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▼ 『点と線』
- ジャンル:書籍・雑誌
- (読書)
今日は、昨夜読み終わった本を紹介します。
いまさらながらですが・・・・・
松本清張 著 『点と線』 (新潮文庫)
いわゆる「アリバイ破り」の先駆けとなった作品ですが、
まあ、すごいですわ。
+++
2人の情死体が発見された福岡の所轄署のベテラン刑事。
中央官庁の不正を捜査していた警視庁の警部補。
その警部補の情熱的かつ冷静な意気込みと分析を理解し、
信頼して仕事を任せてくれる主任警部。
+++
2人の情死体には、中央官庁の不正との関係で、
様々な疑惑が浮かぶ。
そして、その疑惑の前に鉄壁のように立ちふさがる、
「容疑者」の完璧なまでのアリバイ。
+++
それぞれの刑事が抱く疑惑は、
最初は別々の「点」でしかない。
しかし、緻密な推理と捜査を続けていくうちに、
その「点」が、アリバイを崩していく一本の「線」に繋がっていく。
2人の情死体も、実は・・・・
そして、まさかのラスト。
しかし、そのラストにも、緻密な計算と構成に基づいた、
伏線が敷かれていた。
+++
全体として、淡々と描かれているという点では、
前回紹介した『13階段』とは対照的なタッチだが、
いつのまにか、読者自らが捜査をしているような
感覚にとらわれる。
+++
昭和46年に文庫化された本書は、
その内容に、経年劣化をまったく感じさせない。
惜しむらくは、ラストの部分をもう少し膨らませてほしかった。
+++
ボクのような素人が言うまでもありませんが、
読んで得する1冊です。
- 2011年5月3日
- コメント(9)
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