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外房遠征~ヒラスズキに逢いたくて~[後編]

  • ジャンル:釣行記
大海原から漂う尋常ではない「釣れない感」と襲いかかる睡魔と闘いながら、何とかキャストを続ける。

だが、出身小学校のプールよりもクリアな水色は着水地点からピックアップの瞬間まで、ルアーの動向をつぶさに視覚に伝えてくれる。

そして訴える…「ここ、何もいないよ?」と。

1時間程度続けたものの、流石に集中出来ず、隣のサーフでヒラメに浮気。

Rさんが2Hit1Get、知り合いさんも1枚釣ったところでふと気付く。

スリップ「風向き変わりましたね!横風だったのに完全アゲンストになっちゃって」

知り合いさん「ね。ルアー飛ばねー!w」

なんて会話してる間にどんどん強まる風。
あっという間に暴風に。
海もついさっきまでのベタ凪が嘘のように荒れ模様。


R、知り合いさん、スリップ「磯だ!!」


慌てて片付け、朝とは違う磯へエントリーすることに。


え?俺のヒラメ??
ほら、俺ソゲとか要らんからさ!
密かにヒラマサ狙ったんだけど、惜しくもバイトには至らなかったんだよね。
ヒラメ?
いや、全然狙わなかったし!
全然狙う気しないし!
全然…




気を取り直し移動。駐車場で準備を済ませ、迷路のような小道を抜けると、そこには暴風に吹かれサラシまみれになった磯が広がっていた。
先行者もなし。
早速右側の磯からローラーをかけようと歩き出すスリップと知り合いさん。

するとRさんが

「じゃ、二手に分かれますか!」

と言いながら一人左側の磯へ。


このスポット、見た感じからして左側がメインディッシュなのは明確だ。
磯自体の広さもそうだが、潮当たり、風向き、サラシの出かた…どれを見ても左側に分がある。

先行がいないことから、はやる気持ちを抑えて知り合いさんとスリップは右側からしらみつぶしに打っていこうと思ったのだ。

だがあろうことか一人だけ私利私欲に走った男がいた。
それがR氏だった。

彼はみんなの足並みを乱し、いきなり左側の外海に面した磯へ一直線に歩き出す。彼によくあることだ。
なんだかその途中、草陰から突如として現れたとーちゃんと何やら喋っている。

そんな彼をしりめに右側の磯へエントリーしたスリップと知り合いさん。
サラシはいい感じに出ている。
ルアーセレクトとか良くわからんので、とりあえず無難(かどうかもわからんが)にサスケ120から投げてみる。
スリップの足場は滑る岩でできた三角木馬のような形状で、非常に踏ん張りづらい上に横から体がフラつく程の暴風。

変なタイミングで風に煽られると本当に落水しそうだったので、しゃがみながらキャストを続ける。

体勢がキツいのと、しばらく打って反応がない為、左側の磯へ行こうと来たルートを戻る。
同じタイミングで知り合いさんも移動の為に戻ってきたので、一緒に左側の磯へ歩き始める。

すると、ブッシュの中からさっきR氏と何やら喋っていたとーちゃんが現れ…




とーちゃん「ほれ、あっこのにーちゃん何か釣ったぞ!」


スリップ・知り合いさん「なーぬーーっ!?」

慌てて磯に目をやると、沖に張り出した磯の上で何やら右往左往するR氏の姿が。


急いでR氏のもとへ向かう途中、


スリップ「ヒラですかね?」

知り合いさん「ヒラじゃないことを祈ろう!」

スリップ「本当ですよ。これでヒラなんか釣られてみてください。あの人また調子に乗りますよ。」

知り合いさん「だよね!だよね!!頼むー!!!マルスズキであってくれーー!!!」

スリップ「絶対ヒラはダメです。彼がヒラ釣って、俺らに来なかったら『あれ?皆さん何を釣りにわざわざ新潟から千葉まで来たんですか?w』とか言い出しますよ、絶対。」

知り合いさん「あー、それダメだ!マールスズキ!マールスズキ!!」

スリップ・知り合いさん「まーるスズキ!まーるスズキ!!まーるスズキ!!!」


鳴り止まぬマルスズキコールの中、先に磯に上がった知り合いさんが、こっちに
振り返り…


知り合いさん「ヒラだ~~~~~~~っ!!!!!」


スリップ「うっそ!?!?」


慌てて磯に上がりタイドプールを覗き込む…


鳥肌が立った。


生のヒラスズキを初めて見たが、これほどかっこいい魚を初めて見た。


見たこともない体高、太さ、色、顔。
たまたまなのかもしれないが、うっすらピンクがかった小振りなアカメそのもの。


71センチ、3.5キロ、正真正銘のヒラスズキだった。


スリップ「まじだ…ヒラだ……!」

知り合いさん「最悪だー!本当にヒラ釣りやがった!!」

R「ヒラ釣れたわーー!」

釣ったR氏もこればかりは喜びが隠せない様子だ。ヒザが笑っているのがわかる。魚釣ってこんなに感動してるR氏を初めて見た。


居る!

