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水辺の日記(2)若洲の思い出

  • ジャンル:日記/一般
僕が小学生の頃だから20年近く前だろうか。
 
若洲は江東区に住む釣り好きの子供達にとっては楽園であった。
 
キャンプ場も巨大な風力発電の風車もなく、極端に言えば若洲は釣り人しかいなかった。いや、あと倉庫で働く人と走り屋の人達もいたな。
 
若洲大橋を渡って左手のヨットハーバーは釣り人で溢れていた。サビキでサッパが入れ食いだった。突端の堤防手前は今みたいに護岸整備されておらず、テトラ帯だった。父親がそこで巨大なアイナメを釣り上げた時は心底尊敬した。しかも今考えてみるとのべ竿だったのだからさらに驚きだ。
 
若洲で初めてやった夜釣りはちょっとした冒険だった。家から自転車で20分ぐらいなのに心配する親を説き伏せなきゃいけなかった。
 
なけなしの小遣いを出し合って青イソメを買い、安い投げ竿とおにぎりを持って自転車で若洲へ向かう。
 
生ぬるい潮風に当たり、遠くの水平線に消えていく船の明かりを眺めながらボーっとしたり、堤防の端から端まで歩き、釣り人達のバケツを覗きこんだり。待てど暮らせどアタリが来ないまま夜は更けていく。
 
夜更かしした経験のない僕達は強烈な睡魔に襲われてしまい、結局夜明けを待つ事もなく堤防に寄りかかって寝てしまった。
 
朝起きると、竿には瀕死のイワシがかかっていた。寝ている間にかかったのだろう。それでも嬉しくてバケツに入れた。親が喜ぶと思ったのだが、今考えると迷惑だよな。
 
オッサンが大音量でかけるamラジオを聴きながら道具をしまい、帰路につく。まだボーっとしたまま渡る若洲大橋から見える景色は、行きとは違って見えた。
 
こんな思い出が幾つも積み重なって、釣りが一生の趣味になってしまったのだろう。

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