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ショータ・ジェンキンスです。 ようやくfimoの触り方を理解してきました。 皆様よろしくお願い致します。

もう一匹の自己記録

中禅寺湖解禁から約10日間、栃木から出ずに宇都宮〜日光を往復しながら、空いてる時間に仕事をするというレイクトラウト強化週間もひと段落。千葉に帰ってきました。SNS等でご報告した通り、数少ない当Blogの読者様はご存知かもしれませんが、レイク3年生となった今季、自己記録となるレイクをキャッチすることが出来ました。

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しかし、実はその二日前にもうひとつの自己記録を更新しているんです…。
さすがに日程がハードで、Blogなどにアップするタイミングを失っていた矢先のあの出来事だったのですが、一応順を追って書かせてもらいたいと思います。出し惜しみすんなよ!と言わずに、こっちも僕にとって忘れられない魚になったのでお付き合いください(笑)

 


 

この日の気温は確か6度とかで、太陽が昇るぐらいから降り始めた雨が気づけば土砂降りになり、強い風がジャケットのフードを叩くので、同行しているWILD-1スタッフ(キャンプ担当w)のクロさんと会話すらままならない日だった。

いくつか目をつけていた岬や、スプーンのカウント数の違いからスリットがあるかもしれないと予想するポイントを投げるも魚からの反応は全くなし。びしょ濡れだし、一旦風裏になるワンドに逃げて、同じく逃げてきたらしい釣り人としばし情報交換。虫を追っているのか全くルアーに興味を示さない小ぶりのブラウン達を見ながら、寒さで体を震わせる。さすがに心が折れそうだ。

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過去数回の釣行で、朝の魚からの反応はほぼ5時半〜8時に集中していた。時計は7時半になろうというところで、雨と風に打たれるのを覚悟し、ひとつ前のポイントにひとり戻る事にした。釣れないにしても、やり切って終わりたかったのだ。しかし案の定ラインメンディングも困難な状況に間も無く気持ちは折れかけ、後ろに見える岩の影でビバークしたいな、なんて思いながら、よそ見しつつ手前のブレイクに根掛からないように素早く回収している時だった。

バッカーン!!!(?)

ピックアップの瞬間に足元の水面が爆発する。水面のライズなんてあっても見えない様な雨と風だったし、魚の気配など感じていなかった僕はイマイチ状況が飲み込めないのだが、魚が掛かってないことだけは確かだ。

無意識にすぐさま5メートルほど先にルアーを落とす。
テンションフォールで数秒間誘った後、リーリングを開始した直後に「ゴッ!ゴゴゴッ!」と暴力的なバイト。スウィープ気味にアワセる様にロッドを立てて、ファイトは突然始まった。自分の息遣いと耳の横で擦れるナイロンの音が、やけに現実的に感じる。

近距離戦でそこそこのサイズとやり合うシチュエーションは、このグリッサンド90とは何度も経験している。無理にリールは巻かずに、とにかくロッドをしっかり曲げる事に集中する。延べ竿の様に扱えば、そのしなやかな粘りで勝手に仕事をしてくれる。
ジャンプされる前にロッドを倒して少し引き寄せる。何秒間か何十秒だったかはよく覚えてないが、「クロさーん!」という僕の声は、どこかの山から吹き降ろしてくるゴーッという音に完全に掻き消されている。ネットに入った後も体を妖しくくねらせながら、抵抗をやめない金色のメスブラウンだった。

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気が動転している時は危ないと言い聞かせながら、走ってクロさんを呼びに行く。60ぐらいのブラウンが釣れた!と言うと、飛んできてくれた。そして二人で、この魚の美しさにしばし見とれる。金箔か何かを貼った様な質感に、老獪な雰囲気を醸し出す立派な鰭。イギリスで何度か釣った、どことなくスポーニングに絡んだ後の魚に良く似ていた。58cmに僅かに届かない魚体、間違いなく日英通算の自己記録だ。

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きっと釣り人なら誰でも1回ぐらいは、「大雨の恵み」を体験していることだろう。普段は口を使わない様なビッグフィッシュが、その日だけは我を忘れてルアーに襲いかかったり、雨で濁った水辺から入れ食いで魚を釣り上げたり。この日も完全に雨で魚がバカになってしまっているパターンだったと思う。相変わらずテクニックや理詰めで獲った魚ではなくお恥ずかしい話だが、やっぱり諦めないで信じること以外に、たくさんの魚でなく「イッピキ」にたどり着く方法はないのかもしれない。

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釣りに関わる仕事をしている人間がそれを言うか?かもしれないけど、もうコレばっかりはヒトの理解や行動可能な部分を超越しているとしか思えない。時にモッテルなどと表現されるやつ、あまり個人的には好きではないんだけどね(笑)今回みたいなラッキーフィッシュには全然ウェルカムだけど、狙って獲ってるアングラーにはあまり使わない様にしている。

ランチ後仮眠を取った頃には雨も上がっていて、後半戦も集中して挑んだが、この日はこの魚のみで終了。夕方にはまたひどい風に吹かれて、まともに釣りが出来ない状況だった。風のおかげですっかり乾いたウェア、朝の出来事がまるで夢だったかの様な錯覚に陥りながら、いろは坂をのんびりと下った。

 


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ROD: Glissando90, TULALA
LURE: M.T.Lakes77 23g #8, Rodio Craft 
REEL: STRADIC4000, shimano
LINE: Avani SesBass PE(1), VARIVAS+Shock Leader16lb
NET: S.Otsubo
 

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