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雨上がりの谷地坊主

  • ジャンル:日記/一般

雨上がりの田舎道をいつになく多くの車が連なって走る。

先頭の農家の軽自動車は後ろを気にするそぶりも見せず、のろのろと30kmのスピードを保つ。

おかげで、予定の時刻はとうに過ぎ午後5時を少しまわっていた。

1台の車がやっとその列を離れ、さらにまた小さな田舎道へと分け入ってゆく。



「こっただとこに、良さそうな池があるんだなや~」

少年は嬉しそうに屈託なく笑った。



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「うん、今日はおもしれえ釣りをみせてやる」
「春の雨上がりとあって、水温低下は逆効果だがな」


そう言い終わると谷地坊主は得意げに終わらぬうんちくを傾ける。

「春、まだ水温が上がりきらぬトップゲーム は、魚が追いやすいようにゆ~くり動かすのが肝だ」

「はや~く動かしちゃならねぇ、ほら!やってみろ」


少年は言われるがままに、雨による増水で水面に隙間を無くした木々の先端にゆっくりと魚を誘う。



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「だめだ~、おじさん。おらどうしても動きがはやくなってしまうだ」

弱音を吐く少年に谷地坊主の怒号が響く。


「ごちゃごちゃ言っとらんで、見とれ!」

「なんのためにイルカに口(リップ)が付いとるか。クランク、ミノー、ダーター、口(リップ)が付いとるっちゅうことは、それが抵抗になって水面をゆっくり攻めれるっちゅうことじゃねぇか!」


言い終わらぬうちに、ズビュ~ンと木々の間をぬって水面にイルカは突き刺さる。




「ゆ~くりだ。その場を動かず、ゆ~くり波紋を出すんだぜ」

「たまにダイブっちゅうアクションを加えるが、それもあまり動かんことだ」








ごぼぉ!



それ来た!







男の言う通り、ゆっくりとした動きに我慢できず魚が飛び出す。



「いい引きだ」



慣れた手つきで左右に走る魚をいなし、古いのか新しいのか定かでない太鼓リールから糸を引き出す。



「ああ、良型だ」






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「うひょ~~~~~!いい型でねか!おじさんっ!」


「うむ、しかしもっとどデカい奴がここにはいるんだぜ」
「このくれ~じゃ、谷地坊主流とりこみ法は使うまでもねえな」

男は嬉しさを噛み殺しながら強がって見せた。


「そんじゃ~、その魚はおらのもんだなやっ!!」


目を輝かせた少年の叫び声が、夕暮の濡れた大地に響き渡った。






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タックル
ロッド グランドマスターヨーダ
リール リボルバー514
ライン PE5号直結
ルアー 谷地イルカ、三平イルカ、魚紳スウィーパー



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ではでは。☆彡



 

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