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ショータ・ジェンキンスです。 ようやくfimoの触り方を理解してきました。 皆様よろしくお願い致します。

イトウ釣り、幻でいい

「イトウはトラウトじゃなくてイトウだから」
釣り場に着く前に菅井さんの言った一言が、まさに当てはまる魚だった。その動きづらそうな体躯や顔立ちは大型の、イワナ系の血がいかにも流れていそうなトラウトの雰囲気なのだけど、トルクフルで一回のインパクトが強力なロール、真正面から見た時の姿は、魚として扱っていいのかどうか迷う程だった。どこかミステリアスなタンニンで染まった水に浸かり、厳つい口からゆっくりと水を吸い込む顔は威風堂々、釣りキチ三平の世界に迷い込んだ若造を「黙れ小僧!(モロね)」とばかりに睨み付けてくる。

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きっと幻ではないのでしょう。実際に姿を見た、実在する魚。すごく幸運だった。だけど、ただ釣れるという情報だけを持って挑むにはあまりに勿体無い魚だと僕は感じました。僕がここまで感動出来たのは夢をこじらせたおかげだとも思う。それぞれの思い描くイトウを釣って欲しい。幻でいいのだ。

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釣りは厳しかった。この太くて重いイトウに会えるのは、手足の指先から芯まで凍る様なシーズン。幾人ものアングラーが、吹雪の中黙々とキャストを繰り返し、多くの人は寒そうな背中を丸めながら帰っていく。魚が好きじゃないと到底耐えられるはずもない、修行僧が神の姿を一目見ようと、何かを唱えるようにただ投げる。魚が好きじゃないと、よっぽどの釣り好きでないと到底理解出来ない行為。まだ右も左も分からないイトウの釣りを語ることは出来ないけれど、今回のこの釣りは、そんな事をいつも考えた。この感動を共有したいと思う反面、幻でい続けて多くを寄せ付けない幻の存在であって欲しい。そんな我儘をお願いしながらシャッターを切った。僕もこんな鬼のような魚を釣れる日が来るだろうか。

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中学2年の時に描いた絵。僕の釣ったイトウに似てかわいい。

どこの国に行っても、この時代は食物連鎖の頂点に立つものにとって生き抜くのが困難なのを目の当たりにしてきた。未だ王を王として生かしてくれる、北の大地の自然やそれを見守る人たちにも感謝。憧れているだけだった自分を突き動かしてくれた人、この旅を影から全力で支えてくれた家族にありがとう。

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