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悪夢のフライング

競艇SG競争、第57回モーターボート記念で大変な事が起きてしまった。


この事件、ウサイン・ボルトの非ではない


フライングって何?

先ず、競艇における特殊なスタート方式と恐怖のフライングシステムを理解しないと話は始まらない。


-フライングとは?-

競艇のスタートでは、大時計の針が0秒から1秒を指す間にスタートラインを通過しなければならない。針が0秒を指す前にラインを通過してしまうのがF(フライング)。フライングした艇に関する舟券は、全額返還される。


うむ、ややこしい


図にするとこうなる



要するに時計が

・0秒より前にFライン(スタート)を越えるな

→フライング

・1秒になる前にLラインを越えろ

→出遅れ



そして競馬と違い、競艇では

フライングと出遅れた場合、対象の賭け金は全て返還される



返還の恐怖

主催者は誰が勝つかなんてどうでも良い。

何故なら本命で決まろうが、大穴で決まろうが、受け取る金額は同一だからだ。


ところが、返還となると話はまったく変わる。

ざっくばらんに言うと、売り上げの25%が収入となる公営競技において、誰が勝とうが、先ず25%を引いた残りの75%をお客が分配するので影響はない。

ところが返還はその必死に上げよう上げようと努力してきた売り上げを直接的に減らす事になるのだ。

つまり、無かった事として当該に関わる全ての種類の賭け金が返還される。




握れ!百分の00秒へ


SGである。
これは競艇において最高クラスのレースを意味する格付けだ。

そのSGの優勝決定戦ともなれば、常時出場できるのは選ばれた一部の人間のみで、多くの選手にとっては憧れの舞台にして、一生に一度のチャンスですらある。

その結果、一世一代の大勝負を挑む選手も少なくない。


0秒になる前にスタートラインを越えてはいけない
つまり0秒と同時に通過するのは問題が無い。

神業のタッチスタート、百分の00秒通過だ。


背負う責任

かと言って、誰も彼もギリギリを狙ってはフライングだらけでレースにならない。
純粋な競技としても、興行としても、しらけてしまう。

そこでフライングには凄まじいペナルティが課されている。

通常の売り上げの少ない、いわゆる一般戦でも30日間の強制休み。
これはこの間、一切無収入になるだけでなく、レースに出れないのだからポイントが稼げずにクラスが降格する事にもなる。

更に、SGともなれば1年間のSG出場停止、半年間の斡旋保留(要するにレース開催に呼ばれません=無収入)、そして引退勧告まで存在する。

河川の、潮流の、そして風、ウネリ、あらゆるファクターは随時更新だ。
そんな中、最高速度で百分の00秒を攻める難しさが解るだろうか?



売り上げ10%減

悪夢の2艇フライング。

レースを簡単に語らせてもらうと、フライングした1号艇すら4カドから一気のマクリでツケマイを決めた絶好調、瓜生選手の圧勝と言えるレースだった。

その瓜生選手のスタートタイミングは00秒


これがタッチスタートだ!

上から4艇目が瓜生選手




右のラインを1mmでも越えたらフライング。
過去には20億円が吹き飛んだ事もあります。

そして瓜生選手、大一番の勝負所でこの神業、素晴らしい。

しかし、表彰式は終始、微妙な空気が漂っていた。

それはこれまで6日間、関係者が一丸となって、なんとか稼ぎ上げてきた売り上げ100数億円の内、10億円がこの100分の04秒で吹き飛んだからに他ならない。


競艇は面白い

先日、荒尾競馬が閉鎖を決定したように公営競技は危うい立場にある事を考えれば、減った10億の売り上げがもたらす2億5千万円の収入がいかに大きな物かは解るだろう。

今回は残念な結果になってしまったが、瓜生カッケェー!

勝者のカッコ良さはサッカーやテニスと比べても遜色が無い。


初心者はモンキーターンを読むのが、お薦めです。


日本には最高に痺れるプロスポーツが、まだまだ沢山あります。

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