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椿原 弘將

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夢 vol.1

熊本地方を中心に発生した地震により、被害に遭われた被災地の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

被災地におきましては1日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。





まだ僕が小学生になりたてだった頃、本屋に行くと必ず釣り雑誌コーナーに飛んでいき、其処に置いてある釣り雑誌を全部読み切るまでその場を動かなかったのをよく覚えている。

当時は八丈島や小笠原でのディープジギング最盛期だった。
誌面ではパパ大都留さんや茂木さん、北村さんを始めとするPEラインでのジギングの発端に携わった方々が20kgや30kgのカンパチやヒラマサを高々と掲げていた。
当時バスフィッシングに足を突っ込んだ程度、専ら瀬戸内の小波止でのフカセやちょい投げを嗜んでいた少年の目にはこの世のものではないかのように写った。いつかは僕も。

次第にディープジギングブームは一旦の落ち着きを見せたものの、紙面では玄界灘でのヒラマサキャスティングゲームが脚光を浴び始めていた。
中学生になったかならなかったか。そんな頃だったと思う。調べ物が好きだった僕は、ネットでとにかく調べた。メーカーのサイト、遊漁船のHPから個人のブログに渡って調べ尽くした。

オフショアでのビッグゲーム。
心の中では「いつかは、いつかは必ず」と思っていた。知識と妄想だけが膨らんでいく中で、高校生になってやっと小遣いをやり繰りしてジグを買い乗船代を払って、年に数回瀬戸内でのオフショアに出ることが出来た。
今思えば、高校生でそれだけの事をさせてもらえた自分は恵まれていたと思う。難易度の高い瀬戸内で経験を積んで、「いつかはもっと大きな舞台で」そう考えてジッと時を待った。



更に時は流れ、2年の浪人を経て(この間がキツかった!)大学に合格。バイトを始めた。
バイトを始めて自分で使えるお金ができたらまず玄界灘にチャレンジする。高校生の時からそう心に決めていた。思い続けて十数年、やっと機会が回ってきた。


バイト代をやり繰りしながら、広島の魔界FeeDでジグを買い足し、アシストフックを作る。


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ルアーのアクションは。魚を掛けた後は。どんなんが釣れるじゃろ。いきなり20kgとかきたらどうしよ。



そんな事を妄想しながら釣行日が来るのを待った。








そして時は4月17日


夜9時に広島の自宅を出発。
同行させていただく方の車に乗り込み、高速道を一路西へ向かう。


実は今回の釣行以外でも4月で計3回乗船予約を入れていた。しかし強風で倒れた釣行が2回。3回目の正直にしてようやく出船に漕ぎ着けたのだ。




道中、引っ切り無しに目に飛び込んでくるのは自衛隊の災害派遣の車両。車両の横に書いてある文字で全国各地から来られている事を知ることが出来る。本当に頭が上がらない。


車内ではMC works'のDVDを見てイメージトレーニング。当日の状況を想像しながら釣り談義で盛り上がっているとあっという間に港に到着。

無事に港に到着した後はそのまま車内で就寝。当然興奮でまともに寝付けるはずも無く、寝たか寝てないか定かでないまま、朝を迎え、タックルを組み、乗船。
同船者の方々に挨拶しながら、港に停泊している船に乗り込む。釣り人なら分かっていただけると思うが、一番ワクワクする瞬間だと思う。







今回お世話になったのは、福岡県は津屋崎港から出船されているオクトパスの横田船長。
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数年前に船を新しくされたとの事なんですが、如何せんデカい!綺麗!カッコいい!



中も凄い!d9w2vokx7sbgs9p5yfuj_920_615-68dece24.jpg



そして船に搭載されたARGシステムのお陰で波に圧倒的に強い!

玄界灘は瀬戸内とは波の波長が違いウネリが強い為、走行時こそ軽いジェットコースター気分が味わえるものの、止まった時の船の揺れは目に映る波の波高からは考えられない程小さい。キャストの際、キャスト方向の反対側の舷からキャスト方向へと体重を移動させる事になるのだが、船が安定しているのでその際にも安心してロッドを振り切る事ができる。
否応なしにテンションが上がる。







6時に港を出た船は2時間半程走って最初のポイントに到着。
前日に吹いた風がまだ残っていて、それが落ち着くまでは壱岐の島回りを撃つ事に。


が、どうも雰囲気が雰囲気がない。


なんせ右も左も分からないフィールドだ。
此処はどんなポイントなのか。底質は、何処までがカケ上がりで何処が瀬なのか。しつこいまでに質問したが、横田船長はその1つ1つに丁寧に答えてくれた。



