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ショータ・ジェンキンスです。 ようやくfimoの触り方を理解してきました。 皆様よろしくお願い致します。

続・アツい日曜日

  • ジャンル:日記/一般
前回のあらすじ 

その日のうちにお気に入りのルアー2個を連続で失い、失意の中、意地とプライドをかけて釣りを続けたあきらめの悪い男。どうにかこうにか1匹を抜きあげ、喜びと悔しさが入り混じり、素直に満足は出来ない感情に囚われながら歩く帰り道のカナル沿い。そこでカヌーに跨る紳士に遭遇する。

詳しくはこちら


突然後方からバシャン!と何かが着水する音。振り向くとバレーボールの様なボールが浮いている。
そのボールを追いかけるカヌー、そして拾い上げるとまた思い切り投げる。また拾い、時にはパドルで器用に持ち上げたりしながら進んでいくカヌー。何かの練習だろうか?

陸路を断たれた場所に唯一たどり着ける方法、船やフローターなどの水路。まさか無くなったルアーを取ってくださいなんて他人に頼めないよな。バカな考えはよそう、第一カヌーはもう先に行ってしまった。そんなことを考えていると前方で水を飲んでいる。

勇気を出して、思い切って話しかけてみる。


何の練習してるの?見たことないけど。実は訳あって最近カヌーでも始めようかなんて思ってるよ

紳士 『カヌーポロさ。なんでカヌーなの?難しいことなんてないから始めてごらんよ』


話してみると、怖い顔からは想像も出来ない様な人当たりの良さ。ここは撃沈覚悟で聞いてみよう。


どこまで下っていくの?まさか○○駅の方までは行かないよね?

紳士 『次の水門までだね、だからそこまでは行かないかもしれない。どうしてだい?』

実はこうこうこういう理由で、、、、

今日の2個までは遠いと思ったので、水門のすぐ下で引っかけた場所を覚えているのでそこで、もしよかったらルアーを回収してくれないかと頼んでみる。

紳士 『なるほどね、その痛みは理解出来るよ。僕にとってもいい練習だ。じゃあ20分後ぐらいにそこで落ち合おうか。OK?』

なんて人なんだ!大喜びで待ち合わせる約束をする。


男の中の男の後ろ姿

しかしこんな日に限ってとはなんだが、少しおしゃべりの釣り好きのおじいちゃんに捕まり話しこんでしまう。いつもならもっとゆっくり付き合うんだけどごめんよじーちゃん。

遅れているので少し早歩きで行くとなんと待っててくれている。それもボールを壁当てしながら。
何でストイックな男なんだ!待ち時間でさえトレーニングに余念がない。

もっと右、いやちょっと奥。それで少し水の中!!ルアーを見たことも無い人にとってはイメージすらしにくいであろう物体を、反対岸から叫んで指示を出しながら探してもらう。一体どこで語学が役に立つかわかりませんね(笑)
しかし残念ながら、そのルアーは見つけられず。もしかしたら時々回るゴミ清掃の船に取られたかもねと話す彼。が、かえってそれが彼の心に火をつけたのかもしれない。

紳士 『その今日失くした2個っていうのはここから遠いのかい?それともすぐ近く?』

遠くはないけど、さすがにそれは頼めないよ。もちろん口では言いながらも、すでに喜びで心の中で踊っている。何て男なんだ、何て。きっと彼やスラムダンクの赤木の様な男に出会った人は皆こう感じるのだろう。

小走りで現場に案内し、難なく『ゴマちゃん』が返ってくる。ゴマちゃんとは白いDepsのバズジェットのこと。2つ目は中々見つからない。降りられはしないが、反対岸の壁からよじ登り指示を出す。
なんと水中に鉄格子の何か大きなものが沈んでいる。彼曰く、カナルの中に一番あるはずじゃない物のひとつだ。それを少しだけ持ち上げるとようやく発見、返ってきたパーチカラーのスイムベイト。
戻ると彼は名前も聞く前に、颯爽と眩しい水面にこぎ出して行った。途中から騒動を共にしたカップルと、どれだけ彼が素晴らしいかを語り合う。
チーム名はカヌーに書いてあった。応援に行ってしまおうかとは相棒の言葉。それぐらい、感謝してもし切れない様な大仕事。帰り道は流れに逆らうのだからよりしんどいに決まっている。
しかし彼ならきっとこう言うだろう。

『Good paddle for me as well』 僕にもいい練習さ。


ルアーを失くすという事件は幾度となく起きる。釣りを続ける以上仕方がない。でもそうそう簡単に割り切れることなど出来ないストーリーが詰まったルアーもある訳で、大げさではなく、涙が出そうになるぐらい嬉しいことなのだ。今年26歳になるいい大人が、ルアーを回収するためにフローターを探すぐらいなのだから。


赤木を見守るメガネ君の心境

と、大げさにここまで引っ張ったお話。プラスマイナス0、むしろ超ハッピーで、暑い日曜日が幕を閉じた訳です。実はその後のバスケの行きと帰りもちょっと釣ってみたけどノーフィッシュ。
無事回収出来たルアーは翌日に2匹釣らせてくれました。

ありがとう、名前も聞けなかった彼。またいつか再開出来ることを願って、僕は懲りずにカナルに通うのです。

ではまた。

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