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悠久大河の黒い月 Ⅲ

 ボートは川を遡っていく。

そして目指す支流、ケラム川へ。

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予想した通りに川幅は広くなく、流れには本流のような重厚さはない。

水深もそんなに深くない。

濁りはそのままだが。

だが、これなら随分と魚が探しやすいだろう。

ボートは進む。


ac6vf6c7ihhuo487tpyu_480_480-394c9154.jpg 途中、カヤックに乗ったおばさんがスイカを売りに来た
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色から想像できるように、全然甘くない 笑











支流に入って40分ほど経っただろうか。

岸辺に開けた景色が見えた。

いくつかの小さな集落は見てきたが、ようやく村と呼べる規模だ。

ボートはエンジンを緩めながら近づいていく。

案の定、エンジン音に気付いた村人で岸はごった返していた。
(小さい村はみんなそう。何故かというと、暇だから 笑)

たくさんの人に囲まれながら集会所のような所まで歩いていくと、クレトスが一人の男と何か話し始めた。

そして「こいつの所に泊まれ」と言った。

その人はマルケスという名前らしい。

早速ムーンフィッシュについて聞いてみると、そりゃあたくさん居るぜ!との返答。

3b59tswhz5jbdwdav8h2_480_480-2590975a.jpg (ムーンフィッシュがモチーフらしい)


それじゃあ早速行きたい、と僕が言うと、
翌日からはカヌーを出してやるから今日は歩いて最寄りのラグーンに行こう、ということになった。



なので、クレトスと別れた後にさっそく家にバッグを置いて必要なものだけ抜き出す。

さあ、出発だ。

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が、着いて待っていたのは、やはりというか何というか、予想していた光景だった。



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減水した小さめなラグーンには大量に網が入り、漁師の家らしきものがポツポツあってカヌーも出ている。

...魚、取り尽くされてないよね?




ま、せっかくなので投げながら歩き回ってみる。

だが、後ろにできた30人ほどの行列(ギャラリーというか暇な人たち)がドラクエ状態で、リトリーブ中にすぐ後ろまで来るので投げるときにいちいち避けないといけない(笑

イライラしながらも気になるところは全て打ったが反応はなく、夕暮れだったので村へ帰る。






勝負は明日からだ。





そう信じ、この日は終了。




翌日は日の出とともに起きてカヌーに乗り込み、下流方面へ流していく。

メンバーはマルケスと若者1名(この後もこのチームで行動)。

ちなみにこのカヌー、かなり細いために安定感は皆無である。
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これに立ってキャスティングし続け、そしてパドルを漕ぐのは結構難しかった。





延々と岸際を打ちながら流していくが、反応はない。

というか、そもそも大きな魚が居る気配がないのだ。

途中で出会う漁師に獲れた魚を見せてもらっても、ラグーン同様に張り巡らされている網を覗いてみても。

決まって30センチちょっとの魚しかいない。

アンゴラムのマーケットもそうだった。

まさか、ここの魚のほとんどは網の目をすり抜けられないサイズになったら全て獲られてしまうのではないか?

そしてもう一つ。

最大の不安要因は、この旅において生きてor死んでいるを問わず、僕が一度たりともムーンフィッシュを見ていないことだった。

見ることさえできれば、あるいは何かのヒントが得られるかもしれないのに...


ある程度下って今度は戻りながら反対の岸を打っていったが、これも不発。

村へ戻る。


するとどうやらセイゴを作っているようだった。

外は灼熱なので、日陰から製造工程を見学。

山賊ナイフみたいなのでヤシの木の中身を削り取り、

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こんな器具に入れて水を流し込み、

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濾した水をカヌーへ。

そして下に粉が沈殿するのだが、これがセイゴ(サクサック)と呼ばれるもの。

これに熱湯を入れてかき混ぜて....


<a href="http://www.youtube.com/watch?v=u9f-ymhpkl8">


こんな感じに完成。



ちなみに無味のわらび餅の巨大版を食べている感じ(笑)

美味しいわけでもないんだけど、美味しい?って聞かれちゃうと反射的に美味しいと言ってしまったので、これが大量に出てくる。

しかもメチャクチャお腹にたまるのでかなり大変なのだが、中身はだいたい水なので、後からお腹が空いてしまうという厄介なやつ(笑


夕方は岸からやってみたが、不発。

というかまたもやドラクエ状態で全然できなかったので、翌日から夕方は封印(笑

(僕は釣っているだけでいいのだが、パドリング役の二人は疲れてお休み中)


翌日は上流へ行ってみた。

上流はより鬱蒼としたカバーに覆われていて、いかにも、という雰囲気があった。



案の定、4時間ほど進んだところでナニかが針にかかった。

着水からの巻きはじめだったのでよく分からなかったが、体高のある魚ということだけは分かった。

着水音で寄ってきたボロカタか、テラピアか、それとも?

