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▼ オーロラの彼方-Anchorage~Fair banks-
- ジャンル:日記/一般
- (自転車旅, オーロラの彼方, A piece of the great journey)
好きな作家を1人挙げろ、と言われると、僕は迷いなく故星野道夫氏の名を答えるだろう。
彼の著作で初めて手に取ったのは「旅をする木」だった。
4年前の日本縦断釣行の際、翌日の箱根越えを前に小田原の古本屋に立ち寄った時に偶然見つけたのだった。
彼の言葉は不思議なほどに僕の胸に響き、その後の旅で訪れたタイ・パプア・ブラジル・カナダ・アフリカの全てに持っていくほどだった。
時と場所で同じ言葉が違う意味をもって語りかけてくる。
そんなコトを教えてくれたのは、間違いなく彼の本だった。
僕が様々な風景に出会う度に、そっと染み入るように、毎度違った形で、言葉の羅列が意味を持って立ち上がってきた。
そして次第に僕の心はその言葉が生まれた極北へと惹かれていった。
一方、昨年の暮れから今年の前半にかけて、僕は就職活動に追われていた。
それ自体はとても楽しかった。
今まで出会う機会の無かった人々と出会い、自分の未来を考え、決断を下した。
だけれどどうにも、何か釈然としない気持ちがあって、どうしようにもそれを拭えなかった。
何か、ぼんやりとした暗闇の中でただ辿り着いただけの道のような、そんな感じがしていた。
このままで本当にいいんだろうか?
旅に出ようと思った。
アラスカに行くことは決めていたのだけれど、その上で、新しい何かを見て、感じて、考えようと思った。
偶然にも、今年は氏の没後20周年らしい。
アラスカが、呼んでいる気がした。
7/20
成田空港を飛び立った飛行機はシアトルのタコマ空港へと時間通りに到着した。
乗り換えが非常にややこしいというこの空港で2時間しかないトランジットはとても慌ただしかったが、特に問題もなく手続きをこなす。
初めて来たシアトルは、何と言うか、オシャレと言うか、とても開放的と言うか、そんな場所だった。
歩いたのは空港の中だけだけれどもね。
そして国内線、アンカレッジ行きの飛行機に乗り換えてテイクオフ。
空から見たシアトルは凄く印象的だった。
ここはボーイングやらアマゾンやら世界的大企業のヘッドクオーターが居を構える街。
だというのに、自然がひたすらに美しかった。
しっかりと自然が息づき、共生している。
日本と比べて面積に対する人口比が違う、ただ、それだけなのか?
今度はこの街を歩いてみたいと思った。
僕にとってアメリカとはあまり好きな国ではなかったのだけれど、本当に、心の底から興味がわいた。
しばらくして飛行機はアラスカ南東部に差し掛かる。
最初は雲の切れ間に山の頂きが突き出ているだけの風景だったが、次第に氷河をたたえた山頂と下腹部から連なるフィヨルド、そして海が姿を現す。
ソレはとても美しくて、1ヵ月の後に自分がそこに立つと思うと、それだけで胸が満たされるような気分だった。
アンカレッジに着き、まずは自転車を組み上げる。
そして走り出す。
どんなに旅慣れしたって変わることの無い、ワクワクと緊張が入り交じった温度を胸に、ペダルを踏み込んだ。
まずはアンカレッジを出て北へと向かう。
向かう先はアラスカ第2の都市、フェアバンクスだ。
しかし初日の空模様は生憎の雨だった。
しかもかなりの量が降っていて、写真を撮るどころか走ることで精一杯。
時折顔を見せる雄大な風景を見て自分自身を励ましつつ、キャンプ場に到着。
翌日も雨だった。
ついでに膝が痛くて堪らない。
実は元から結構膝が弱くて、鍛えていた時もそうでない時も必ずと言っていいほど旅中に痛みを覚えているのだった。
が、そんなことは分かっていたので、ああまたこれかぁと思いながら短時間走行で済ます。
丁度良いところに川辺のキャンプ場があったので、今日はここに泊まろう。
正直雨でびしょびしょだし、痛みと疲れもあったので思いっきり休むつもりだったのだが、釣り人の性で川を覗いてしまう。
すると、、、
なんかいる!
居ても立ってもいられず、準備して川へ。
どうやらチャムと婚姻色のキング、それにピンクが泳いでいるようだった。
キングはレギュレーション的に時期が過ぎてしまっていて狙えないので、チャムを狙う。
こいつら、最初は全くルアーに反応しないのだけれど、何十回と目の前を通す度に次第に反応し始めてくる。
そんな状態になったらあとはルアーを目の前に置いておけばゆーーっくりと口を開けてくわえてくれる。
あまりにもゆっくりとしたモーションでくわえるので、バイトなんか手には伝わらない。
目で見て合わせていく。
結構面白かったのだが、5本ほど釣って腕がダルくなってきた 笑
が、その時まさかのキングがヒット。
散々走られてのランディング。
まあ偶然だし、仕方ないよね?
