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ショータ・ジェンキンスです。 ようやくfimoの触り方を理解してきました。 皆様よろしくお願い致します。

レイクトラウト釣行 Vol.2 ホワイトベリー

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「食った!食った!」

「絶対そうでしょ!?」

「引かないな。いや引いてるな。いや、全然引かないな!」

「バレんなバレんな!!」

「落ち着いて?落ち着いて?」

「ブラウンではない、うんブラウンではない」

「これキューマル(Glissando90)やぞ??」

「落ち着いて!落ち着い.. デケェ!デケェ!!」

「うーわっ、うーわっ」

こんなやりとりをすること2分ぐらいだったと思う。
漫画釣りキチ三平で、イトウがぬらーっと上がってくるシーンを彷彿とさせる、クネックネッと真っ白いお腹を見せながらゆっくりと姿を表したレイクトラウト。無理に寄せず、少し後ずさりしながら魚を岸に寄せ、ヤスオの手が魚に伸びるのを息を止めて見守る。

 


 

平日ということでそんなに人も多くなかった4月14日。少しのんびりと5時前にスタートしたこの日のメンバーは関口マンディ(ヤスオね)とブラストさんと自分の3人。普段からお世話になっているWILD-1さんの釣好き店員コンビとの釣行。これだけ釣れない話しをしているのに、釣れる気しかしないと言いながら、閉店後に栃木へと車を走らせてきたクレイジーな仲間たち。

最初に入ったポイントは、ブレイクまで狭いシャローが広がるエリア。雰囲気も良く、両サイドに他の釣り人も続々と登場したので、「ポイント選びはマズマズか?」なんて話していたが反応はゼロ。しかもウェーダーの上からでも足の指先が凍る様な朝の冷え込みに、早めに切り上げて暖を取りながら次のポイントをどうするか話し合った。

 

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他のトラウトに比べて低水温を好み、ディープやブレイクの肩に付いているというその性格や、狭い範囲の回遊を繰り返しているらしいという情報で基本に立ち返り、何度かブラウンを釣ったことのあるエリアへ。ブレイクが近く、沖は水深20mはあるだろうという場所。ここまでレイクは顔を見せていなかったが、ひょっとすると伸びがあるナイロンラインでは取れていなかったバイトがあるのではないか?新調したPEタックルを携えて、気分を一新して釣り始めた。

1時間程経った頃だろうか?時々岸際でライズする魚や、ウグイと思われる魚が岩に隠れるのを観察しながら、釣れないねと話していた。太陽が登り、少し気温も上がってので眠気も出てきた時だった。ロッドから突然、心臓を止めるかの様な生命感が伝わってきた。スウィープ気味にロッドを立てて”聞いてみる”。遠くて動きは遅いが、魚のぐんぐんとした動きを感じた。

「来た!食った!」

ブラウンやレインボーとは明らかに違う重量感。今までに釣ってきた1m近いパイクやザンダーを思い出させる、大型のサイズ特有のスローファイトだが、釣ったことがないだけにレイクだ!とは言えない(笑)口に出すと逃げてしまいそうで、勝手に期待して逃げられた時は辛いから、玉砕覚悟の恋愛は苦手なのだ。例えるとすればそんな感覚。

人に落ち着いてと連呼しながら、耳まで赤くなったヤスオの握るグリップがWhite Belly(白いお腹)の顎を掴んだ。反射的にネットを使わずにグリップでのランディング、2人とも余裕がなかったんだと思う。グリップを渡された瞬間、ようやく音が戻ってきた。っしゃぁ!と叫び、順番に自分の鼓動の速さと、少し膝が震えていることに気づいた。お決まりのハイタッチ。

 

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「釣るべくして釣ったよ。」

携帯カメラ越しにブラストさんがそう言うと、ヤスオが頷いた。
見慣れたキモい顔に泣きそうになった。

 

つづく

 
 

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