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高知遠征記part1

午前2時。


部屋に携帯のアラームが鳴り響いている。


前夜にあまり眠れなかったが、頭はキンキンに冴えていた。


ようやくこの時が来た。


この旅路の果てに何が待っているのだろうか、本当にたどり着けるのだろうか。


不安と疑問に満ちた暗闇を僕は走り始めた。


その先に、確かな何かがあると信じて..........
























運命の歯車が動き出したのは、中学2年生の夏の終わり。


忘れもしない、2007年9月3日のことだった。


その日は夏休みの最終日。


特にやることもなくダラダラと夏休みを過ごしてしまった僕はあることを決意していた。


自宅の埼玉から海まで自転車で行く。


誰に教えられたものでもない、自分だけで決めた初めての目標だった。



朝早くに親にバレないよう家を抜け出して自転車にまたがった。


そして今日と同じように、不安と疑問に満ちた暗闇を漕ぎ進んでいった。





それ以降僕は毎週海まで自転車で行くことになった。


シーバスフィッシングを始めたからだ。


荒川の河川敷を漕いで海まで行き、釣りをしてまた漕いで帰る。


往復80キロの道のりをひたすら前だけ見て走っていた。


自転車に乗ることが好きだったから釣れなくても毎回楽しむことができた。





そんな日々の中、僕はふと気づいた。


自転車ってもっと遠くまで行けるのではないか、と。


釣りも楽しい、自転車に乗ることも楽しい。


だったら何日も宿泊しながら遠征したら物凄く楽しいのではないか。




そんな想像をしてどこに行こうかと迷っていた頃、僕をシーバスフィッシングへと誘ってくれ


た友人が浜松に引っ越すという話を聞いた。


すぐにピンときた。


浜名湖だ!


チヌのポッパーゲームやエギでのタコ釣りが雑誌に紹介されていたのをすぐ思い出した。


そして興奮して地図を見てみると、以外にも距離はそれほど離れていなかった。


これだ!