写真を撮ってさっさと逃がし、本格的に腕が痛いので終了。
キャンプ場に戻るとどうやら併設のバーがあるらしく、アラスカ初のお酒を頂くことにする。
僕の一番好きなビールはIPAという、イギリスやカナダなんかでよく売られているヤツなんだけれど、アラスカにはアラスカ産IPA があるみたい。
もともと冷涼で乾いた気候にマッチしたビールなので、やっぱりアラスカでも美味しかった。
それにしてもこのバーでは良い時間を過ごせた。
なんせ彼ら、夏に遊ぶと言えば自転車かカヤック、それに釣りなので、趣味の話が延々とできるのだ。
そして飲み過ぎて撃沈し、テントへ 笑
翌朝、起きてみると空は晴れ上がり、すでに少し暑いくらいだった。(寝坊した、とも言う 笑)
いい気分で走り出す。
だが、この辺りから向かい風が吹き始めてきた。
このあと3日続いたので、地域的にこの風が常に吹いているのだろう。
そして釣りと酒のせいで全く回復していない膝を引き連れて、北へ。
この日も早めに休むことにした。
膝というのもあるのだけれど、この後に約170キロの無補給区間があるのだ。
しかも山越え。
水と食料を買い込んで翌日に備えることにする。
次の日からの2日間は強烈だった。
山越えというのは分かっていたのだが、雨降るし、風はアゲインストだし、想像以上に辛い。
なんとか中間地点のビューポイントにたどり着き休憩。
ちなみに公衆トイレの前だったのだけれど、体が冷えて堪らないのでコーヒーを淹れる 笑
ついでにもう進む気が失せてしまって、トイレの前でテント張って寝てしまった。笑
翌日の朝は少し雲が切れて日が射していた。
風は相変わらずだが雨が降っていないので幾分マシといった感じ。
途中、道路工事をやっているらしく工事のオッサンに止められる。
バリバリの未舗装路が3マイルほど続くそうなので、自転車の人は車で運んでくれるらしい。
やったね、休憩だぜ!笑
そして運んでもらっている最中にアラスカ鉄道にバッティング。
汽笛の音は何度か聞いていたのだけれど、実物を見るのは初めてだった。
そしてしばらく走った後に降ろしてもらい再スタート。
の、はずが。
なんだが後輪のタイヤが柔らかいぞ?
あれ、まさか、、、
うん納得だ、向かい風だけであんなにペダルが重いはずがない 泣
絶景の前でのパンク修理、プライスレス(んなわけねー!
その後少し走ってようやく街に着く。
地図で確認するとすぐそばに川があるようで、ちょっと釣りに行ってみることに。
サーモンの遡上がある川ならば目視できるので釣りは組み立てやすいのだけれど、ここはそうではないようだった。
何でも良いから居ないかなと、美味しそうなところを片っ端から撃っていくのだけれど反応はない。
まあいきなりポッと入った場所で釣れるほど甘くはないさ、そう思い川を後にしようと思った。
が、その瞬間に目の片隅でライズが起こったような気がした。
何だろうか?
足を止めルアーを投げてみる。
すると、、、
おおっ!なんか追ってきてる!
よーし食え食え、、、食った!
おお、アークティックグレイリングではないか!
釣りたいなと思っていた魚が突然現れてくれたものだから、嬉しいったらありゃしない。
トラウトに比べれば体色は地味だけれど、大きな背鰭の色彩は写真で見るよりずっと綺麗で、素晴らしかった。
ああ、何だか明日も頑張れそうだ。
そんなことを思いながら川を後にした。
翌日からは風が変わって追い風となった。
山を越えた影響だろうか?
ついでに下り基調の道になったものだから、かなりのスピードで距離を稼いでいく。
あまりにも調子が良いので距離は予定の2倍以上を走っており、そろそろ泊まる場所を考えなければ、という時間になってきた。
その時ちょうどお店を見つけた。
レストランとロッジがくっついているロードハウスという場所で、話を聞くとテントを張ってもいいよ、とのこと。
迷わずに頷き泊まらせて頂く。
このロードハウスの人達はとってもフレンドリーで、本当に良い人たちだった。
何と言うか、アラスカの大地に生きる人々、というイメージがそのまま当てはまるような、おおらかで温かい人たちだった。
どんなに素晴らしい風景を見ようと、そこに連なる何かがなければそれはただの絵で終わってしまうと思う。
写真や映画を見ているのと同じ感覚だ。
自転車で走りついた場所はその分の苦労があるから、魚を釣った場所はその物語があるから、忘れられない記憶として残るのであろう。
同時に、人との出会いもそうなのであろう。
そこで覚えた感情が、記憶の中の風景に広がりと色を持たせてくれる。
この日の夜は、まさにそんな時間だった。
翌日は第一チェックポイントであるフェアバンクスを目指す。
空はすっかり晴れ上がり、傾斜がキツい登りが続いたのですぐに汗だくとなった。
この日の坂は本当に辛かった。
合計で40キロ以上登ったのではないだろうか?
だけどその分、上からの景色は雄大だった。
平野を埋め尽くす針葉樹林、それが彼方まで続き、果てには巨大な山々が霞んでいる。
あまりにも手つかずな原野が、眼下に広がっていた。
その後、一気に下ってフェアバンクスへと到着する。
街が凄く綺麗な印象で、人々もすれ違うとはにかんでくれるような穏やかな人が多いところだった。
実は最初に到着した街であるアンカレッジは全く違う印象で、正直少し嫌な雰囲気があった。
はっきり言って、気味が悪い。
思い描いていたアラスカの街のイメージとかけ離れたものだったからすぐに離れたくなった。
でもフェアバンクスはなんというか、「アラスカの街」というイメージ通りのところで、なんだか凄くホッとしたのであった。
続く。
- 2016年9月16日
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