悩んでる釣友へ

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始まりを思い出して







初めてルアーを投げた。


どこに投げたら釣れるのか、どうアクションしたら釣れるのか。



頭の中はそればっかりで“魚”のことなんて全然知らなかった。



どうやって補食してるのか。



そもそも“補食”なんて言葉も用語でしか知らなくて、目の前の釣り場に補食ポイントがあるのかなんて考えたことすらなかった。



思うところに投げられなくて、悔しかった。



練習した。



流れてくるゴミ
遠くにある街灯
対岸にある木



それを狙って投げ続けた。



周りが釣りをする中で、自分だけは釣りじゃなく“キャスト練習”をした。



上手い人からアドバイスをもらった。



投げ続ける中で、ときたま、気持ちいいくらいよく飛ぶ投げ方があった。



その感覚を必死でつかもうとした。




あそこに投げたい!


そうだ、これなら届くかも!



ベイトなんて考えず、レンジなんか考えず、ただよく飛ぶルアーを選んで投げた。



よしっ!届いた!



その時だけ不思議と高まる鼓動とは裏腹に、聞こえてくる周りの音が静かになった。








ドシッ




予想していたより遥かに強い力で、ルアーを何かが引っ張った。



その大きな当たりと、自分の鼓動が大きく脈打ったことにビックリしたことは、今でも覚えてる。





落ち着け!

ゆっくりゆっくり!!

焦るな!




周りからのアドバイスは聞こえているけど、実行なんて出来なかった。



ルアーをひっぱる“何か”がそうさせてくれなかった。



今思えば、“やり取り”の“や”の字もできてない。



ただ、“何か”は弱りながらこっちに寄ってきていた。



仲間が弱った“何か”を満面の笑顔で優しくキャッチしてくれた。



これが自分の狙ったところに投げて釣れた初めての















『シーバス』

だった。



ヒザが笑ってる。

呼吸も心拍数も上がってる。

肩なんかパンパンだ。

両手は力を入れすぎて、握力があんまりない。



でも、そんな疲れなんか軽く吹き飛ばす

『シーバスの魚体』



『仲間の笑顔』

が水ぎわにあった。

今に思えば、そんなに大きなサイズじゃない。



でもこれは思い出の一匹。

忘れられない大切な一匹。



・・・。





釣りって面白い。


知れば知るほど奥が深い。


海で、川で、渓流で、

『今日の思い出の一匹』

が待ってる。


始めたばっかりのアイツは、この楽しさを知ってるかなぁ?


どうやってランディングしてあげようかなぁ?


『サイズ』じゃないよ?

大切なのは、今日の思い出になる『一本』の魚体に出会うこと。


楽しさが少しずつ、でも確実に増えていく。








さぁ、今日も釣りに行こう。





初めて釣った時の気持ちを胸に。







多分始めてのルアーフィッシングはこんな感じじゃありません?



僕はそうでした。



忘れてませんか?



一人の釣り仲間より

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