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▼ 爆弾釣行
- ジャンル:釣行記
「TOMMYから貰った邪道のルアー達、ヒラスズキにめっちゃ効くわ!今日もニーサンで86cm(6.8kg)が釣れたよ!」
http://syukuohashi.jugem.jp/
(ERDA86 “TOMMYカラーでも)
今月初旬。
南紀の兄貴こと、「大橋究未」さんからTOMMYに嬉しい報告。
前々から、ニーサン、ERDA、ヨレヨレを磯のヒラスズキゲームに取り入れて来たTOMMY。
その“邪道”たる所以を是非兄貴にも体感していただこうと、前にプレゼントさせてもらっていたのだ。
続けて兄貴が言った。
「そろそろ春ヒラ、開幕って感じだよ!」
それから数日後の4月5日。
翌日の6日に、“爆弾低気圧”が日本列島を通過すると聞きつけたTOMMYは、コイツに照準を絞った。
(行くしかねぇ)
と。
しかし、この時TOMMYはすっかり忘れていたのである。
その体が、重度の“バラシ病”に冒されているという事を・・・。
4月6日、AM3:30。
“爆弾休暇”を取ったTOMMYは、目当ての磯を目指して車を飛ばした。
車中に流れる“HOOBASTANKの「Born to Lead」。
ヒラスズキ釣行の際、決まってTOMMYが流す闘魂歌。
海岸沿いの木々も爆弾低気圧の前兆による強風に揺られ、まるでヘッドバンキングをしているように見えた。
この日の満潮時刻は3時。波高予報は4m~6m。
満潮時に岸際に寄る「ベイト」を期待しての釣行だが、さすがに爆弾低気圧が近づいていると言うだけあって波高値が高い。
しかし予報はあくまでも予報。
期待を大きく裏切られる時だってあるし、予想を遥かに超えるシケの時もある。
ポイントによって波の入り方も様々だ。
その日の海況をこの目で見るまでは、いつだって落ち着いてはいられない。
そして想う。
『立てるのか?』
と。
一般的に荒れた方がチャンスとされるヒラスズキゲーム。
しかし、ポイントに立てなければどうしようもない。
磯での無理は、“絶対に禁物”だ。
最後のカーブを抜け、いつもの場所に車を止める。
一目散に飛び降り、防波堤に飛び乗る。
「うほ~っ!!」
目の前の海況に歓喜の雄叫びを上げるTOMMY。
そこには闇でもわかる程に、真っ白な波を立て、轟音と共に砕ける波飛沫とサラシ一面に覆われた海が広がっていた。
幸い、ポイントに立てない程の海況ではなかった。
それでもTOMMYが行けるギリギリのライン。
武者震いを抑えるのがやっとだ。
リーダーをしっかりと締め込み、リールをロッドに装着。
この日のタックルは、
ロッド"APIA"「BUCCANEER120M」
リール"SHIMANO"「STELLA4000XG」
ライン"KUREHA"「BATTLE SEABASS PE2.0」
リーダー"KUREHA"「Premium MAX 40lb」とした。
そいつにこの度発売される、邪道「Graver Hi89S」を結び、波の周期を確認しながら、辺りが明るくなるのを待った。
AM4:30、実釣開始。
まずは浅場のゴロタ浜を撃って行く。
やはり思った通りだ。
波打ち際でベイトがルアーに驚いてピチャピチャと跳ねている。
ベイトは稚鮎との前情報であったが、どうやら新たにキビナゴの群れが入っている模様。
しばらく周辺を攻めるが、反応はない。
と言うより、風速8mの風が思うようなコースを通させてくれない。
時より砕けた波飛沫が、頭を冷やせと言わんばかりにTOMMYの顔面を直撃する。
(波が高くなるまでが勝負だな・・・)
AM6:00。
満潮時には渡れなかったスリットをジャンプで渡る。
その先に用意されていたのは、“最高のステージ”だった。
風と波が轟々と音を立ててサラシを生み、白と青の間に見え隠れしているシモリ群。
向い風ではあるが、キャスト位置も文句なし。
すぐに投げたい所をグッと堪え、波のセットを待って立ちたい場所に立てるかどうかを見極める。
デカイ波にさらわれでもしたらアウトだ。
磯の先端、1m程後ろからキャスト。
沖のシモリ付近に“Graver”を送り込む。
河川の使用でその泳ぎは実証済み。
大きめの楕円形リップが水をしっかりと掴み、かなり早くリトリーブしても水面から飛び出す事はなかった。
そしてやはり荒れた波でも、しっかりと水流を掴んでくれた。
しかし、元々ファーストリトリーブに特化したルアーであるこのGraver。
今回の様な磯で、引き波に乗せながらのスローリトリーブではウォブリングやローリングは殆どしない。
状況としては、ややアピールが欲しい場面・・・
(厳しいか・・・)
そう心で呟いた、AM6:15。
「ゴゴン!」
どんなに荒れていてもしっかりと水流を掴み、ロッドワークとラインメンディングによって僅かにみせるローリング。
コイツが効いた。
「よっしゃぁぁぁ!」
追い合わせを入れると激しくエラ洗い!
寄せ波で足元のスリットに寄せる。
しかし、そのままズリ上げるには高さがある。
魚体は目則60cm。
仕方なく、怒涛の抜き上げ!
「おうらぁぁぁぁ!」
魚がTOMMYの目線に達した時!
バタタタッ!ボッチャン!
スーッと引き波に乗り、真っ白なサラシへ帰って行くヒラスズキ・・・。
「うあああああ!!!!!」
この時TOMMYは思い出した!
宮川のレインボー、ブラウンの事を!
重度のバラシ病に掛かっていた事を!
またもや!
またしてもやってしまった!
しかし、南紀の神様はTOMMYを見放さなかった。
直後の一投。
震える全身に伝わる確かな魚信!
渾身の力で抜き上げた歓喜の一尾。
どうしてもGraverで獲りたかった。
思惑通り、久し振りに手にした銀鱗は57cmと決して大きくはなかったが、綺麗な魚体がTOMMYにはより一層輝いて見えた。
この日、TOMMYのルアーに出た魚は計7回。
内、針に触ったのが3回、掛かったのが2匹。
これがたった30分の出来事。
至高の一時は、次第に波が高くなって来た所で終了。
何はともあれ、『南紀の忘れ物』 回収成功。
後はどこに忘れモノしたっけかな・・・。
- 2013年4月18日
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