先程の愚行から程なくしてカミさん登場。


アグザをなくしたことを告げると『見つかるまで捜しなさいよ!!』

本気とも冗談とも取れる言葉を投げられる。

『じゃぁ釣りやめて二人で探すか?』という言葉は飲み込み、改めて釣り開始。

ふたりともノーバイトのまま時間だけが過ぎていく。


カミさんは1箇所で粘るタイプ。

僕はあっちゃこっちゃ動きまわるタイプ。

さんざん動きまわった挙句カミさんの様子を見に傍へ移動。


岸壁際の段差を飛び降りたとき何かが落ち水中をユラユラ沈んでいく。

一瞬の間があってソレが携帯電話だと気付くのと同時にその場に凍りついた。


本日2回目のやっちまった!!である。

つか、やっちまった!!どころではない!!!


茫然自失・・・その瞬間から後悔の嵐が自分を襲う。


何故すぐに掬おうとしなかったんだろう。

何故落ち易いところになんか入れておいたんだろう。

何故ここを通ったんだろう。

何故アグザをなくした時にやめなかったんだろう。

何故何故何故・・・。

色んな何故が頭の中で渦巻く。



『とりあえず網で底の方を掬ってみようよ』

カミさんの声で我に返る。

落としたのはL字の内側の部分だから運が良ければ流されず

壁に当たって真下にあって掬えるかもしれない。

淡い期待を抱きながらランガンアームをいっぱいまで伸ばし底付近を探る。

潮位は多分上げ6〜7分といったところで。

4mの柄と60cmの枠から推察すると水深4m弱位だろうか。


何度も何度も底を探るが、取れるのはヘドロと牡蠣殻のみ。

真夏の大潮のド干潮であれば降りて探すこともできたかもしれない。

でも今の季節、この潮位で降りるなんてとんでもない。

自殺行為に等しい。


30分位やったところで枠の接合部分がポッキリ折れてしまった。 

最早これまで。もう手の施しようが無い。

僕の心もポッキリ折れました(泣)

バイブレーションを落としてストラップに引っ掛けて〜なんて考えてもみたけど

見えるならまだしも見えない携帯相手に闇雲にやっても僕の腕では雲を掴むような話で

今度はそのバイブレーションをなくすのが関の山でしょう。

為す術無くなり、壊れた網とロッドを手に家路につく。


結局何をしに行ったのだろう。

その大半の時間を釣りとは別のことに費やし携帯電話とルアーをロストしただけ。

アドレス帳なんかはまた登録すればいいだけだからどうでもいいけど

1番のショックは携帯の中の写真等のデータである。

バックアップなんて取っているわけもなく4月に機種変してから録り貯めたデータを全て失った。

そこには家族の写真・ムービー、今までの少ないけど嬉しい釣果達が入っていた。


どうしよう・・・おじさん、思い出迷子になっちゃうよ・・・。



携帯を紛失した際の対応をカミさんが代わりに色々調べてくれた。

紛失時の機種変更には遺失物受理番号なるものが必要で

それは警察に行って紛失届を出した際に発行してもらえるものだそうで、警察署に問い合わせると近所の交番で

もやってくれるとのこと。

警察署から最寄の交番に繋いでもらい事情を説明すると

すぐ手続き可能とのことで夜中の2時半に近所の交番までチャリでダッシュ。


お巡りさん・・・こんな夜中に余計な仕事を増やしてしまいすみません。


事務的な書類に名前、住所、無くした物、場所、時間等を記入して終わり。

なんとも呆気無いけど一応手続きは完了。

お巡りさんにお礼を言って交番をあとにする。


オレ・・・こんな時間に何やってんだろ・・・。

疲れと後悔がどっと押し寄せる。

相変わらず頭の中では『何故』がフィーバー中。


ほんっとため息しか出てこないっす。

自分の愚かさにホトホト呆れるばかり。


釣れねぇは、ルアー無くすは、携帯無くすはで

今回はほんとにもう釣り止めようかと思ったほど心が折れました。



でも絶対まだやめませんよ(笑)

だってまだ鱸さんと呼べるサイズに会ってないですしね。



翌日の夜には新しい携帯を購入する手筈が整った（これもカミさんの尽力あってのこと）

つか、新しい携帯が来るまでの代替機がピンクのらくらくホンてどうなのよ(゜Д゜;)




アグザ：￥990-（特価でした）

無くした携帯の残金：￥43,350-

新しい携帯：￥38,850-

玉網の枠：￥1,600-

無くしてしまった大切な思い出の数々：priceless

お金で買えない価値がある・・・。


言うてる場合か!?



みなさんも釣行中の携帯等貴重品の取り扱いには十分注意しましょう。



つか、携帯高過ぎ(泣)