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微笑みの国の雷神 ~其の肆~

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カオレム2日目



この日は何故かペラルアーへの反応が薄かった。

焦ってマシンガンキャストで巻きまくるが、バイトは1発のみ。

おまけに途中でペラが金属疲労で折れてしまった....

ペラルアーは1つしか持っていなかったので、ミノーにチェンジ。

が、これが吉と出た。

日が昇って暑くなりはじめたお昼前、ついにシャドーがヒット。



ようやく会えた!!

小さいけど、とても綺麗な魚。

するとレーンさんが言った。

「こいつらは朝と夕方は浅場にいて、日が昇ると深場に移る。」

そうかなるほど、だから沖に投げたルアーに喰ってきたのか。

それならシャローのストラクチャーを攻めるペラルアーが朝夕に強いのも納得できる。


その後は1本掛けただけだったが、貴重な情報を得ることができた。

その後、昼飯&休憩で村へ。



食後は夕方まで休憩。

その間に村の中を歩き回ってみる。

そして出会った光景。



昔のタイの屋台では、食べ物をバナナの葉などに包んで売っていたという。

だから包装は地面に捨てても問題なかった。

だが、時代は変わって包装はプラスチックへと変わった。

今までと違い、それが土に還ることはない。

しかしそんな認識すら彼らにはない。

ゴミをゴミ箱に入れるという概念が存在しないし、そもそもゴミ回収業者が来ることがない。

それはきっとずっと前からの事で、土を掘り返せば山ほどのゴミが出てきた。

また、前章でも書いたが、この村は水道が通っていないので、風呂や洗濯をカオレム湖で行う。



当然、石鹸や洗剤は垂れ流し。

だけど彼らを責めることはお門違いだろう。

彼らには「それ」に対する善悪の価値観がない。

じゃあ誰が悪いのか。

利便性だけを追い求めてその影響を考えなかった科学者や企業、とこじつけることはできるかもしれない。

でも、それは違うだろう。

誰もが幸せを願い、努力した結果なのだから。

それよりも、今からどう変えていくかを考えることが重要だと思う。

でも、その一方で思うことがある。

果たして、この村は新しい価値観を受け入れても今の幸せを保っていけるのだろうか。 



ここには日本やバンコクのように物はなかったけど、どちらにも無かったモノがあった。

ありふれた言葉で言うならば、素朴な幸せとか、それに近いモノ。

時の流れの中で変わらないものなんてない、それは分かっている。

だけど、この幸せが変わってしまうのは、なんだか違う気がした。









午後。

壊れてしまったペラを分解して外し、バジェットのペラと交換して新しいペラを作った。

水上家屋の足元で泳がせてみるとなかなかいい感じ。

ついでにルアーの下にカスープが見えたので、たまたまボックスの上にあったダイビングミノーで誘ってみると、なんと横からシャドーがチェイス!

フッキングには至らなかったけれど、ようやく持って行くべきルアーが分かってきた。

と、そんなことをやっている間にレーンさんがやってきて出撃。


夕マズメの立木エリアをペラルアーで流していく。




しばらく流していると、ボートのすぐ傍まできたルアーにボフッという強烈なバイト音。

足元でグネグネと暴れ、ついに上がってきた。






キロアップ!

がっちりレーンさんと握手する。

こうして2日目は終了。










翌朝。

飲み物が無くなったので買いに行きたいというと、村の人がバイクを貸してくれた。



ちなみに村では食事の度に水を出してもらっていたのだが、前述のように村は水道が通っていない。

で、何の水かはわからないけど、水瓶に入った水をすくい出してコップに入れてくれる。

たぶん、タイでは日本人ご法度の生水だと思う(笑

そんなわけで水を買いに行った。

しかしバイクの運転など初めての僕。

しかも道は未舗装でガタガタの山道。

何度も何度も転びそうになりながら走った(汗

そのストレスで舗装路になった途端にアクセル全開にした(笑

ちなみにメーターが壊れているのでスピードは分からず、ヘルメットは無かったのでノーヘルでした......



買い出しから帰ってくると出発の用意ができていたので、さっそく出発。

この日はペラでシャローを巻きながら、ディープ&呼吸打ちでダイビングミノーを投入する作戦。

まずは岬で沖に投げたミノーにヒット。




現地名、プラー・カスープ。

魚食性のコイ。

至る所にいた。


続いて、呼吸打ちでヒットしたシャドー。





この日はこれで終わり。

午後はバイトのみで終了だった。


あぁ、そういえば水上家屋でエサ釣りをしたんだった。






綺麗な魚がたくさん釣れた。





4日目。


この日は今まで行ったことのないエリアへと入った。

本湖と分湖を繋ぐ水道のようなエリア。

ここが凄かった。



まずはペラで小さいのをゲット。

続いて小さな入り江の立木にダイビングミノーを打つと、ドンッと凄まじいバイト。

しかし一瞬で立木に巻かれてラインブレイク.....



今度はミノーをワンテンに変えてみる。

するとフラッシングの効果か、光モノ大好きカスープが喰ってきた。



続いておそらく今回最大のシャドーがヒット。






その後もヒットが3発ほど。

ワンテンがバッチリなようでガシガシ喰ってくる。

が、この魚、乗らないしバレる....

