掛ける釣りと獲る釣り

最近は釣行記ばかりだったので今時点での自分なりの考えを書いてみます。


ちなみに長文&写真無しなの読むのがでめんどくさい方はスルーで。


近年急速な発展を見せるソルトライトゲームにおいて最近よく聞く言葉がある。それは「スーパーフィネス」や「ウルトラフィネス」という単語。

一般的には極細のフロロやポリエステル系のモノフィラメントの道糸を使用し1グラム以下のジグヘッド+ワームでアジやメバルを釣る釣法。


この釣り方自体はともて理にかなっていると思う。餌釣りの世界でも道糸より釣果を伸ばす方法として細い道糸を使用したり軽いオモリを使用したりする。そのこと自体は問題ではない。


ここで私の所有する2つのタックルを例に挙げて話をする。私個人の意見なので偏りがあるかもしれないがその点はご容赦願いたい。


まず1つ目はブリーデンのGRF-TR68ストレンジ、もうひとつはufmウエダのTFL-64RX。どちらもスーパーフィネスフィッシングに十分に対応しているロッド達だ。


大きな違いとしては、ストレンジは繊細でしなやかなティップを持ち魚が咥えた時にラインが緩む感触、いわゆる揺れアタリの感知能力に優れている。揺れアタリを感知できるロッドは非常に少ないがこのストレンジは唯一無二だと思っている。


一方、64RXは高弾性カーボンに金属であるボロンを配合、ティップ部は高弾性カーボンのショートソリッドになっており振動を伝達するという能力に非常に長けている。ウエダは最近他メーカーからも多く出されている「高弾性パッツン」ロッドの元祖的存在である。残念ながらウエダはもう解散してしまいウエダの新作ロッドを手にすることはできない。


察しの良い方はもうお分かりだろうがこの2本のロッドは目的とするアタリの種類が違うのだ。
その点を理解するとおのずと合わせるライン、などが見えて来る。


私の個人的な組み合わせはストレンジには2lb以下のフロロライン、64RXには2lb以下のポリエステル系ラインを合わせている。


この組み合わせで最高のポテンシャルを発揮できると私は思っている。


ただ、勘違いしないで頂きたいのはどちらが優れている、ということはないということだ。どちらにも長所はあるし短所もある。


たとえばストレンジ+フロロの場合繊細なティップにかかるラインの重さの変化でアタリを感知することができる。これは比重の高いフロロだからできることであり比重の軽いナイロンやPE、ポリエステルなどでは真似のできないことだ。逆にラインを張った時の感度では低伸度のPE、ポリエステルにはかなわない。魚を掛ける際もフロロの伸びがクッションの役割をし鋭い電撃フッキングでもあわせ切れすることはほとんどない。


次に64RX+ポリエステルの場合高弾性ロッドに低伸度ラインを組み合わせることで異次元の直線感度を得ることができ魚が噛んだときの感触までしっかりと伝えるが、ラインがたるんでいると魚からの信号がたるんだラインに吸収されてしまい手元まで伝わりにくい。フッキングの際も注意が必要で鋭くビシッっと合わせるとラインがショックを吸収しきれずたとえショートリーダーを組んでいてもアワセ切れしてしまうことがある。その代わり魚を掛けた後は魚の筋肉の動きまで伝わるようでとてもやり取りが楽しいのは事実だ。


ただ、やり取りの際も場所によりけりで磯場やストラクチャー際などで尺クラスを掛けて有無も言わせずゴリ巻きが必要な場合や根に突っ込む魚をロッドワークで無理やり交わしたい場合などロッドの角度や曲げ方にこだわっていられない時は64RXのような「高弾性のパッツン」よりも「中弾性のしなやか」の方が圧倒的に歩がある。このような状況だとロッドの角度やドラグ調整を一歩間違うと高弾性ロッドは簡単にいってしまう。私も過去に何度かやらかした。


しかしオープンエリアで釣る場合、掛けた後はたとえストレンジのような繊細なロッドでも中弾性のトルクフルな一面が出てきてかなり大きな獲物でも不安は一切感じない。1ランク上のエレクトロかとも錯覚するほどだ。一方64RXはロッドワークも余裕があり不安げなくファイトできるがストレンジほどタメを利かせられないということもあるがやり取りは非常に楽しくいかにも魚との駆け引きを楽しんでいると実感できる。


余談ではあるがJGFAなどで記録魚を狙う場合、ラインのlb数によって記録が違う。ようするに太い糸で大きな魚を釣っても当たり前でより細い糸で大物を釣れるかが重要視されている。それが大げさに言えば漁とゲームフィッシングの違いでもある。


長くなったが近年の感度が良いといわれている「高弾性パッツンロッド」は特定の条件下では確かに非常に強い場面もあるが決してそれだけが感度の全てではないし場合によってはストレンジのような「揺れアタリ」を感知できるロッドが強い場面もある。


釣り人は固定概念にとらわれず柔軟に対応することが求められそれが釣りの楽しみでもあると思える。

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登録ライター