漆黒に目覚めた空を見上げれば、恒久的に不変とも想える、生き生きと、力強く輝きを放つ恒星達…

大気中の不純物が、寒さを感じるほどに、何処かに降り堕ちていくのか…？

まだ、申し訳なさ気だけど、初冬を主張し始めた、それはそれは静かな…晩秋の夜でした…

無風鏡面…。

その景色は、まさしく、水面を歩いて渡れると錯覚させる、願望に似た想いを創り出させる、騙し絵…。

時たま、自然の摂理によって押し流された水流が、水底地形の影響でヨレを「モアッ」っと生み出し、河の存在を主張しているかのよう…

もう、すでに街の存在感は、この場所には、届かないのか…。

我が身は、愛竿を軽く握った瞬間に、もうすでに風景に溶け込んでいるであろう…。

「この川は、こんな表情も見せるのか…」

どんな者でも、知らない表情を、知った時、何とも言えぬ、情に似た感覚に包まれる。
それに近い…

落ち葉と冷たい空気が、より一層、神秘的な空間を目の前に創り出していて、
自分だけが、目に映る限りの、まるで切り取った絵画に入り込めるような、贅沢な気分…

秋から冬に…　全ての色が塗り替えられる作業を、肌で感じられる…

そんな静寂の中で…