ここしかないと思った。


何かに導かれている、そんな感じもしていた。





年が明けると計画を練り始めた。


浜名湖までの距離はおよそ300キロ強といったところ。


いつも走っている距離からして4日間が妥当であろうと思い、途中の宿泊は小田原・富士・御




前崎とした。




それ以降は釣りのかたわらひたすらに走りこむ日が続いた。


絶対に成功させる、そう誓って進み続けた。






2008年夏、僕はついに浜名湖にたどり着いた。


想像を絶する困難がいくつも立ち塞がったけれど、決して諦めなかった。


漕いでいればいつかはたどり着ける。


当たり前だけど確かな真実を実感しながら僕はこう思った。


まだ遠くまで行ける、と。




その年の浜名湖では小さなキビレ一枚しか釣ることができなかった。


だけど十分だった。


こうして最初の挑戦が終わった。





次第に季節は移ろい、冬になった。


僕は友人たちと3人でパシフィコ横浜のフィッシングショー2009へ出かけていた。


この製品があーだこーだと言いながら各ブースを見て楽しく回っていく。


そしてその途中でジップベイツのブースに立ち寄った。


ルアーをいろいろと眺めていると、そこにブースの担当者さんがやってきて、「どんなルアー




を使ってるの?」というようなお話になった。


僕は埼玉+自転車ということでデイゲームが圧倒的に多く、ダイビングミノーやバイブレーシ


ョンがメインだと答えた。


すると「シンペンは使わないの?」と聞かれた。


ほとんど使わないと答えると、担当者さんはシンペンの日中に効く使い方があるからといって


とある方の所に連れて行ってくれた。


それが鳥居さんとの出会いだった。


雑誌で何度か見たことがあって最初は緊張したが、すごく打ち解けた話し方で話してもらえて


のですぐにリラックスできた。


そしてSSMのぺランぺランメソッドについてお話をしながら、次第に話は浜名湖の話題へと


移って行った。


去年自転車で行きましたよ、という話をすると鳥居さんは「次来る時は連絡して。一緒に釣りを


しよう」とメールアドレスを僕にくれた。


これが2009年の旅のはじまりだった。




その年の夏、僕は鳥居さんに甘えさせてもらって浜名湖にもう一度行くことになった。


そして昨年のように準備をして出かけようとしたのだが、とある問題が起きた。


出発当日に台風が接近してきたのだ。


さすがに台風の中走るわけにも行かず、さらに震度6弱の地震まで発生したため浜名湖には


電車で行くことになった。


悔しかったがこればかりは仕方なかった。



ところが浜名湖ではそれを吹き飛ばすくらいの楽しい釣りが待っていた。


鳥居さんにボートに乗せてもらい浜名湖や遠州灘でとことん釣りをした。


本当に楽しかった。


そして新たな出会いも生まれた。


大野卓也さんときえまんさんとの出会いである。


お二人とも初めてお会いしたのにも関わらず大変親切で、夜のボートMリグにも連れて行っ


てもらった。


初挑戦だったがお二人のご指導によりしっかりキャッチすることができ本当に楽しかった。


自分は恵まれている、そう実感した旅だった。


そして、次こそはもっと遠くに行くと誓った旅でもあった。




再び季節は移ろい、翌年の春となった。


僕はもっと遠くに行くため新しい自転車を買った。


ロードバイクという自転車だ。


学生には辛い価格だったが、セールで半額になったところを貯金をはたいて買った。


行きたい場所はすでに決まっていた。


メーターオーバーのタイリクとアカメが住む南国の聖地、高知。


軽く1000キロは超えるであろう道のり。


そこにたどり着くため僕はひたすらに自転車にまたがり練習し続けた。


そして夏が来た。
























まずは国道17号を日本橋方面へと走っていく。


戸田橋を越えて2つ目の県、東京都に入りしばらく進むと日本橋が見えてきた。



ここからは旧東海道沿いに進んでいく。




日本橋から20キロ弱走ったところで夜明け。


そして多摩川を超えちょうど3つ目の県である神奈川県に入る。



橋を渡り終わったところで一休憩。


できるだけ日が昇るまでに距離を稼ぎたかったのでカロリーメイトを食べてすぐに出発する。




ところが横浜を過ぎると道が渋滞し始めた。


たまに車が路肩に寄っているところがあり、なかなか前に進めない。




保土ヶ谷付近まで進んでいくと原因が判明した。


トラックと乗用車の追突事故だった。


事故には気をつけようと思いながらその先の空いている道を飛ばしていく。




上り坂になってきたなぁと思っていると、どうやら権太坂付近まで来ているらしい。


一気に登っていく。


頂上で後ろを振り返りながら少し休憩。



飲み物を補給して再び道へ。


久々の長い下り坂を楽しみながら進んでいく。




少し進むと今日最初の難関にさしかかる。



不動坂。


三浦半島の山脈で、横浜新道との合流点にもなっている。


これを超えると相模湾側にでられるのだが、かなり交通量が多いので危険な所。


先ほど事故を見たこともあって慎重に走っていく。




トラックの風圧で何度か危なかったがなんとか切り抜ける。


しかし、藤沢に出てからは交通量も落ち着きなんとかゆっくりできると思っていたら間違えて


西湘バイパスに入ってしまった。


当然車のスピードが速くて交通量も多いためヒヤヒヤしながら走る。


そしてやっと抜けて茅ヶ崎到着。



おもいっきり暑くなりそうな予感。


セブンでアイスを買ってしばし涼む。


この後はもう完全に日が昇ってしまったので無理せず進むことにする。




途中で史跡発見。



そこから少し走ったところで、河口の先に初めて相模湾が見えた。



もう少し先で完全に海のサイドに出る。



そしてスタートから100キロほど走ったところでついに小田原到着。



途中で見つけたファミレスに入って1時間ほど休憩。




次はついに箱根だ。


体の調子を整えて最大の難関へと近づいていく。




20キロほどで入り口に到着。



久々に見る箱根の高さに少し緊張する。




そして本格的な登りがはじまった。


足が疲れていたので早くもギアを一番軽くする。


しかしそれでも時折踏めなくなってしまいそうなほど斜度が幾度となく現れる。


5キロごとに休憩しながら先の見えない絶望的な坂を登っていく。




途中から向かい風が吹き始めた。


この状況で向かい風はヤバい。


気力を振り絞って前だけ見るようにする。




どれくらいの時間が経っただろうか、ふと上を向いた僕の目に見覚えのある看板が立ってい


た。




よっしゃぁ!


反射的に喜びが爆発した。




久々に前のギアをアウターに入れて一気に下っていく。


とりあえずコケたら初日にして旅終了になりかねないので55キロ以下をキープする。


そして芦ノ湖に到着。





芦ノ湖はやっぱりいいところだな。


次は釣りしに来ようと思いながら通り過ぎる。




箱根には頂上が二つあるのでここからはまた少し登り。


そしてついにたどり着いた。



4つ目の県、静岡県突入。




気温が23度しかないのでウィンドブレーカーを着ていざロングダウンヒルへ。


五感をフルに使って慎重にカーブを攻めていく。




途中で箱根で一番好きな場所があるので立ち止まってパチリ。



崖の向こうに広がる町。


もっと晴れていたらなぁ。




ここからはノンストップで下っていく。


そして無事沼津に到着。




ファミレスで食事を済ませてすぐに眠った。






 






