸びすぎてしまい釣りにくい状況が続く。スピーディーにチェックして、今日は更に下っていくことにする。カナルがテムズへと流れ込んで行くエリアに近づくにつれ、透明度はぐんぐんと増して、完全なクリアウォーターになり、小魚の群れやブリームがあちらこちらに見えてきます。途中カバーの下をウロウロする８０ｃｍクラスを発見し、Shin君と狙ってみますが仕留めることは出来ず。

少し高い足場から、何気なくその近くの流れ込みのど真ん中にルアーを投入した瞬間、向かいの家の頭上からあっちを狙ってみろ！パイクを見たぞ！！とおじさんが話しかけてきます。そして返事をしようとした正にその時、ガクガクガクと竿が震えているぞ！フォール中だったルアーにすでにパイクが食らいついていました。

　僕『ここにもいたみたいだ！！』　　おじさん『そうか！引っこ抜いてやれ！ワハハハハ』

水門の階段を駆け下りキャッチしたパイクは８５ｃｍのグッドコンディション。クリアな場所にいるパイクは、色が深緑の覆われて模様がくっきりで美しい。また拍手、何だか今日は釣る魚釣る魚を祝福されている様で凄く嬉しい。


大満足の２本目の８０クラス

ここから先は先週にチェイスが数回あり、絶対にパイクがいることはわかっています。また殺気が出過ぎているのかもしれないShin君、そしてリラックスした瞬間対岸のストラクチャーにフックオン！！笑　橋を渡って対岸に辿り着いたShin君、網や手では届かないと悟ります。

『もしも入るなら１人の時じゃなくて、俺達３人の時の方が絶対にいいぞ！！』

僕の悪魔の様な応援に励まされ、パンツ１丁でカナルに飛び込んだShin君。僕の知る限りロンドンのカナルに入水した日本人は、僕とShin君の２人だけ。釣りは大人を少年に戻す魔力を持っているのです。でも真似をしてはいけません。

どうやらワイヤーがど真ん中からプッツリと切れていた模様。針より先に切れるなんて、、、。しかしここで諦めないのが本当の釣りキチ。あそこに絶対いるはずというポイントが１個残っているのですよ。スペアのワイヤーを手早く装着し、後半ロスタイムに全てを賭けた数キャスト目、、、

　　　『来たー！！』

やっぱり！というか本当にいた！！毎回ドラマを起こしてくれるShin君。彼は何か持ってる。カナルの水で洗礼を受け、意地と執念でたたき出したカナルの女神、その１匹はまるで神竜。
最後の最後のでまたいいところを持っていかれてしまいましたよ。


カナルに認められた証の１匹(笑)

何匹釣っても、何故かパイクには毎回神々しい何かを感じずにはいられないのです。古代魚と称される恐竜の様な顔立ちに、まるで人間の様に命の宿る大きな目。ひょっとしたら僕らよりも年上かもしれないのですから。
またすぐに会いに行きたくなってしまうんです。

ではまた。
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