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ショータ・ジェンキンスです。 ようやくfimoの触り方を理解してきました。 皆様よろしくお願い致します。

レイクトラウト釣行 Vol.3 生命の価値

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初レイクはとにかくズシリと重かった。
Lake trout in Lake Chuzenji was really heavy, Japan


最初はまるで大きなゴミでも引っ掛けた様に動きのないファイトだったので、バイトを明確に取れていなかったら多分回収でもする勢いで巻いてしまっていたかもしれない。
シャロー際、ブレイクに差し掛かろうというところで思い出した様に一瞬暴れた姿は、そのまんまロンドンで釣れた大型のパイクと同じであった。
僕と師匠はパイクたちのそれを「死んだふり作戦」と呼んでいて、最初は重たいビニール袋の様におとなしく、岸際で目が合った瞬間に暴れて隙を突いてくるのである。何度かこの作戦にやられた事があった。

 

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ロンドン リージェンツカナルのパイク
Pike in Regents canal, London

 

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Glissando90 & Lake trout

 

ランディング寸前にトラウト特有のロールを見たときはヒヤヒヤとした、永遠にも感じる数秒間の水面の攻防。静かな海の様に波が打ち寄せる湖岸にレイクトラウトが横たわる。
少し呼吸が落ち着いてから、魚をなるべく水に浸けながら撮影した。呼吸は魚でなく僕の呼吸。足は震え、心臓の音が聞こえるようだったから。さっき漁権を確認したばかりの巡視船が、僕の叫びを聞いたのか引き返してきておめでとうございますと言ってくれた。

 

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何で釣れてくれたんだろう?魚のエラに水を送りながら考えてみる。
まあそんなものは人間が頭を捻ったところで分からないのだが、タックルを見直した事も、少ないであろうチャンスをモノに出来た理由ではあると思う。ナイロンからPEにラインを変えて、ロッドも遠投性能と程よい「入り」が欲しかったので、本流トラウトロッドのStaccato76からサーモンロッドであるGlissando90に持ち替えた。
おかげでスプーンの飛距離も操作性も上がったことで、確かに釣りに集中は出来たような気がする。まあそこは、普段の行いとか、いくら(何個のルアー)フィールドに奉納したか、などで変わってくるのでしょう(笑)

 

これで全て報われた。正確には56万円掛かった車の修理も、全然辛くはなかったけどここまでの毎度のロングドライブも、諸々の納期に追われた日の睡眠不足な毎日も全部。
後はこの魚が元気に泳いで帰ってくれさえすれば、もう午後は日光まで下ってカフェで仕事でもしよう。さぁお行き。

 

 

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あれ?

 

魚がお腹を上に向けて深みに帰れないでいる。そう、バスフィッシングで言うところの「エア抜き」が必要な状態だったのである。余裕もなかったのでそんなに強引なファイトをしたつもりはなかったが、グリッサンド90のバットパワーは曲がりで感じる以上に強力なので、結果ディープから急激に魚を上げてきたのかもしれない。

中禅寺湖にしか生息しないレイクトラウトの扱いは少し特殊である。扱いとは、存在の扱い。
もちろん生体での持ち出しは出来ないし、たとえ蘇生できずに死んでしまった場合も、監視員の人を呼んで引き取ってもらう。もしくはその場に業者にも来てもらい、その魚を剥製にするかしかないのである。

蘇生中、監視員のおじちゃんが声を掛けてくれた。「死んでしまったら仕方ないけど、剥製にするなら1cm×1000円の計算だから考えものだね。明日1mが釣れるかもしれないし!」と笑って去っていった。

ふむ、本当に考えものだ。初めてのレイクトラウトを生きて返したい。釣り人である以上魚を殺めることはあるし、魚を傷つけていることには違いない。自然の恵みを少し分けてもらうワガママな遊びなのでエゴと言われたらそれまでなのだが、釣り人は決してただの殺戮者であってはならない。やっぱり生きて帰って行くのを見たいのだ。重い、重いぞ。
そして何より…

 

「76000円も払えない!!」(爆)

まあそれは冗談として、ここからさらに大掛かりな蘇生活動が始まった。
今となっては釣ったこと以上によく覚えている良い思い出なのである。

つづく?

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