漕釣

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7月の雨夜 酒を飲みながら漕釣を想う

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信徒が日曜の礼拝に行くように

回教徒がメッカを巡礼するように

釣狂人はまた海に向かう
まるで取り憑かれたように

その海に静かに一歩目の足先をつける

瞬間で体温とシンクロがはじまる

しばらく漕ぎ 大海原に独りぼっち・・・・

皮膚に当たる風、脳を揺らす振動が

恐怖感を生み五感が極限を想像し

命を実感する

次第に非日常の世界に酔いしれ

アドレナリンが食欲や疲労を掻き消す

不意に見えないサインを心臓が伝える

殺気を気ずかれないように息を止める

ひとつ ふたつ みっつ

確実な時

その「時」は1つしかない

瞬間 静と動が切り替わる

糸一本で生命を感じ血がたぎり

人でいられなくなる

自然と叫びをあげ

勝利を確信する

その一尾は脳裏に消えることなく刻まれ

肉体の一部となる

狩りはきれいごとではなく

命を奪い

命を繋ぐ

漕釣以上の興奮をまだ知らない・・・・・・・・・。

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明治の終わり黒岩國松というタイラバのルーツといわれる漁法を生みだした漁師がいる

テンヤの餌のえびを使い切り海藻をハリにつけて他の漁師より鯛を釣ったという

彼の死因は漁での溺死と記録にある

その時代は木船で手漕ぎの釣りだったので

外海の釣りは常に命がけだっただろう

カヤックも同じ水面ゼロの死ねる状況での釣り

それが恐怖でもあり興奮する魅力でもある

あなたも日常のファンタジーへ

漕釣最高

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