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今、再びの千葉へ ー前編ー

  • ジャンル:釣行記


あの雪辱のバラシからもうすぐ1年…。



脳裏を離れない、

あの跳躍…

あの魚体…

あの銀鱗……



あの日、俺のルアーを振り払い悠々と荒れ狂う太平洋へと帰っていったアイツと、もう一度相対したい。





そんな思いで、気付けば12月10日早朝、塩田とR氏は千葉・房総の地を踏みしめていた。



新潟からの高速道、高坂SAで2日間の運勢を占うべく、ガチャポンのおみくじを引いた。



ガチャガチャ…


ぱかっ!!




「中吉」



R氏は微妙な目が出た。
出現率も普通、内容も普通。
一番普通な中吉が彼の運勢だった。



S「仕方ねーなー…俺もやるか…」


ガチャガチャ…


ぱかっ!













「凶」







一番出現率の低い凶を引く塩田。

R「す…すげぇ…本当にすげぇな、こんなとこまでウケ狙うか?」

我ながら感服する。
どうしてこうも「持っている」のだろうか。



内容を読んでみる…




おみくじ「過激なファッションは避けて…」




これからウエットスーツにライフジャケットの出で立ちで釣り竿持って冬の太平洋を泳ごうという奴にそういうこと言うか?

しかもわざわざ新潟から出てってそれをやろうという奴に…




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ポイントに到着した時間は4:44…



今回の遠征はのっけから不穏な空気に包まれていた。






到着した時、海は凪。


サラシなど何処にもない、静かな海だった。


しかし予報ではこれから大荒れ。


昼前には15メートルの強風が吹き、波高は
4メートルまで上がり、どしゃ降りとなる予報なのだ。


風と波と雨のピークは昼。
そのタイミングでは釣りは不可能だろう。明け方から荒れ始めの昼前までのわずかな時間が最大のチャンス、そう我々は見ていた。





暗い内に準備を済ませ磯へと向かうが、目当てのポイントには先行者。


そこはあの日、塩田が初めてヒラスズキとコンタクトした、あの因縁の地。通称「塩田島」。


先行者の邪魔にならない程度の距離をおいて、我々も塩田島へ。




ガチャっ!!!


ドバッ!!!!



塩田が岩の穴に落ちた。



痛い。



暗くてただの水溜まりだと思って思いっきり踏み込んだら、足場がなかった。




踏んだり蹴ったりだ。






この時既に風は出始めていたが、波はまだほとんどなく、サラシもないに等しい状態。



たまにキャストをしながら、波が上がるのを待った。




徐々に波が出始め、風も次第に強さを増す。



しかしサラシは不十分で、先行者はポイント移動で塩田島を去っていった。



入れ替わりでベストポジションに入る。



この時には既に釣りがし辛い程の風となり、少しずつではあるがサラシも形成されだしたが、反応がない。




しばし粘ってみたが、ポイントを移動することにした。




が、塩田島を離れる際に悲劇は起こった。


腰程の水深の岩の隙間を渡ろうとした瞬間、波に押され踏み出した足が岩の隙間に…。





グキっ☆☆





今度は右足首の捻挫だ。


しかも結構深い。
塩田はスキーで何度となく捻挫をしている為、筋が伸びていてこうした衝撃には強い…

が、今回のは深い。
捻挫マイスターの俺にはわかる。






しかし、せっかく千葉まで来てしょっぱなで捻挫して「車で過ごす千葉・房総の旅1泊2日」は切な過ぎる。




足首を捻らないようにしながら、あまり行ったことのない、塩田島より東の磯場へ向かう。

その道中、ついに大粒の雨が降りだした。

途端に強風だった風は爆風となり、ロッドの角度をキープするのが難しい状況となった。

波も大荒れの様相を呈していた。


サラシも出来てきたが、あまりの爆風と打ちつける雨の痛さに、一旦駐車場へ戻ることにした。



リーフブーツの上からでもわかるほど足首が腫れてる…。

いや、大丈夫だ!
足首なんて腫れて太くなった方が安定感が増すんだ!!
おっぱいだって大きい方がいいと言うではないか!
足首だってきっとそうだ!!
この足首女の子に見せたらモテモテのウハウハだ!!!!