だが後が続かない。

あまりにも遠くまで来たので、途中の村で休憩して折り返すことにする。

南国の重要な水分源、ココナッツ。

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これを山賊ナイフみたいなやつでたたき切りながら穴をあけて飲む。

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飲み終わったら中の身を食べる。

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ホント偉いよ、ココナッツ。


灼熱の中を打ちながら戻っていくと、途中で大量のカゲロウのハッチに遭遇。

そして水面いっぱいに浮かんでいるカゲロウにライズの嵐。

写真がないのが残念だが、とにかく凄かった。

何で写真がないかって?

そりゃ、投げまくってたから(笑

一度何かがルアーに触れたが、おそらくライズで上がってきた魚のスレだろう。

結局魚は獲ることができずに村へ戻る。

するとマルケスが、携帯の電池が切れているから充電する、と言った。
(みんな結構持ってます、ケータイ。)

でも、ここ電気通ってないよ?

その答えはこれ

5ky2r3ppowjimfnb4nud_480_480-5dcabe00.jpgこの筒、単一の電池を繋いだもの。

よくこんなんで使うわ(笑


その後、マルケス(と、その他大勢のギャラリー 笑)がハウスタンバリンに連れて行ってくれる。

ここは昔から神聖な場所で、伝統品が多く置いてある。

この村に来る外国人はほとんどこれがメインなのだろう。

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気づいた人、居ます?

右に注目。

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ノコギリエイ、書いてあるジャン(笑

相当な昔から居たってことだ。




もしかしたらミラクルもあるんじゃね?と思いながら、翌日を迎える。

が、この日はカスリすらせず。

途中、漁師の網にターポンがかかっているのを見たくらいかな。

xu2t9mgtrfrvp2ute26s_480_480-649b4cbd.jpgただし、今回で最初で最後の目撃。

マルケスは言う。

乾季は水が濁ってしまってダメなんだ。

雨季に雨が降ってブラックウォーターになれば釣れるよ。






...いや、早く言ってよソレ(汗

つまりは、もっと上流に行かなきゃ駄目だったか。

でも、ガソリン代、無かったしなぁ。





次の日は最終日だった。

もう何をやってもダメな気がしたし、体も限界だった。

なら、最後くらい、爽快にやろう。

ペンシルをつけて、初日のラグーンへカヌーで入る。


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別れを惜しむようにキャストを繰り返す。



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情報ゼロの地にて、正体の分からない魚を追い求めるということ。

最高に難しくて辛かったけど、最高に面白かったぜ。





セピック川よ、またいつか。


今度は雨季に来るよ。

そう告げて竿を畳んだ。


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アンゴラムを経由してウェワクヘ戻り、川端さんのホテルへ戻る。

まずは川端さんに生存報告をしつつ、セピックの釣りの話で、ムーンフィッシュって呼ばれてる魚を追いかけて全然ダメでしたよ~なんて話していると、今回の旅の答えがゾクゾクと出てきた。

あぁ、そう言えば15年ほど前にもお前さんと同じくセピックに釣りに行った奴が居たな。無駄だっちゅうのにかなり上流から河口まで船で釣り下ったんよ。

...それ、残間さんですね....

なんて言うたか、そう、そのムーンフィッシュちゅう魚を釣りたいらしくてな、でもそれってアンゴラムより下流の汽水域に生息しとんねん。そんでそこに行ってなんとか釣ったんよ。
ちなみにセピック川ちゅうのはインドのなんとか川とならんで世界の川の中でも特に魚が居ない川なんよ。だって、テラピアとボロカタが居なければほとんど何も居らへんやろ?



...確かに。てか、なんで川端さんの方が現地民より詳しいねん(笑

アッサリと判明した真相にガックリしている僕に川端さんは「海ならたくさん魚が居るから行ってきなさい」と言って、手紙に書いてあった、奥さんの一族が住むムシュー島へ行く手配をしてくれた。


翌日。

もう完全に慣れたが、パプア人の全く急がない準備によって(笑)ボートは午後に出発した。

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だが、途中でタクシーみたいなことをやり始めたので到着は夕暮れ時。

釣りする時間が翌日の午前中だけになった(泣



その夜は予定通りジョアキン家に泊めさせていただく。

どうやらここで釣りをしたのは10年前にやってきた日本人だけだそうで、その時はGTやら巨大バラクーダやら凄かったらしい。

ま、パプア人の話は話半分、いや1/10程度に聞かなければならないということはよく分かっているので(笑)、自分には関係ないや、と思った。





翌日。

ベタ凪の海にポッパーを投げ込んでいく。



GTのアクションなんて分からないから、超ファストから軽めのポッピングまで色々と試す。

すると控えめなスプラッシュ+高速巻きでポッパーの後ろが


ドカーン!
と割れた!

