月曜日の夕方の事

最近どうも腰の具合が良くなくて

仕事が終わって一旦自宅に戻ってから近所の整形外科へ向かうためテクテク…



と

これまた近所の中学校の野球部の子供達が数人集まり前方でザワザワ



しばらくすると

一人を残してみんな立ち去ってしまった



その場に目をやると中型バイクと自転車が倒れていた

どうやら一人の少年がカバンか何かを引っ掛けて倒してしまったらしいが

友達とおぼしき少年達は

『俺らじゃねーし』

なのか

『俺関係ねーし』

とでも言わんばかりに立ち去ってしまったようだ



一人で必死に中型バイクを起こそうとする少年

しかも小学生か？と思うぐらい小柄な子

これはあまりに可哀想



『大丈夫かー？怪我してないかー？』

と声を掛けてやると

少し困った様子で

『はい、大丈夫です』

と返事をしてくれた



『一人で起こされへんやろ？起こしたるから待っときやー』

『はい』



その昔バイクに乗っていた事もあって起こし方は心得ていたのでサクッと起こしてやり

『はい、オッケー　気ぃつけなあかんでー』

と言うと

きちんと両足を揃えてこちらを向き

『ありがとうございました!!』

と

素直ないい子じゃないか



しかし目を先に向けると友達らしき連中は遥か先に…

少し寂しげな

それでいて悲しそうな表情をしている少年

仕方無いので整形外科の入り口まで一緒に歩いてあげた

『友達は誰も手伝ってくれんかったんか？』

『はい…』

『最低やなぁ…』

『…』



整形外科へ到着したので

『じゃ、気ぃ付けて帰りやー』

『はい、ありがとうございました!!』

と言葉を交わし少年と別れた



そして整形外科にて施術を受けながら

あの少年は明日からあの友達連中とどう接するんだろうか？

どんな感情を抱くんだろうか

そんな余計な勘繰りもしてみたり



でも

『ありがとう』と言う言葉を素直に言える心

これは大人も見習わなければいけない事

助けてあげたつもりが

逆に大切な事を教えてもらったような気がしました