結局この一本で終わり。

あ、そういえばコブラも見た。



船に寄ってきたので面白がって写真を撮ろうと思ったのだけど、レーンさんが本気で怖がってオールで追い払ってた(笑



そしてこの後、湖上で偶然naoくんと会った。

お互いの情報を交換しつつ、ルアーを貸したりする。


そんなこんなで午前中は終了。

村に戻ってお昼ごはん。



食べた後は家の下のハンモックでゆったりと。






午後の部、出船。

今度は立木エリアをワンテンで流してみる。




すると、ロングレンジならば青物並みのスピードでぶっ飛んできて捕食するシャドーも、ショートレンジだと追いきれない(追いきらない?)っぽい。

なのでちょっと開けた場所が出てくればゴンと。



これにて終了。



夕食の後はこの日の夜も他の日の夜と同じく、村の人と紙とペンを使って会話をした。

そして、伝えなければならないことを伝えた。

「明日、村を出て帰ります。ありがとうございました」

するとプロイさん(お世話になった女の人)が、

「次はいつ来るの?来年?」

と聞いてきた。

本当にうれしかった。



「またいつか来ます。今度は友達を連れて」

そう答えた。









翌日、最終日。



この日はレーンさんが疲れているそうなので、息子らしきぺスさんが操船してくれることに。

まずは前日好調だった水道エリアに行ってもらう。

ここはストラクチャーが少ないので、ミノーで引き倒す。

すると、とあるワンドの奥で一際デカそうな魚が追ってきたのが見えた。

すぐさまぺスさんにボートポジションを離してもらう。

(ちなみにレーンさんは経験豊富な為かドンドン行ってしまうので、こういうことができなかった。)

一呼吸置いてからキャスト。

高速リトリーブにジャークを加えて巻いてくると、ソイツは船縁まで追ってきてバイトしてきた。

ヤイ!(大きい!)

ぺスさんが叫ぶ。

頭の太さが2Lペットボトル程もあるビッグフィッシュ。

だがソイツは最初の走りでフックを伸ばしてすぐに去って行った.....





これ以外は特に反応がなく、帰り際に他の岸際を打っていく。

するとペラで一匹。


これがぺスさん。


そして進んでいくと何やらシャドーが多く呼吸しているエリアを発見。

ボートを止めてもらい、あちらこちらで起きる呼吸を打ちまくる。

その最中、杭の横で呼吸した奴が居たので、そこにピンポイントでトップを打ち込む。

すると水面を揺らしながら1メートルほど付いてきてヒット!

喰った瞬間からとんでもない高さまで飛び上がるスリリングなファイト。

が、フックが伸びてバラシ...



呼吸打ちはらちが明かないので、再び岸際を流す。



しばらく流していると岸際でドパーン!という激しい音のライズ。

すかさずミノーを打ち込むといきなりヒット!

カスープ、ヤイ!



余裕の2キロ越え。

地味に嬉しかったり(笑


その後は岸打ちでシャドーを一本かけたが、大したサイズでもないので遊んでいたらバラシ。



もう、いいだろう。

ぺスさんに終わりを告げ、竿を畳んだ。

















村に帰ると、何やら子供たちが駆け寄ってきた。



なんとプレゼントだった。

中を開けてみると、貝殻でできた花のオブジェクト。

そして袋の外側には

「Its nice to meet you」

と書かれていた。

この旅で釣ったどんな魚よりも嬉しかった。

ありがとう。






お昼をご馳走になった後、荷物をまとめる。





1年後か、5年後か、10年後か。

いつかはわからないけど、きっといつか。



また、ここに来ます。





ありがとうございました。










別れを告げ、大きなバックパックを背負い、帰りの山道を登った。



























































―epilogue―

日本縦断の後、ずっと考えていたこと。

「旅とは鏡である」 

人は自分自身を直接見ることはできない。

見るためには「鏡」が必要だ。


旅とは非日常の連続である。

だからこそ、鮮明に自分自身を映し出すのだと思う。

それは現実とかけ離れた物語の小説が、かけ離れているが故に本質を表しているのと同じように。

異国の町と、異国の空気と、異国の人。

今回の旅で出会ったモノは、自分の限界と可能性を等身大で見せてくれた。



「旅は人を変えない」

今までは旅で何かが変わると思っていた。

全てが変わることを願った日本縦断は、何も変えてはくれなかった。

でも、今は違う。

いつだって鏡に映る自分を変えていくのは自分自身だ。

それが分かってようやく一つの舞台を終えられた。






さあ、新しい旅の続きを始めよう。

次なる相手は、オセアニアの闘神、

「怪力無双」 パプアンバス。

今日からまた、頑張ります。







タイのみなさん、ありがとうございました。























おまけ



タイで売っている、内容成分的に日本じゃ売る許可が下りないレッドブル原液。

それを日本に運び、一儲けしようとしている奴らが居ましたw




が、バックパックに入れて預けたら、他の荷物に押しつぶされてビンが割れ、バッグ中がレッドブルでビチョビチョだったそうですwww

naoくん、ご愁傷様です。




おしまい。





 

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