関東と東北に甚大な被害を出した台風１８号に絡んだ大雨。

今季一番の増水となった我がメインフィールドである日本一の流域面積を誇る大河川中上流域の完全淡水エリアだが、水位は下降傾向にあるものの下流と支流を含めた増水の規模が大きかっただけに、先日から水位の下がりと濁りの取れ方も鈍ってきており、平水＋約１mに強めの小濁りといった状況が続いている。

そんな状況と土日に絡んだ休日という事で家の用事等もあり久しぶりに連日の休釣日となったが、そろそろ我慢の限界だろうと自分の中でも薄々感じてきていた…

そして今夜から夜勤シフトとなる為、数日間は行きたくても行けない大河釣行の事を考え深夜〜早暁の大河へ向かう。

狙いは勿論、昨年発見した増水ポイント。
平水時には絶対やらないポイントだが、増水時にはかなりの確立で本命が入って来るポイント。
しかし同じ増水時の水位でも上げ傾向の直後は大型の実績も高く複数の魚が入って来るイメージなのだが、今回のように大きく増水した後に水位が下がってきた場合は魚が居ない確立の方が高いイメージのポイント。

そんな増水ポイントに向かうも増水の影響で河川敷は荒れ放題…
中に入った道では普通乗用車では確実に即スタックといったレベル。
そんな状況の中、愛機の機動力に物言わせ泥を巻き上げながら荒れ果てた河川敷を突き進む…


タイヤは泥に埋まりフロントウインドウまで泥が飛び散る…
家に帰ったら確実に嫁に怒られるレベルの”泥パック”を済ませポイントに到着。

全ての草木は増水によって寝かされ増水後の独特の臭いが立ち込める。


こんな景色が延々と続く…

泥に埋まり、冠水ブッシュを掻き分けながら狙いの筋に到着。
沖には増水時らしいひたすら図太い流れ…

そして濁りはまだキツい…

周辺にプレッシャーを掛けないように注意しながら冠水ブッシュ内をヘッドライトで確認すると流れが当たるブッシュ付近に大量のマイクロベイトが溜まっているのを確認。


表層に固まるマイクロベイト。
生命感はどうにかあるようだ…

そして期待をしながらの一投目はミノーを撃ち込んで行くが何の反応も無い。
その後は流れを刻むように何十回とミノーを撃ち込んで行くものの反応の無い時間が過ぎて行く…


そして一気に夜が明けて来た。

岸際のマイクロベイト以外の生命感は無いものの”水面遊戯”で仕切り直すが予想通りに反応は無い。

”やはり駄目か…”


完全に夜が明けた状況に再びミノーにチェンジし立ち位置を変えて攻めて行く。
アップクロスで撃ち込んだミノーをドリフトで流し込んだ後に回収を掛けながらそろそろ納竿かと沖の流れを見ながら考えているとピックアップしたミノーに”バッコーン”と目の前でアタック。
どうやら手前の強い流れが当たる水没ブッシュに絡んだブレイクに着いていた魚が食い上げて来たようだ。
捕食音の大きさから虎では無く確実に本命と思われる相手は針掛りしていない為に直接其処は狙わず再び同様の攻めでミノーを流し込むと”ギランッ…”と輝く銀鱗が水没ブッシュ横で平打ちしミノーにアタックするが惜しくも乗らず…
見えたシルエットからして確実に自分達的スズキサイズの良型だったがチャンスを逃した。
まだ次がある筈と手を替え品を替え狙って行くがそれっきり反応は無くなった…

それなりの高水位と時間的にもレンジを下げようとバイブレーションにルアーチェンジしブレイク周辺をリフト＆フォールで探っていると”ゴンッ”と押さえ込む様なバイトと共に魚が乗った。
水面こそ割らないものの引き味は確実に本命”純淡水域川鱸”
サイズ的には先程アタックして来た魚より小さそうだが、増水の流れもあってか良いファイトをする。

そして増水によって程良く寝た冠水ブッシュにズリ上げグリップランディング。


早暁の増水大河に輝く銀鱗。


荒々しく立った背鰭が格好良い…


清流鱸らしい美しい魚体。
63cm、2.2kgのフッコサイズ。


久々の一本はサイズ問わず感無量。


蘇生無しで増水大河の流れに元気に消えて行った…

そして最初に喰わせきれなかった魚を獲ってやろうと引き続き攻めるが、その後は何の反応も得られずタイムアップとなり納竿。


引き続きの増水といった状況に再びチャンス到来かと胸が高鳴るが、悲しい事に今夜から夜勤シフト…
夜勤が終わる頃には状況が大きく変わってしまうだろう。
逆に状況が更に好転する事を信じて数日間は憂鬱な思いで仕事に打ち込むしかなさそうだ…