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対象魚
▼ 魚は波動を感じているのか。
- ジャンル:日記/一般
釣りフェスで、とあるメーカーのブースで展示してあるルアーの説明文を見ると、
そのメーカーさんが販売しているほぼ全てのルアーの謳い文句が『波動』になっていて、
波動熱が再燃してしまいました。
もちろん釣りフェスで聞いて回ったわけではありませんが、
『波動ってなんですか?』って聞くと、
多くの方が、
『ルアーを投げてリールを巻いた時に感じるブルブルするアレだよ』と言う説明をしてくださいます。
じゃあ人間がブルブル感じないルアーは波動を出してないんですか?って聞いたとしても
『リールを巻いてる人間には感じないけど、魚は波動を感じているんです』
的な、魚に聞いてみないとわからない様なしょーもない返事が来たり。
波動盲信者の方は、側線で波動を感じるんだ、とか言うんでしょうが、それって魚に聞いてみないとわからない事ですし・・・
波動の定義をお考え頂いた方もいますが
使用者=人間がどう感じるかだけで、魚が感じている事には言及していない、若しくは魚は波動を感じている前提になっているようです。
なので今回のテーマは、
僕らがブルブル感じている波動とやらを、魚が感じているかどうか、です。
って、ことで調べた結果がコレ!
例の、釣りの全てを科学とデータで解明するサイトで、引用されていた文献です。
このサイトに記載されている内容だけ引用するのもカッコ悪いので、Google翻訳のお世話になりつつ、原著流し読みしてみました。
両眼を潰した(!)魚と、
側線を潰した魚で、
捕食の成功率、獲物を感知できる距離、角度に違いが出るか、とゆー実験をしています。
論文中では、ラージマウスバスとmuskellungeなる魚について同時に検討されています。
muskellungeにも、ラージマウスバスにも、
与えられたエサはルアーでは無くて生きた小魚です。
結果は、
両眼を潰されたバスもmuskellungeも、
恐らく側線を頼りに、
獲物にアタックしたけど、
バスは2.6cm!!
muskellungeは3.2cm!!
まで近づいてはじめて獲物にアタックした。
けど捕食成功率は60%くらいでしたよ、と言う結果でした。
下の表の『N -2』というのは、
『魚が獲物を見つけて、頭を獲物の方に向けてそーっと忍び寄り(ストーキング)始めた距離』、
『N -1』は『忍び寄ってから獲物に向かって急にスピードを上げて突撃した距離』です。
例えばmuskellungeの対照群でみると、だいたい25.4cmで獲物に気付いてストーキングをはじめ、13.5cmで突撃をし始めた、と言う結果です。
英語が苦手な人のために、エクセルで表を作り直しました。
太字・下線は、対照群と比較して有意差をもって、角度・距離に変化があった項目です。
どちらの魚も、側線抑制群も盲目群(群とするべきでした)も、N-2、N-1の距離が短くなっています。
しかし、盲目群の方が明らかにN-1の距離が短くなっています=獲物の近くまで来て、獲物に突撃する際には視覚が非常に重要であると言う事がわかります。
この論文からの引用ではありませんが、
バスの側線の感覚はとても鋭敏で、
0.03 mm/s 以上の水流であれば感知できると言われているそうです。
どれだけ敏感な感度か想像もつきませんが、とりあえず敏感そうな事はわかります(?)。
側線の感度は鋭敏だけど、
感じる事ができる範囲がすごく狭いんじゃないかと言えるのではないかと思います。
もしくは、自分と相手(獲物、ルアー)との距離に比例して側線感覚の感度が落ちていく、と想像できます。
顕微鏡の拡大率を上げていくと、
すごく大きく見えるようになるけど、
視野は狭く、暗くなる、みたいな感じでしょうか。
仮に、スズキの側線機能がすごく敏感・鋭敏かつ、感知範囲も広かったとしたら、
船の航行などの人工的な『波動』、潮汐・海流・他の生物が出す『波動』などを感じまくっちゃって、
本当に必要な、
・エサとなる獲物の波動
・自分を食べようとする捕食者の波動
を感じられなくなっちゃうんじゃないでしょうか。
例えば。
僕の子猫ちゃんは、耳からうなじにかけてが性感帯で、そこに吐息を吹きかけられるとトロけちゃうけど、
かといって台風の暴風の中でも耳からうなじが感じまくってしまうかと言うと、
そう言うわけではないのと同じ感じでしょうか。
いや、違うか。
耳からうなじに、至近距離で、吐息を吹きかけるととろけちゃうけど、
台風の暴風の中、1m離れた距離から吐息を吹きかけても感じない、のと同じ感じですかね。
魚に話を戻しますと、
・すげー鈍感だけど、感知範囲が広い側線機能
・すげー敏感だけど、感知範囲が狭い側線機能
のどちらかに振れるはずで、ラージマウスバスは、後者であった、という事でしょう。
いやいやいや、これはラージマウスバスの側線機能の話でしょ?
シーバスの側線機能はもっと敏感で、感知できる範囲も広いんですよ!!