「此処もね〜、今まで42kgと36kgが上がっているポイントなんですよ。ほら!今魚探に映った!1m34cmと1m28cmって表示されてるね!ボトムから3m上に!ね!いるでしょいるでしょ!」



いいい1m34cm?イマイチピンと来ない(笑)



最近の魚探は技術の進化により魚のサイズまで明確に表示される機能が付いている。そんな事は知っている!僕の足元から54m下の水中に化け物がいる。考えられない。




その後は何箇所かポイントを回ったものの、同船者の方がジグで釣った3キロクラスのみ。


此処で船長は決断を下し、風が落ちたタイミングで進路を北に取り、一気に七里ヶ曽根を目指した。


七里ヶ曽根とは、壱岐と対馬の間に突如として存在する広大な瀬を指す。寒流である日本海流と暖流である対馬海流がぶつかり合う日本屈指の好漁場。マグロ、ヒラマサ、ブリ、真鯛、根魚など釣れる魚種も多く、全国各地から多くの釣りキチたちが押し寄せる夢のフィールドである。



こうした「壱岐」「七里ヶ曽根」そして遠くに「対馬」と云った、釣り人が一度は夢見るフィールドを目の当たりにしていたのだ。すでに夢見心地。釣りが出来るだけで本当に幸せだった。




暫く走っていよいよ七里ヶ曽根に到着。


ポイントについて船速を落とすまでもなく、船長、そして僕を含めた釣り人の目の色が変わった。多くの鳥が低く舞っている。水中で餌となる小魚が大型の魚に水面下まで追いやられている証拠だ。






「うわっ!今出たヤツはデカぁね〜!!」

船長が叫んだ。
僕の目には見えなかったが、右舷側で単発のボイルがあったらしい。船は風任せ潮任せのドテラ流しでポイントへと流れていく。潮と風が一致する昼過ぎまでが勝負。緊張が走る。




ここで選んだルアーは流神ルアーのD-PEN

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山口県は岩国のルアービルダーの方が作られているルアーで浮き姿勢は斜め。リーリングのみで水中に容易に潜り、アクセントをつけてやることでS字の幅を調節出来る。通常のダイビングペンシルの操作では少し工夫が必要だけど、ラインスラックをうまく利用してやれば直線的なダイブから、Z字アクションまでこなしてくれる。

何よりこのルアーは僕が小遣いで初めて買った5000円以上のルアー。これで釣りたかった。



投げ始めて暫く。






バタン!!




僕の投げていたルアーの左で水面が爆発した。
隣の方のルアーにヒラマサがアタックしたのだ。






デカい!!









ブァシャ!!
バシャン!!







ルアーに対して怒りでも抱いているのか。ヒラマサは3度4度猛然とルアーにアタックした。イルカの様な尻尾が水面を叩く。明らかに20kgを超える魚体。


しかし、魚体を水面に出し荒れ狂うまでにルアーにアタックしたもののフッキングには至らなかった。




アレでも掛からないのか…。よく遊漁船のHPにバイト数とフッキング数が書かれている。今までバイト数に対するフッキング率が著しく低い様に感じられていたが、あんなもんなのか。


理由はルアーの浮力の強さに対して、魚の吸い込む力の強さが釣り合っていない事だと思う。



ジグに付ける様なアシストフックに似たシステムをプラグにつけている写真を目にする事がある。最初は疑問に思っていたが、あれなら魚の吸い込む力を上手く利用してフッキングに持ち込める率が上がるのかもしれない。今後の課題。







「ありゃ〜今のはデカかったね〜!ざんねーん!」




いやいやそんなケロッとされても!デカいなんてもんじゃないでしょう船長!(笑)


そう心で突っ込みながら、でももしかしたらあのクラスが次は自分のルアーにバイトしてくるかも知れない。そう思うとキャストの度にドキドキが止まらなかった。







あんなん掛かったら獲れるの?ドラグはちゃんと確認したよね?此処は水深深いし大丈夫よね?ってかいきなりあんなん出んの?夢あり過ぎじゃね?ここ。




そんな事を考えながらキャストを繰り返してきると、僕の操るプラグが水柱と共に消えた。




続く。








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