2日目。


体力は回復していたが右膝の調子があまり良くなかった。


どうやら以前に故障したのが昨日の箱根で再発したらしい。


しかし進む以外に道はない。


不安ではあったがとりあえず出発した。




沼津から清水にかけては非常に自転車が通りにくい道が続く。


バイパスが何度も現れ、自転車はその都度迂回しなければならない。


前回は道が分からなかったのでかなりの時間をここで使ってしまった。


だが今回は前回の記憶がおぼろげにあったのでスイスイと進んでいく。




やっとバイパス多発地帯を抜けた興津あたりで夜が明けた。



またもや暑くなりそうな予感。


涼しいうちに距離を稼ごうとスピードを上げる。




やがて道は清水付近で1号と離れて150号に入る。


そこからは海沿いのイチゴロードという道になっていて快適に進める。



しかしここで問題発生。


右膝が強烈に痛み出した。


急遽コンビニに入って回復を図る。


しかし一向に痛みが引く気配はない。


諦めて再び走り始めた。




スピードを下げて膝をかばいながらの走行。


かなり焦りも出てきた。


そんな中本日最大の難関が迫ってきた。



大崩海岸という場所。


峠になっていてやはり膝への負担が大きい。




やっとの思いで峠を抜けて焼津に出る。


そこからはほぼ平地なので、こまめな休憩をとりながら御前崎方面に向かって走る。


その後50キロほどで御前崎にたどり着いた。


前回は時間と体力が余っていたので岬の先端を通りながら走っていったのだが、今回はそん


な余裕はないので150号線に沿ってショートカットする。


そしてやっと遠州灘沿いの道に出る。




ここからは本当に暑かった。


日差しを遮るものが何もない殺伐とした道路なので、アスファルトからの照り返しと直射日光


が容赦なく降り注ぐ。




ひたすら何も考えず進んでいくと、40キロほどでようやく天竜川にたどり着いた。


そして橋を渡って少し走り浜松に到着。


長かった......


さっそく宿にチェックインして休憩する。




そしてその後大野さんと1年ぶりの再会。


浜松名物のげんこつハンバーグをご馳走になりながら釣り談義へ。







ハンバーグの写真は食べるのに夢中で忘れてました(笑


ホントにおいしかったです、大野さんご馳走様でしたm(_ _)m


そして対高知用にZBLシステムミノー15Fを戴く。


ありがとうございますm(_ _)m


この日はこれでお開き。


宿に帰ってすぐに眠りに落ちた。












3日目。


この日は朝から雨。


まあ1週間も走るのだから1日くらい雨に当たるのはしょうがない。


小雨のなか愛知方面に向けて走り始める。




途中で懐かしの浜名湖にさしかかった。


前回の最終到達地点。


また今度釣りに来たいな。


そう思いながら通り過ぎていく。


そしてここからは一度も行ったことがない道になった。




42号に入ったところで1回目の休憩。



fimoで知り合った文さんが県境は雨が強いという情報をくれたのでしっかり備える。


そして潮見坂を登っていく。




トラックが水をドバドバ飛ばしてくるので辛いが、なんとか登り切って5つ目の県である愛知県


に入った。


聞いていた通り雨が相当強く、風も酷い。


少し走ってマックで休憩する。


が、ここで一つ失敗。


濡れたまま冷えた店内にいたら体が相当冷えてしまった。




ウィンドブレーカーを着て再び走りだす。


するとここで風向きが追い風に変わった。


緩いアップダウンの道だったが楽にスイスイと進んでいく。




そして一気に名古屋まで走った。


雨も止んできたのでその先も快調に飛ばす。




すると大きな川が見えてきた。


木曽川だ。


そのあとに長良川・揖斐川と続いている。


これで6つ目の県、三重県にやっと入ったことになる。




そしてそこからはあまり苦労もなく四日市へ到着。


いとこの家ということもあって久々の安心感。


翌日は休憩日なので目覚ましはかけずぐっすり寝た。





 









5日目。


一日休憩しただけで体はかなり回復していた。


久しぶりに快調な体で暗闇の中を飛ばしていく。




が、序盤は高速道路のような道でアップダウンが激しいという最悪の道であった。


亀山付近で高速と分岐したので交通量は落ち着いたが、かなりヒヤヒヤした道であった。


そしてそこから鈴鹿峠に向けて再びアップダウンの道を進んでいく。




かなり峠の入り口までは遠いらしい。


15キロほど進んでやっと入口らしき地点に到達。



ちょうど夜明けだった。


鈴鹿は箱根より斜度が厳しいと聞いていたので気を引き締めてとりかかる。




が、意外とあっけなく到着。



滋賀県入り。


これで7つ目の県。


道は太くて急カーブもなかったので下りは楽勝だった。


しばらく休憩していなかったので、下り勾配が緩くなったところにあった道の駅に入る。



ここからは下りなのか平らなのかよくわからない道が続いた。


スピードはあまり出ないがそれなりに楽な道。


で、気づくと大津に入っていて琵琶湖のほとりまで走っていた。




ここから京都にかけて辛いアップダウンが続く。


日も昇ってきて厳しさに拍車をかけた。


それでもなんとか最後の大きな山を越えて京都に到着。



これ以降あまりアップダウンはないのでほっと一息。


すこし休憩して今日の目的地である神戸に向かう。




今日も日が昇って暑い。


熱中症が怖いのでボトルの残量に気をつけることにする。




しばらくして大阪入り。



暑い、暑すぎる。


半端ない暑さにやられてファミレスへ避難。



これでやっと息を吹き返す。


残りは30キロほどなので最後の力を振り絞って進んでいく。




そして兵庫入り。




それにしても指が入ってる写真多し.......


撮った後まぶしくて写真を確認しづらいのが原因。


今後もあるとおもいますがそこはスルーで。


程なくして三宮へとたどり着き今日は終了。


180キロの長い長い道のりだった。


 つづく


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