って反論は当然想像できるので、
もちろん
『スズキ 側線』
『スズキ 側線 機能』
『Lateolabrax japonicus lateral line 』
とかでGoogle scholar、CiNii、J-STAGEなどで色々検索したんですがヒットせず・・・
ただ、魚種間で側線機能に大差はないであろう、と言っている文献は見つける事ができて

ラージマウスバスと、スズキの間に、側線機能の差が多少あったとしても、
検知範囲が2.6センチのものが、スズキだと感度を落とさず、20mになるとかは考えにくいと思うので、
と、なると、魚がルアーの(微)波動とやらを遠くから感知して、
波動とやらで魚が釣れるって宣伝はどう考えても無理があるのではないかとかんがえるわけです。
極論ですが!!
スズキの2.6センチ以内にルアーを通す前提で、
波動ルアー、微波動ルアーを開発してるって事なんですかね。
魚は視覚、聴覚、側線機能を駆使して捕食している事は理解しています(上の文献のタイトルにある『multimodal sensory integration』は複数の感覚モダリティを統合して、いう意味です)。
魚の視力や色覚、聴力や可聴範囲なども色々研究されているようです。
ラトルとか、フックがルアーに当たる音とかで魚を呼び寄せるとゆーなら、其れは波動ではなくで『音』が効いているのではないかと。
ライブベイトが出す波動より弱い『微波動』なら、3センチよりさらに近付かないと魚は側線で感知できない可能性があるわけです。
微波動ルアーは魚キワキワ1センチ以内とかに通さないと効果は無いかもしれませんね。
もし、魚が、視覚で『微波動ルアーと呼ばれるもの』を感じているなら、それは波動が効いてるのでは無くて、アクションを目で見ているだけじゃ無いかなぁ、と。
そもそも『微波動』の比較対象が
ライブベイトなのか、
『普通の』波動と比べて、
なのか僕にはわからないですがね。
ラージマウスの実験から考えると、魚が側線機能を発揮できる範囲って実は狭くて、
捕食に関しては、視力や聴力をメインに使っているようなのですね。
ルアーの動きを目で追って捕食しているなら、
それは波動では無くて、ルアーのアクションが効いてるわけで、
ルアーの着水音やラトルの音を聴いて捕食しているなら、
それはルアーの音が効いてるのだと考えてしまうのです。
この実験では、ルアーの波動とやらを活かすためには魚から2.6センチ以内に通さないと効果が無い可能性が示唆されたわけです。
ただし、どんな研究や論文でも、制限、limitationと言うものがあって、
例えば引用した論文はラージマウスについて調べられたものであるので、それをそのままスズキに当てはめる事が果たして可能なのかと言う『制限』があります。
使用されたエサもルアーではなく生きた小魚ですから、ひょっとしたらルアーの波動は20メートル先から感じるのかもしれません。
それを証明するモノは、今回は見つけられませんでしたが。
音も波動に含まれる、ってゆー考えは多少乱暴な気がします。物理的に、定義的に、同じモノに含まれたとしても、音と波動では魚が感知する器官が違うはずですから。
人間は、音を鼓膜で感じますし、風や大気の流れは皮膚や体毛で感じています。
人間が、音を皮膚や体毛で感じる、って言う人はいませんでしょう。
捕食の際に、
どれだけ音、聴力を頼りにしているか、
側線や視覚と比較してどれだけ聴力に依存しているかを調べるために
追加で実験をするとしたら、『盲目』に加え『聴力を奪った魚』とも比較する必要が出てくるのでしょう。
さらに、捕食対象がルアーの場合は考慮する必要は無くなりますが、エサがライブベイトの場合には嗅覚の存在も考慮しなくてはいけなくなりますね。
目と耳と鼻を潰した魚で実験・・・
以前、他の方が、
イカに3Dメガネをかけさせるとどーなるか、
って実験をブログにあげていらっしゃいましたから、
魚に目隠しして、鼻栓と耳栓付けて実験すれば出来そうですよね。
ルアー開発に携わっている方は、対象となる魚の生物学的特徴、例えば側線の解剖、電気生理学的な特徴を理解するために、和洋問わず文献を読まなければいけないので大変ですね。
釣りのうまさだけではなくて、英文献を読み下す語学力、生理学、解剖学の知識まで必要になると言う、まさにスーパーマンでないと難しそうです。
洋モノのエロビデオを『洋文献』、
和モノのエロビデオを『和文献』、
と言って回し見していた自分はなんと下劣な人間か思い知る事になりました。
『あの和文献良かったよ』とか
『こないだの洋文献また見せてくれる?』とか、職場で話しても怪しまれないw
VHSのビデオテープやDVDの貸し借りが普通だった頃の懐かしい思い出です。
DVDではそんなこと無かったんですが、
ビデオテープはたいがい『果てたところ』で止まって回ってくるので、アイツ、こーゆーシーンが好きなのか、ってバレるとゆーw
几帳面なヤツは巻き戻してから次に回してましたが。
スズキの側線機能について詳細に述べられている論文や研究にはたどり着けなかったので、ご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひ御教授願いたいと思います。
波動の有る無しや、ルアーの波動が効く効かないではなく、
魚が波動とやらをどの程度感じることができるのか、調べてみました。
さてさて。
ルアーメーカーの方、その『微波動』、魚は感じていますか?
- 2020年2月1日
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