悪魔狩りへのいざない

タ コ


一般的にはマダコ(真蛸)のことを指し、一部西洋世界では
devil fish(悪魔の魚)と呼ばれ忌み嫌われることもある

関西では明石蛸を筆頭としたブランドタコのおかげか
それともたこ焼きのおかげか食することが比較的日常化しているタコ

釣りに関しても
ポピュラーとまではいかないがマニアックというほどでもない


そのタコ釣り

従来の釣り方は

棒のような竿に10号程度の糸を巻いたリール
それにタコテンヤやタコジグを使い
底や防波堤の壁に潜むタコを誘い、乗れば(タコの場合は食うじゃなくて乗る。グニュっとした感触で根掛りとほぼ区別できない)
壁や底に貼り付かれようとも無理矢理にでも引っぺがす

『ストロングスタイル』といえば聞こえがいいが

根掛り上等!それすら引っこ抜く為の剛竿、太糸だ!

とでも言いたげな

ゲーム性には欠ける大味な釣り方が一般的なのだが


最近、このタコ釣りに静かな革命が起こりつつあるのをご存知だろうか?



それは『ライトリグ化』である


これまでの

『貼り付いたタコを剥がすためにヘビータックルが必要』



『ならば貼り付かさなければいい』


という従来の常識に対しての逆転の発想で
大味なタコ釣りにゲーム性を追求すること


ライトタックル化することにより感度を高め


タコが違和感を感じて底に貼り付く前にアワセてしまい浮かせてしまおうというもの




基本的タックルとしては


ブラックバスのラバージグ用ベイトロッド6~7feet
ベイトリールにPE2~3号+リーダー6~8号

というところだが

専用タックルもないことだし(一応ダイワにタコラルダスな~んてふざけた名前の竿があるがあれは硬すぎ)

バス釣りしていた人ならM~Hクラスの休眠してるロッドとリールで十分

ベイトタックルがなくても
バットパワーがありボトムを感知し易いものであればエギロッドでもなんでもいいと思う

(ちなみに私は10年ほど前のハートランドZ601MHFBを使用)


これに仕掛けというか擬似餌というか…


面倒!!


以降はルアーとする


ルアーとしてはワンナックの『デビルエイト』やタコ用餌木など数種類はあるが

始めるにあたってオススメは

『ダウンショットタコエギ』


あえて商品名をあげると

ヤマシタの『タコもエギ好きやねん』『タコエギシンカー』の組み合わせ

この組み合わせでシャローからディープまであらゆるエリアが狙える

ダウンショット化することによりボトム感知能力に優れ
根掛かり回避能力もかなり高くなる

今のところ特にデメリットを見つけられない優れものである

タックルを準備したら
次は釣れる時間帯、場所だが

時間としては
昼夜関係なく釣れるので特に気にする必要はない

潮周り、潮時についてはまだまだ検証中なので割愛(申し訳ございません)


場所としては
漁港、コンクリート護岸、防波堤、沖堤、テトラ帯など

タコの餌となる甲殻類、貝類が多く居る場所なら
基本的にどこでも釣れる…はず(^^;)

ただし
悪魔の弱点が真水なので
淡水、汽水域は避けたほうがよろしいかと


関西の方限定にはなってしまうが
具体的なポイントを挙げると

【漁港】淡路島全域、泉佐野食品コンビナート
【コンクリート護岸、防波堤】大阪夢島、舞洲、南港
【沖堤】岸和田一文字、武庫川一文字
【テトラ帯】貝塚人工島

などといったように大阪湾ほぼ全域で釣れます


他地域については申し訳ないながら存じていませんので

「ここに行けば釣れますよ」

なんて言う事ができませんが


とりあえず始めるにあたっては漁港を探るのが無難かと思われます



ついで釣り方、テクニックとして

基本的にはスローにズル引き

シェイクやしゃくってアピールするのもアリだろう

ただし絶対条件として必ず底を取ること



そのうちにウィードを引っ掛けたかのような

『グニュ~』というか
『ヌモ~』っとしか表現しようのない

柔らかい根掛りのような感触に出会うことだろう

これがタコが食腕でルアーに触ってきた合図、すなわちバイト


ここからが本当の意味でのゲーム開始

人間vs悪魔

神経戦の始まりである


バイトの瞬間に食碗に電撃フッキングするか
それとも
シェイクを加えて興奮させて深いバイトにいざなうか



即合わせだとすっぽ抜けることが多くなり

あまり待ち過ぎると違和感を感じたタコがボトムに貼り付いてしまう
(こうなるとなかなか剥がすことはできません)


どのタイミングでアワセを喰らわすか

このさじ加減が非常に難しく
難しいが故、ハマってしまう


一番バレにくいのは 食碗で触ってきたタコがルアーを食べるべく抱きついてきた瞬間

ただしこれだけが正解のタイミングという訳でもない

食碗1本に電撃フッキングをきめる

これもまた正解なのである


向こうアワセでは味わえない

能動的にアワセを仕掛けることの本質がここに詰まっている


いずれのタイミングであれアワセをきめる際は

渾身の力を込め
「うりゃあ!!」
と叫んでフッキング!!!

そのまま一気にリールで巻いてしまえ!

軟体動物相手だからってスウィープなフッキングは禁物

かなり高い確率で水面直下でバレてしまう

刺さりが浅いと奴ら悪魔の連中は8本の腕を駆使して簡単にルアーから逃れてしまう

これはこっちの敗北


また、リールで巻くのが重いからって竿をポンピングさせるのもダメ

ポンピングの際の一瞬の緩み、止まりの瞬間を悪魔は見逃さない

またしても逃げられ負けてしまうのだ

水面に浮かしきるまでは一切気を抜かずに
フッキングした体勢のままリールで一気に巻き取ることが肝要


浮かしきったらもうこっちのもの

あとは抜き上げるのみ


悪魔狩りの終幕


人間が悪魔に勝利したのだ



勝者はタコ焼き、天麩羅、刺身、酢の物などに

舌鼓を打てばいい


そこにある
家族の笑顔が最高の報酬になるだろう

コメントを見る

yasさんのあわせて読みたい関連釣りログ