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追憶~雪庇編~

  • ジャンル:日記/一般

 

さて久し振りに追憶します。


本来なら、前回お伝えした『タンカー編』をお送りしたかった所ですが、つい最近起きたばかりのネタがありますので、そちらからお届けしようと思います。


2011年4月17日。


私は岐阜県は白鳥町に在る、石徹白地区へと足を運んでおりました(4月21日ログ参照)。


そう、この追憶シリーズではもはやお馴染みの渓流。

熊に遭遇したり、滑落したりと何かと私を楽しませてくれる(?)川です。


この日の朝の気温は-3℃。
水温はたったの2℃という、いわゆる“極寒”でした。


かなり厳しい状況からのスタート。

いつもなら数投で出てくれる一級ポイントでも、魚達からの反応はまったくない状況でありました。



吐く息は白く、残雪が体を冷やし、寒風が手の自由を奪う。

遂には思考回路までもが冒され始める始末。


「このままやってもラチがあかないな・・・」


竿を出してから数十分。
既に私の頭の中には「温泉」の二文字が浮かんでおりました。



「こうなったら一気に勝負をつけよう!」



『渓流で兎にも角にも魚を釣りたければ、堰堤下や滝壷を撃つべし!』


です。


なぜなら堰堤下や滝壷は水深がある為、周年を通じて水温も比較的安定しており、落水によって出来る白泡の下は、酸素も豊富で魚が身を隠すのにも打って付け。
何より落ちて来るエサを待っている渓流魚達にとっての「壷」は、まさにオアシスという訳なのです。


よってそれは釣人にとっても「ツボ」であるという事。



TOMMYは他のポイントには一切脇目もふらず、一心不乱に滝壷を目指しました。




いくつもの岩を超え、残雪の上を記憶と勘を頼りにひたすら小走りで川を遡上。




そして額に汗が滲む頃、目の前に霧水を吹きながら現れる滝壷・・・
いつ来ても、何度来ても、激しく鼓動が脈打つ瞬間。





静かに竿を構え、この時期に絶大な信頼を置く3gのスピナーをツボの壷へ・・・


しかしこの日は雪代水の影響からか、ここでも全くの無反応。

 
しばし粘るも、活性は上がらず。


「ダメだなこりゃ」


ここで完全に温泉モードに切り替わったTOMMYは、諦めて来た道を戻る事にしました。





次第に渓にも陽が差し、気温も上昇。



木々の間から覗く空は青く、空気もうまい。


これで釣れていれば言う事なしっ・・・
 



!!





迂闊だった。


歩きながら一瞬、空を見上げたその一瞬が、TOMMYの左足を雪庇(せっぴ)へと誘(いざな)ったのである。



ズッポリと足の付け根までハマったTOMMY。




「だっさ~(笑)」


と思わず口に出たその言葉と共に、左手を付いてよっこらと体を持ち上げた次の瞬間!



ズサァァ!!ドボ~ン!!!



「はうぅ!!」



何と付いた左手部分から辺りの雪庇が崩れ、そのまま頭から川に落ちてしまったのです!!



「はぁふ!はぁぁぁふ!!」


更に追い打ちをかける様に斜面の雪が崩れ、TOMMY目掛けて落ちてくる!



ドッサ~!!



もうてんやわんや。

一瞬にしてウェーダーの中に冷水が浸水し、もはや声にもならない程の嗚咽を漏らしながらダバダバともがき、何とか岩にしがみ付いて岸にズリ上がった。





全身ズックズクに重くなった体を携え、寒さと雪庇の恐怖に震えながらいつもの倍の時間を掛けて山を下ったTOMMY・・・。


無論、川から数メートル離れて歩いたのは言うまでもない・・・。

 
 
 
 
 
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次回こそはタンカー編をお送りします。


◎BGM『A Fistful Of Dollars 』by Ennio Morricone 


 
 

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