アカメ

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【日本怪魚伝】著:柴田哲孝という本が好きだった。
その第一話が四万十川の伝説というアカメの話。

銀灰色の鈍い光を発する体は、まるで金属の甲冑を帯びたかのように見えるという。魚食性を示す巨大な口。頑丈な顎。頭部は目の上で大きく窪み、背はその力を誇示するかのように盛り上がる。そしてアカメの名の由来となる双眸は、まるで宝石のルビーのように赤く輝く。(抜粋)


2011年夏の終わり、衝動的に宮城を発ち高知へ向かった。オール陸路だき。

高知県に着くと、釣りを通じて知り合った2人の友人が駅まで迎えに来てくれました。

「釣るまで絶対帰らない!」

そんな覚悟できたもんで、生活用品は全てバックパックの中。
釣った魚を食べて空腹を凌ぎ、夜は野宿。

正直言って物価の高い国でのサバイバル生活は無茶苦茶キッツイ。とくに日本!
カロリーを補給する為、いや生きる為、たまーに食べるコンビニアイスが夜遊びよりも大切な儀式だと悟りました。悟った。

2日目の夜、初めてアカメの捕食音を聞いたんだ。心底ゾッとしたよ((((;゚Д゚)))))))
1メーターくらいあるポッパーで思いっきりスプラッシュあげる感じ?!とりあえず激ヤバ!!
思い出すだけで心拍数あがる(笑)


そして何日目か忘れたけど、ついにアカメに出会えた。

怖くなるほど劇的にミノウオサイズと呼ばれるアカメをランディングして、3人で狂うほど叫びまくった!もう魚の域を越えてモノノケですよ。

会いたくて会いたくて震えていた、アカメに会ってもっと震えた。感動したきー。

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ストリンガーにかけても、間違いなくブッ壊して脱走するであろう
トラロープに繋いで明るくなるまで休んでもらった


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リリース直前の一枚。
三人で獲った、喜びを共有できたことが嬉しい。


でもこの写真を撮った後、友人達から携帯に連絡が入ったん。

「アカメ釣れた?おめでとう・・言いにくいんだけどヒロト死んじゃった」
って。絶頂からドン底に急落下、気絶しそうなくらいヒューーーンと落ちた。

ヒロトとはバス釣り雑誌ロッドアンドリールの企画で活躍してた、阿部洋人(アベヒロト)君。
追悼記事も載ったから、知ってる人はしってると思う。

同郷で同い年、今回の遠征も一緒に来るはずだった友人の突然の死。

病魔に侵されてる事すら誰にも言わずに逝ってしまった。意識朦朧としながら速攻で宮城に帰ったよ。遺影はアカメを持った写真だった。

葬儀の場で知った話だけど
「亡くなる直前までアカメ遠征の事を気にしていた」とか。

不思議といろいろな所で時間が一致するんだよね。
高知入りした時間、アカメに会えた時間、写真を撮った時間も。

そして思った。

アイツも一緒にアカメと戦ってたんだな
釣らせてくれたんだな

って。

そういうこともあってアカメは大切な魚です。



そしてコレよりでかいの釣りたくて、
翌年9月も高知に立て籠った俺らキチガイwwww


story of my fishing

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