そう言い聞かせて駐車場へ戻り辺りを見渡すと、先ほどまでいた塩田島も波で洗われていた。



R「このタイミングだな…」

S「行くか…」



休まず塩田島へ戻る。




先ほどまでとは打って変わって一面サラシ状態。


あの日の記憶が蘇る。


あの時の払い出しは今も同じ位置にある。




はやる気持ちを抑え、ドラグをチェック。
まずはサーフェスウィング147をキャスト。


着水と同時にルアーが水面を真横に走る。
メインラインが爆風に飛ばされてルアーが水を噛まない。

タイミングを見ながら何度かキャストを繰り返すが、波と風で上手くトレースできない。


S「くそぅ…!とぉぅりゃぁあああっ!!!」


ぶふぉんっっ!!!!


爆風を苦にせず、かっ飛んでいくサーフェスウィング。



そう、キャスト切れだ。



塩田はロングリーダーが苦手で、リーダーを長くとると必ずティップにラインが絡むのだ。




仕方なくラインシステムを組み直す。
爆風のお陰でノットも組み辛い。




数分かかってなんとか再開。


ルアーは状況からロウディー130に変更。
今度はなんとかルアーが水中へ刺さってくれる。







R「……がっぃあっ!!!!!」


急にR氏がこちらに何かを叫んできた。


S「はっ!?!?!?なんだって!?!?!?」


R氏と5メートル程度しか離れていないのに、爆風で聞こえない。




するとR氏は海面を指差しながら




「ヒラいたっ!!!!」



と叫んだ。

荒れ狂う波間にヒラスズキが見えたらしい。




いよいよリーリングの手にも力が入る。









いつ食っても可笑しくない。














「……た!食ったっ!!!!!」




R氏が掛けた!!
強烈な追い合わせをくれて強引にポンピング。



サラシの中から顔を出したのはまごうことなきヒラスズキ!




「ふぅぉぉおおおおぉぉぉっ!!!!!」



つられてテンションが上がる塩田。



R氏はリーダーを掴んでランディング!




52センチとサイズはもう一歩だが、ヒラスズキにサイズは関係ない。



磯の上でグータッチを交わす2人。






R氏がヒラスズキをストリンガーにかけにいったところで、R氏がいたポジションに塩田が入る。





あのサイズなら、まだいるはず。





食え…




食えっ…!





だが、高まる緊張感とは裏腹にバイトはない。




しばらくキャストを続けていると、R氏が戦線に復帰してきた。






その時だった、



わっ!!!


とイワシらしきベイトがサラシの中から飛び出した。


R氏のやや右前方だ。



次の瞬間、



ガバッ!ガバッ!!ガバッ!!!



一瞬何が起きたか理解できなかったが、冷静に見るとそれはヒラスズキ!!





同時多発的に…5、6匹はいただろうか、ヒラスズキがボイルしたのだ。



ヒラスズキのボイルは初めて見たが、マルのそれとは全く違っていて本当に同時に何匹ものヒラスズキがサラシの中から飛び出したのだ。




S「ヒラだ!!!ヒラ!!!!!」



R氏もボイルに気付いてこっちを見てニヤっと笑った。



すかさずスーパーボイルがあったスポットへロウディー130をキャスト!!



鼓動が最高潮に高鳴る!!!





が、、、
食わない。



その後も単発のボイルはちらほら見られるのだが、ルアーにはなかなかバイトしない。





ルアーをサイズダウンしたい…



何故そう思ったのか、
自分でもわからない。



さっきR氏がヒラを釣ったのも130のロウディー。


スーパーボイルに先立って飛び出したイワシもそこまで小さくはなかった。


第一、この風で水を噛むルアーはロウディー130以外にない…




その時に初めて気付いた。






ん?



なんか風が弱まった…?





一時的に風が少し弱まったのだ。





この風ならもしかしたら…





ルアーをベビーロウディーに変更。






そしてあの日、アイツと出会った払い出しへ…






波のタイミングを見計らってフルキャスト!!!






着水したベビーロウディーは、読み通り水を噛んで潜行を始めた…。








…続く。


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