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椿原 弘將

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2023 春 オマーン釣行記 ①

2023年12月28日

今僕はハンガリーはブダペストからギリシャのアテネに向かうバスに乗っている。

果たしてそれはバスと言える代物ではなく9人乗りのバンと言った方が正解だが、このままベオグラードに向かいそこでアテネ行きの大型バスに乗り換えるらしい。


実に1600km 27時間の行程。1000人いたら1000人が飛行機を選ぶと思う。しかもこの年の瀬に。釣りのために。

 

''男の浪漫は女の不満''という名言(?)も彼女から頂戴した。そんな中であの春に記した日記を眺めながらこの記事を書いている。

 

 


 

「Koki 2023年 No Boundariesを予約出来る。1年間で最もベストなタイミング、お前は来るか」


2021年、今はブダペスト近郊でタトゥーショップを営む盟友のBenからの電話だった。

 

‘’No Boundaries’’

 

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あなたがもしGT狂であるなら、必ず一度はこの名前を聞いた事があるはずだ。

世界で有数の、世界一と言ってもいい巨大なGTの楽園、南オマーン クリアムリア諸島。そのNo.1ガイド。全世界から60kgオーバー、はたまた世界記録級のGTを求めて釣り人が集う夢の場所。

 

 

「30分待ってほしい」

 

決断は早いに限る。考えうる行けない理由を全て洗い出す。
 

学業との兼ね合いはなんとかなる。この日程は奇跡的にヨーロッパのイースターホリデーと被る。5年生のテストもこの前後には無い、病棟での実習もここにはない。

タックルも大丈夫。身体も2年間で出来る所まで鍛え上げられる、そもそもいつか訪れるであろうこの日の為にずっとトレーニングしてきた節もある。

あとは金銭….。2年間で相当な金額を貯めないと。毎月積み立てれば元の貯蓄を崩しつつギリギリいけるか。あーでもデポジット込みの前払い制か!今の貯金は。。。うーん、厳しい。あ、でもワンチャンこの方法なら。。。

 

 

「行くわ」




 

一生に一度クラスの旅になるかもしれない。この決断が僕の今後の釣り人生を左右するものになるかもしれない。高揚と焦りの中で、行く事を決断した。自分でも驚くほどの頭を回転させた。これを医学の履修に活かせないものか...。

 

 

「あと2人、連れてこれるぜ。誰か見つけてこいよ」

 

あ、そうなのね。2人か。ヨーロッパにはいないな。となると日本から…。

 


 

1人の顔がすぐ頭に浮かんだ。
 

村岡昌憲氏、我らがBlueBlueの会長。

 

 

 

返事は早かった。

 

「行きます。あと、ケンさん、 北海道の赤塚健一氏も行くことになりました。」

 




激しい旅になりそうだ...。

 



続く


 

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