【EXPERIENCE】第３２話　始まりと始まり

昨年の３月、僕は夢を口にした。

これが僕の夢の始まりである。

それから自分に足りない何かを探しながらの釣りが始まり、多くの

発見があったんだけど、その中で「今」必要だと思うことを重点的に

身に付けることにした。

「まだまだ足りない」

そう思っていた時にやって来た挑戦の機会。

誤解を恐れずに言えば、僕はここで成功を求めていなかった。

むしろ失敗を求めていた。

「今の自分で成功してもらっては困る」と。

ただ、僕は本気で挑戦した。

今自分に出来る最高の事をやった。

仕事は忙しいし、家庭の事も忙しいけど、それを言い訳にはしない。

とにかく全力で挑んだ。

その結果失敗しようとも、それを受け入れられるように。

納得いくように。

僕はそこが大事だと思っている。

失敗は受け入れられるが、挑戦しない事は受け入れられなのだ。

松下幸之助氏は言う。

わるいときがすぎれば、よい時は必ず来る。

おしなべて、事をなす人は、必ず時の来るのを待つ。

あせらずあわてず、静かに時の来るのを待つ。

時を待つ心は、春を待つ桜の姿といえよう。

だが何もせず待つことは僥倖を待つに等しい。

静かに春を待つ桜は、一瞬の休みもなく力をたくわえている。

たくわえられた力がなければ、時が来ても事は成就しないだろう。

僕は今がわるいときとは思わないし、よい時とも思わない。

そう思えるほどの力がないのだから。

今はただ、「その時」が来るまで力をたくわえる。

そういう段階だと思っている。

だから失敗しようとも受け入れられる。

しかし夢は終わらない。

夢を終わらせるのは、いつだって自分なのだ。

ジョージ・ワシントン・カーヴァーというアメリカの植物学者は言う。

不成功の99％は、言い訳ばかりをする習慣を持つ人から生まれてくる。

僕は自分に言い訳はしない。

そういう生き方をしてきた。

自分にだけは負けちゃいかんのです。