ウミガメ

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夜のビーチで小さな奇跡に巡り会った。


その奇跡とは









『ウミガメの孵化』







小さな命が地上に出て、生きるための大冒険を始めようという、感動的なスタート地点。







しかし、問題があった。



生まれてすぐのウミガメは恐らく視力が低いのであろう。




本来、明るい“月”を目標にして大海原へたどり着く。



巡り会った20匹あまりの小さな奇跡は、月ではなくビーチにある自動販売機の明かりを目指して必死にもがき進んでいた。

悲しいことにその自動販売機は、海とは真逆の位置にあたる。


それはすなわち小さな奇跡達に待っているものが“死”を意味する。




大自然の営みに人間が手を出してはいけない。




そのルールは必要だが、奇跡達の目にうつる、


“生きるための目標”


が残念にも人工物なのだ。


その場にいた人達で、一匹ずつ負担をかけないように海に連れて行った。

携帯の弱い明かりに素直に、必死についてくる。


波打ち際まで来ると、引き波にのったようで、次々と姿を消していった。


ビーチから見える自動販売機の明かりが残酷に見える。



大自然の中で自然淘汰されてしまう宿命を背負っているのに、人間が間接的に自然淘汰の一部を行ってしまっていた。



可愛い奇跡に出逢えたことは貴重な体験であるが、改めて自然との付き合い方を見直させられる夜だった。



頑張れ奇跡達!



元気で生きてくれ!



願わくば、また帰ってきてくれることを。



その時が、今以上に自然豊かであることを。

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