
結果だけ先に言うと、僕の初めてのレイクちゃんは無事に帰って行った。
もちろん、その後も生き抜いているか、翌朝浮いていたかどうかはわからないけど、大きな尾鰭をはためかせながら急深へと消えていった。2時間近く、冷たい湖水を断続的に触り続けたので手が真っ赤だった。その後は余韻と満足感に浸りながら、のんびりと珈琲を淹れたりした。

魚にはその構造上、深いところから引き上げられる時に空気を吐き出して、水圧・気圧の変化に対応出来る種類と、そうでない種類がいるらしい。例えば真鯛や青物は水中から上がってくる間にブクブクっと吐く空気が見えると言うし、一方カサゴや深海魚なんかは目まで膨らんでいたりする。これも個体差があるのだけれど。
このレイクはお腹をさする様にして水中に沈めてやると、まるでゲップをする様に空気を吐いた。その後、背中が少し出てしまうぐらいの浅瀬に魚を岩で固定し、上から落ちていた布袋を濡らして体を覆い乾かない様にして1時間程放置した。体を覆うのは乾きを防ぐだけじゃなく、魚が無駄に暴れて傷ついたりストレスを与えるのを防ぐ効果もある。長時間かけて段々と浮き袋を調整出来たのだろう。リリースの時にはすっかり体色にも濃さが戻り、元気に帰っていった。素直にほっとした瞬間だった。お金もないしね(まだ言うw)

M.T.レイクス 77/19g
日本語ではデータの少ないレイクトラウト釣りなので、結構アメリカの釣りサイトも覗いて色々調べた。さらに阿部さんという、今回ずっと魚を触らせてもらっているM.T.レイクスというスライドスプーンの開発者の方にも、厚かましくガシガシと質問させてもらったりもした。Rodio Craftのフィールドアドバイザーを務める、中禅寺湖のレイクトラウトの第一人者のひとりである。
そしてアメリカのサイトにも書いてあり、阿部さんも心がけているのがスローファイトだそうだ。特に深い場所から上げる時は余計に。そんな余裕を持てる程釣り込むのもなかなかに難しい気もするが、次からは気をつけてみようと思う。さらに備えあれば憂いなしと言う事で、次の釣行から僕達はバス用のエア抜きニードルを準備しておくことにした。ちなみに英語で検索するなら「Fizzing」がエア抜きという意味になる。
幸運にも翌週、僕はもう1匹レイクトラウトを釣る事が出来たのだが、案の定彼もお腹がパンパンになっていた。そして早速出番が来たニードルのおかげで、エア抜きした魚は1分で帰っていった。いくらスローにファイトしても、どんな魚にも起こりうることだと思うので、今後も二ードルは常に持ち歩こうと思う。まああまり堅く考えてもしょうがない事かもしれないけど、御守りみたいなものとしてもね。

絶景!

と、こんな感じで解禁日からの4月の中禅寺湖強化週間は幕を閉じました。
ここまである意味ハマってしまったのは、レイクトラウトという魚のかっこよさも去ることながら、個人的に大好きなスコットランドの様な厳しい表情を持つ湖と、そこに散らばったロマンなのかなと。何度思い返しても、僕には出来過ぎた釣行だった。そうさせてくれる出会いや仲間にも恵まれたのだ。こんな素晴らしい場所だったと再確認するのに、事故を経て2年越しになってしまったけど、思い返せばこの大袈裟な夢物語は小学校の頃からもう既に始まっていたようだ(マス違いだけど)。これでよかったんだろう。


5月は1日〜3日に開催されるタイのフィッシングショーに出展、そして半ば頃に帰国予定なので、次にこの湖畔に立つ頃には、どこも緑に溢れているのかなぁ。今年は魚だけじゃなく、季節を追いかけられたら最高です。
ROD:Glissando90
REEL: TWIN POWER, shimano Europe, Biomaster, shimano
LINE:PowerPro(1) +Fluorocarbon16lb
LURE: M.T.Lakes, Rodio craft
最新のコメント