白飯の恐怖

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釣りに夢中になって、飲食を忘れる。
 
釣りを終えると、激しい空腹と喉の渇きに気が付いたり。
 
一日頑張った後のゴハンは美味しい。
 
でも。
 
一緒に釣りをした仲間たちが、焼肉に舌鼓を打つ中で
自分だけ、白飯しか食べられないとしたら?
 
それはもう『拷問』と呼ぶに相応しい仕打ち。
 
 
そんな恐ろしい釣りの集いが、実は毎年続けられている。
 
その名も大漁企画 焼肉カップ
 
今年で11回目という歴史ある大会。
 
年を追うごとに参加者が増え、レギュレーションも変化して
 
・最長1尾のサイズで勝負
 
・上位10名はタダ飯をご馳走になれる
 
・下位5名はタダ飯だけど白飯ONLY(通称『白飯の系』)
 
・ボウズの場合は白飯ONLYな上に、お支払いもしなければならない
 
という現在の形に落ち着いたらしい。
 
この大会、菅原さんのブログでその様子を拝見して
面白い&恐ろしい集いだなぁと蚊帳の外から思っていたのだ。
 
ところが、浅川さん経由でお近づきになった大漁企画フレンズの奥山さん直々に
来年の焼肉カップは織愛ちゃんも参加ね、とお声がけ頂いちゃった訳で。
 
お誘い頂いた瞬間、『白飯が来るっっ!!』と思っちゃったワタクシ。
 

釣りの手練がずらりと顔を揃える大漁企画フレンズ。
 
そして、そのお仲間が集う焼肉カップ。
 
戦いの場は御殿場・東山湖。
 
釣りを始めたばかりの頃、何度か行ったことはあるけれど
もう何年もご無沙汰な管理釣場。
 
あぁ、とっても白飯な予感・・・。
 


そして1/29、ついに第11回焼肉カップ当日。
 
楽しみよりも不安のドキドキを抱え、雪の残る東山湖へ。
 
 
大会は14時から閉園の17時までなので、それまではプラクティス。
 
何とか当日のパターンを掴もうという訳だけど、一日の中でも様々に変化するのが普通。
 
菅原さんも、過去大会についてのブログの中でこんな風におっしゃっていました。
 
『東山湖は、午前、日中、午後、夕方と、パターンが刻々と変化するので、
午前中のプラクティス( 練習 )は、あまりアテにならないというのが定説です。
むしろ、午前中に≪ 中途半端な大物 ≫を釣って、≪ 運を使わない ≫ほうが賢明なのですが、湖水を目の前にすると、ロッドを振らずにいられないのが、ボクたち釣りバカの悲しい性( さが )。』
 
状況を分析し、対応策を導き出す能力に長けた浅川さんは
プラ中に当日の傾向を把握する気満々だったけれど
鈍くて引き出しも少ない私は、とりあえず1本でも良いからGetして
緊張を和らげるのが第一目標。
 
ボウズという最悪のシナリオだけは、何としても避けなければ。
 
そんな思いで釣りを開始。

 
まずは「テッパン」と浅川さんが勧めるフェザージグ。
 
さすがの安牌、程なく20cmちょいのニジマスをGet.
 
ちょっと安心して、殆ど経験のないマイクロスプーンでの釣りに移行。
 
が、釣れるのは20cm台のニジマスばかり。
 
本番にこのサイズだけだったら、かなり白飯のキケンが・・・。
 
と焦りだした8時過ぎ。
 
NOA白にちょっと良いサイズが。
 
皆さん同様にプラ中であるにも関わらず、
ネット2本出しという万全の体勢でランディングして下さった。
 
ありがたや。
 
上がってきたのは、人生初のイトウさん。


 
一応計測してみたら、61cm。
 
参加者の皆さん口々に『やっちゃったね~。優勝サイズだよ。』
 
そう、プラの間は程々に釣って、大物運は本番に取っておきたいところ。
 
タイミングの悪さは、何とも私らしいと言うべきか。
 
ラインによる傷でボロボロながら、元気に帰っていったイトウさん。
 
傷、早く治ると良いね。
 
本番にもう一回付き合ってね(多分ムリ)。
 
 
そして30分後。
 
浅川さんに借りていたペレットペレットに、再びずっしりした重みが。
 
は、早いよっっ!!
 
・・・違うコでした。
 
が、またイトウさん。


 
やらかした感、120%に上昇。
 
 
それから1時間程して、浅川さんもデカイトウさんをGet.
 
