未だにボーっとその瞬間に浸っている

それは寝不足だからとかあの女の子の事

が忘れられなくてとかじゃなくて…



いや、少しはそれもあるかもしれないが

…笑






今シーズンこのポイントに入ったのは

数回目だった



凄腕に参戦してる訳でもないが

とにかくデカいシーバスを釣りたくて

通っている



10月に入ったと言えどまだまだ気温が

高くウェーダーを履くと夜でも汗が滲ん

でくる



水に浸かると幾分涼しくなるだろうと

いそいそと川に入水した



流れは強くベイトもちらほら



スナップに繋いだルアーは最近発売

されたばかりのコスケ110F



まだ買ったばかりで泳ぎとレンジを

はっきりとは理解してなかった為

1,2投軽く流して様子を見る



泳ぎを見ながらなるほどいい動き

するなーと感心しつつ、流れが当たり

ベイトが寄っている筋へ、3投目は

フルキャスト



着水音が遠くで聞こえ、飛距離にも

感心しながら2巻きほどハンドルを

回した時だった



ガツン‼︎という明確で

硬質な激しいバイトが出たと思った瞬間

唸りを上げるリール！



信じられないほどに走られ必死にハンド

ドラグも試みるがそれでも止まらない！



やっと止まったかと思ったら水中での

激しい首振りが手元に嫌という程伝わる



首振りの度にブツン！ブツン！と嫌な

感触がラインを通して伝わってくる



「頼む！バレないでくれ！」



そうひたすら願うしかなかった



必死に走り体力を消耗したせいか激しい

ランが止まり魚の頭をこちらへ向かせ

ようと竿で煽ると魚はあっさり反転して

くれた



時折激しい抵抗を見せつつもファースト

ランほどの力は無い



正体不明の魚がライトで照らされた瞬間

紅く輝くルビーアイが視界に入った！



「アカメだ！」思わず叫んだ



しっかり横咥えされたコスケを見て

安心しながら、お腹を見せて浮いてきた

アカメの口をボガで掴んでついに

獲った！





すぐにルアーを口から外し蘇生

元気になったところで水中でメジャーを

当てると実測96センチ！



綺麗に紅く輝くその目を見つめる度に

嬉しさが込み上げてきた





そっとボガから解放するとゆっくり

反転して海へと帰って行った



この日の事は一生忘れない



ありがとう