フッキングはしなかったが、確実にナニかが居る。

再び同じパターンで攻める。

すると今度は
ドン!

というロッドへの衝撃とともに2メートルほどの魚がルアーと一緒に4メートルほど飛び上がった!
(自分でもワケが分からなかったが、後で調べたらスパニッシュマッカレルっぽい)

だが、着水と同時に一気に海中へと潜られてフックオフ。

100ポンドリーダーが素手で簡単に切れるほどに削られていた....


リーダーを震える手で結び変えてキャスト再開。

潮の色と流れ的に、恐らくリーフが突き出した水中岬みたいなところ。

ここはイケると思いつつ、掛けたらリーフのエッジに走られないようにと神経を張りつめてポッピングする。

そしてもう一発、水柱が上がる。

正体は...



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人生初のGTでした(汗


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ちなみにその後、3投もしないうちに一本追加。




日が昇って反応が薄れてからはイカ狙い。

というか、ルアーの後ろに着いてきたのでエギ入れたら一発。

あのー、リーダー50ポンドでもいいんですね。。。

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4,5杯獲ったところで移動。

今度は急深なサーフの沖で、波が高くなってきたので強めに動かしていくとまたもや2メートル級のスパニッシュマッカレルがヒット!

今度は魚が空中に居ないので思いっきり合わせる(笑

だが、怒濤のファーストランでフックオフ。

茫然としながら回収すると、フックは針先がカクっと曲がっていただけでした。。。


お昼になったので、このヒットで釣りは終わり。


川と違って海は豊穣でしたとさ(笑



悔しいなあ、チクショーッ!w


次こそは、川も海も、存分にやりきることにしよう。

その日まで、さようなら。


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ちなみに....

シモンドからアンゴラムに戻った時に、クレトスに

「なんでムーンフィッシュと呼ばれているんだ?」

と聞いた。

果たして、その体型か、黒いスポットか。

だが、帰ってきたのは意外な答えだった。

「満月が昇るときによく獲れるからさ」


あー、そっちでしたか。

ということは俺の予想、全く当たってないじゃん(笑

でも、そこに居るということは分かった。


雨季から乾季への変わり目、そして満月。


まだまだ物語は終わらない。




というわけで、次回はガソリンを割り勘してくれる人を募集します(笑

誘われてる方、わかりますよね?

アナタですよ??(笑





ということで。




悠久大河の黒い月
                      to be continued...


いつの日か、必ず。






















おまけ

帰国の飛行機に乗るときのお話。

空港で帰国するジャイカの方々にお会いしたんですが、そのうちの一人の方が僕と地元が一緒で、さらに僕が生まれた病院で働いていたという信じられない偶然がありました。

しかし、それだけでは終わりません(悪い意味で 笑

実は9月14日に帰る予定だったんですが、空港で7時間待たされた挙句に飛ばないという最悪の事態。

原因は故障で、実は先週から直ってないらしい(週一便しかないのに!

ついでに、航空会社はケアンズからのトランジットで飛ばすというが、それで行くと台風に直撃するのでケアンズで一泊になる....

さらにさらに、振替のチケットも出さず、翌日の通常フライトの便に全員を乗せようとしていることが判明。

...オーバーブッキングするじゃん、絶対。

その場に居た旅行会社の人たちがキレたら、今度は「もう飛行機は直った!」と言い出す始末(笑

そして翌朝にダイレクトフライトを飛ばすと言い張るので、期待しないでまた翌朝に空港に来ることに。

そして翌朝来てみると、30分ボーディングは遅れたものの、一応搭乗が開始された。

おぉ、パプア人、一晩で直すなんて、やるときはやるんだな。

そう思いながら飛行機へ向かうと....


別の飛行機が用意されてた(爆


いや、やっぱ流石だわ、パプア人。

その後はなんとか無事に帰宅できましたとさ。

ちゃんちゃん。



















ち・な・み・に
次回は来年の春。

行先は



アマゾン!






 


以上、終わり!

釣れなかったもんですから相当雑でしたが、勘弁してください(笑





 

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