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猛鱸

  • ジャンル:釣行記


6月15日AM1:00。


シンと静まり帰った闇の中、TOMMYの操る“Ja-do ERDA86”に強烈な魚信が伝わった。


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(TOMMYカラー プロト)


10m程先にある流れの先にルアーをキャストし、トゥイッチを二回入れた直後の事だった。



『ドバババババ!!!!』


腕ごと持っていかれ、竿が弧を描く。

いや、正確には描かれていなかったのかもしれない。

ドスッと止まった後に猛烈に引っ張られる事で、ロッドを起こす事すらままならない。


常日頃TOMMYが相手をしているこの大河川のシーバス達は、それ程力強く、そして信じられない様な体力をも持ち合わせている。


頭が小さく体高があり、まるでスプリンターの如き姿形。

そんな魚と人との一騎打ち。

あの土俵で闘った者にしかわからない、そんな魅力ある“シーバス”をTOMMYはこう名付ける。



『猛鱸 (もうろ)』と。




この時のファイトを隣で固唾を呑んで見守っていたのは、「トモ」君と言う青年。

以前、TOMMYが書いたログ

http://www.fimosw.com/u/tommy/dnck1t12hv688g


を見て「是非ご一緒させて下さい!」と熱いメッセージを送って来てくれた。

会うのも話をするのもこの時が初めて。
そんな情熱を持った青年を連れた、今年初めて入ったポイントでの出来事だった。







6月15日AM0:30。


「あまり生命感がないですね・・・」

時より、“ピチャッ”と寝呆けたベイトが音を発しはするものの、静まった河川を目の前にトモ君がこう呟いた。


「こんな時程、突然出るんだよ」


TOMMYは彼を鼓舞させる為の、確証のない言葉でそう返した。



無理もない。

開始から一時間。
そこにいるのかどうかすらわからない初めて訪れた場所。
それも闇の中、黙々とキャストを続けていれば、集中力も自ずと散漫になって来るというもの。



気分を転換させようと、彼と場所を交代した一投目。

冒頭のそれは、何の前触れもなく訪れた。



「おおおっ!!デカイっすか!?」

「いっや、そうでもないと思うよ」


完全にサイズを見誤っていた。


静かな川面を一変させる怒涛のエラ洗いを二回。


(んんっ?あの頭の出かた・・・デカイんじゃねーのか?)


“魚が計算していた”
なんてバカな話があるとは思えないが、たしかに最初の引きでは60センチクラスだろうと高を括っていた。


魚が入れ替わったのかと思う程の強烈な引きに、TOMMYはドラグを締めて応戦。

ある程度の時間を掛け、魚を弱らせて獲るつもり・・・だった。


ロッドに伝わる生命感が弱まった所で、足元近くまで寄せる。


(さて、サイズはどんなもんだ?)


と、ラインの先に目を向けた瞬間、流れに逆らう様に魚がまた突如として走り出した。


ジジーーーーッ!!


甲高いドラグ音を一度鳴らしたと同時に竿が軽くなる。



完敗。


「くっそ!やられた~!」


ERDAのリアフック三本の内、二本が見事に伸ばされてしまっていた・・・。



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やられっぱなしでは寝つきも悪い。

それから三日後の6月18日未明。


TOMMYは一人、前回やられたポイントに立っていた。


同じ場所、同じ流れを、新品のフックに取り替えた同じルアーで攻める。


そして再びその時が訪れた。




キャスト直後、ロッドを持つ左手に蚊が止まった。
暑いからとグローブを外して来たのが仇となったのだ。

既にルアーは流れの中。

我慢しようとしたが、たまらず右手でパチン!



「ゴゴン!」

一瞬揺れたロッドに強烈な魚信・・・。


親指の付け根で潰れた蚊に、当たり散らしたのみでこの日は終了・・・。


リベンジの炎は日を追う事にでかくなって行く。




6月26日。

前夜から夕方まで、久し振りにまとまった雨が降ったここ東海地方。

運良くこの日は“名港プリンス”事、「NAOU」君と数日前より釣行予定を組んでいた。


溜まった借りを返すには絶好のチャンスだ。



PM11:00。


激流と化していたホーム河川“木曽川”。

滅多に見る事の出来ない、腰の引けた名港プリンスを引き連れ、激流の中のポイントに立つ。


武者震いが沸き起こる程の激流。


(こいつは出るぜ・・・)




流れを見定め、最高の場所に立った一投目。


“Ja-do YoreYore”を流れに乗せ、得意の“ロッドリトリーブ”に会心のアタリが乗った。


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(ほんのりカラー)




「よっしゃぁ!来たぜぃ!」


とてつもない引きを魅せる猛鱸との壮絶なファイト!


土俵は激流。


ぶち折られそうなロッドに、今にもギアを破壊されそうなリール。


やがてロッドを持つ左腕には乳酸が溜まり、プルプルとした震えがやって来る。


「ぐぉぉぉぉ・・・止まらねぇ」


何度、エラ洗いを喰らったか。




「デカイじゃないっすか!!!!」


後ろで見ていたNAOU君も顔を紅潮させていた。


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肩で息をするTOMMYの前に、ノックアウトされ上がって来たのは77cm。



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『これが“激流シーバス”だぜ!』





その後、75cmをもう一本追加。

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今回はどちらの勝負もTOMMYに軍配が上がった。



それでも次獲れる保証はどこにもない。


激流に立ち、あの中を悠々と泳ぐ魚達と渡り合った者にしかわからない事。





フックの伸ばされたルアーを見て、改めてこう思う。




ランカー?
無理だろ(笑)。

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