おかげで、おでんランチタイム(大漁企画Fのテルさんお手製)にも
色んな方に『二人してイトウ釣っちゃったんだって?』と言われる羽目に。
 
浅川さんの場合、プラを生かして本番さらに大物もあり得るけれど
完全に運でGetな私の場合、一年分の運を使い果たした可能性さえある。
 
不安を減らす為のプラで、サカナをGetしながら、むしろ不安が増す
という予想外の状況に混乱しながらも、激旨おでんで心を落ち着けて
本番直前1時間弱、さらにプラを続ける。

 
が、風向きが変わり、日も高くなり、思うように喰ってくれない。
 
さらに真剣モードになった浅川さんは、釣ってはルアーを変え、
サイボーグの如きすさまじい勢いで釣果を重ねていく。
 
ナイーブな私はその『気』に当てられた。

 
イトウさんの後も、7,8匹のニジマスが釣れたけれど
いずれも30cm未満の白飯キケンラインばかりで、
なんだかイヤな流れのまま、開会式を経て本番に突入。
 
まずは1本、とテッパンフェザージグを投入するも、反応は薄い。
 
私同様フェザージグから始めていた浅川さんは
早々に「あ、これ失敗した。」と呟き、スプーンに変更。
 
と思ったら間もなく、ニジマス2本Get.
 
しかも2本目は50cm越え。
 
 
実は、過去2回優勝し、白飯は0回という浅川さん。
 
過去優勝者でも、白飯経験率は高いという中での戦歴。
 
今回も、これで「白飯の刑」を免れることは確実。
 
しかも3度目の優勝まで圏内に。

恐るべし。
 
 
隣の私はスレやバラシと苦戦が続く。
 
プラで釣れたフェザージグ、スプーン、クランク、ミノー。
 
どれもカチリとは嵌ってくれない。
 
 
ようやくGet出来たのは、大会時間を半分以上過ぎた頃。
 
集中して釣果を重ねる浅川さんのアドバイスに従い、
初心に戻って、フェザージグでの一匹。
 
体高のある綺麗なニジマスながら、長さは36cm。
 
とりあえず、これでワーストシナリオは無くなったけれど、
白飯危機はまだ去っていないから、気は抜けない。
 
サイズアップを狙い、ミノーを中心にあれこれローテーションするも
思うようなアタリは得られない。
 
と、その横で再び浅川さんが良型をかける。
 
16時を回ったらイトウタイム、と呟いたその通り、
52cmのニジマスを入れ替える、61cmのイトウ。
 
ミノーへの反応の薄さを不安に感じつつも
得意とするトゥイッチングで見事にGet.
 
ネイティブトラウトの達人ならでは。
 
これはもう、優勝決まりでしょう。
 
しかし、このサイズの後でも集中力は衰えず。
 
狙われるオサカナが気の毒になるくらいの殺気。
 

結局その後も浅川さんは数匹のチビマスさんを苛め、
私はチビマスさんたちに弄ばれ、大会終了。
 
会場を近くの焼肉屋さんに移し、運営の皆さんは集計作業や
景品の整理など忙しく立ち働き続け。

大漁企画フレンズの皆さん手作りの大会ながら
参加者が60名近くともなれば、運営も本当に大変な筈。
 
そのご尽力には本当に頭が下がります。
 
優勝経験者の談話など伺いつつ待つこと暫し、
いよいよ集計作業が完了。
 
まずは、白飯の刑に処される人々が発表される。
 
36cmなら多分大丈夫、と言われてはいたものの
蓋を開けるまで確実ではないし、超ドキドキ。
 
緊張の一瞬・・・
 
菅原さんの美声により、5名の名が呼ばれる。


 
免れたっっっっ!!
 
お肉、食べられる!!!
 
こんなに嬉しい焼肉は、生涯初めて。
 
 
白飯刑発表の後、1位から10位のタダ飯権獲得者の発表。
 
栄えある優勝は、やっぱり!な浅川さん。


 
入れ替えのイトウ61cmにより、見事3度目の栄冠を手に。
 
思えば私がプラで釣った1本目のイトウはまさに同サイズ。
 
優勝サイズ、という皆さんの声は大正解ということに。
 
これまで53cmのニジマス@忍野が自己記録だった私にとっては
管釣りとは言え、一応トラウトの自己記録更新サイズ。
 
初のイトウで、記録更新。
 
本当だったら大喜びするところだけれど、喜びよりも残念さが漂う結果に。
 
人生ってフクザツ。
 
とは言え、同じチームの白井さんも無事焼肉にありつけて
優勝者の浅川さんと共に楽しく食卓を囲めただけで大満足。
 
私は16位だったけれど、あの1本がなければ白飯卓に隔離され
60人近い釣人さんたちが、これでもかと飲み食いする中で
飲物&白飯ONLY(タレも塩も使用禁止)その上お支払いとなっていた訳で・・・。
 
白飯卓の重~い雰囲気を間近で拝見して、そのあまりのお気の毒さに
これ以上贅沢言っちゃいかん、と改めて自戒したのでした。
 

真剣に釣りをしながらも(浅川さん以外はw)
常に笑いの絶えない大漁企画Fの皆さん。

住む場所も、普段の釣りも本当に幅が広くて
伺う話は面白いものばかり。
 
白飯刑はやっぱり死ぬ程恐ろしいけれど、
来年の焼肉カップも参加させて頂けたらいいな。

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