ここに、このエリアに確実にヒラが!!

一気にテンションが上がる一同。


釣りを再開して根掛かってウロウロしているR氏をそっちのけで、それぞれ磯に散るスリップと知り合いさん。


想像していた磯と違い、平場で低い磯だ。

外海に面した磯へ出る為にはウェーディングが必要だが、強烈な風とそれに伴う波、極度に滑る岩。なかなか望み通りの立ち位置に辿り着けない。

やっと一カ所、外海に面した岩に乗れた。
頭から波を被りながら常に足元を洗う波に流されないように注意を払い、足元の超絶サラシ、沖の沈み根周りとそのサラシ、乗っている岩と沈み根の間のスリット…。


出ない。

いかにもなスポットだっただけに後ろ髪を引かれたが、移動。


だが、どうしても

////////////
/////外海/////
ーーーーーーーーーーーー
     磯
ーーーーーーーーーーーー
///海(タイドプール)//
ーーーーーーーーーーーー
  地磯(ここにいる)


みたいな立ち位置ばかり。


一カ所、どう考えてもこの磯に渡れれば…!!

という磯があった。


手前の海峡をウェーディングしてみるが、あと5メートル程のところで、どう見ても足のつかない深みになっている。

あと少し…!

なんとか行けないものかと考えていると、後ろからR氏が来た。

スリップ「惜しいんだよな…どっか渡れるとこないかね。」

R「うーん…こっちとか……あ、深い、ダメだわー。」

スリップ「ここ乗れたら絶対出るよな。


R「まあ、ここだわな。」

スリップ「よし、ヤバかったら助けてね。」

R「(´ー`)ニヤ」


スリップには少し前から考えていた1つの「可能性」があった。

そう、

それは



Swim。



基本的に他の2人と違い、スリップはウェーダースタイル。

泳ぐことは出来ない、と思っていたが…

この僅かな距離、内湾の波も流れもないエリア。

一瞬だけなら行ける!

そう判断したのだ。(よい子と正常な精神をお持ちの方は決して真似しないでください)


スリップ「とうっ!!!」


ばた足の出力を最大にし、出来るだけ喫水線が上がらないように…


つぅーーーーーーーっ…



と背中からウェーダー内に多少の浸水を感じたが、直後対岸に手が届き、急いで這い上がる。


後ろからR氏も泳いでくる。
まあ、ウェットなので余裕そうだ。


磯を見渡すと、沖は明らかに自分らの背丈より高い波がガンガンと押し寄せている。

それが手前でブレイクして、足元の磯に当たり全面がサラシ状態。


実に釣れそうである。

よくザ・フィッシングとかで見る光景だ。


とりあえず2人で1番突き出した岬状の磯へ。


R氏は岬状に張り出した左側面を打ち始める。左側は足元が垂直のエッジになっていて、そのまま垂直エッジが沖まで入っていってる。そこをエッジに平行に打っているようだ。


スリップはその反対、右側へ向いていた。

岬の根元付近から横向き、磯に平行にキャストポジションを取ると、サラシの中に強い払い出しがあるのを発見。


ここしかない!


ルアーはさっきR氏がヒラを仕留めたロウディー130Fにチェンジし、ドラグを締め直す。


磯のエッジに平行に…払い出しでドリフト…食ったらフルフッキングからゴリ巻き…迷わずズリ上げ……よし。


1投目、キャストがタイト過ぎ、波に押されてルアーが磯際に追いやられてしまう。

2投目、磯際から7、8メートル離してキャスト。波に押されて磯のブレイク際へ押されながら、払い出しの流れの中へルアーが入る…









…ゴゴンっ!!!!!



食った!!!!!!!




反射的に身体が勝手にフッキング動作に入る!!!



グングンとブルーバックライトスペシャルを絞り込む魚。



よぉっしゃぁぁぁぁぁぁああっ!!!乗ったぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!




グングングングンっと4度程ヘッドシェイク。



うおぉぉりゃぁああぁあああっ!!!俺のロッドパワーなめんなこるぁぁぁぁぁぁっ!!!



ドラグは絶対に出させない。




魚の位置を確認しようとラインを目で辿る。

と、その瞬間。





ガバッ!!!!


サラシの中からスポーンと飛び出した魚のシルエットは…


まごうことなきヒラスズキ!!!!



あの体高、あのいぶし銀、あの跳躍力。


俺にもこの時が…




!!!!




ポーンと飛んだヒラスズキの口から、ロケットの2段ブースターのように何かが離脱……?




フッ…




?????



ん?



ロッドのテンションが…?



あれ…?



え……?




うっそぉぉおおぉぉおおぉおおおぉぉんっ!?!?!?!?!?!?




バレたぁぁぁぁあああぁっ!!!!!(泣)







無情にも宙を舞うロウディー…

無力で磯にへたり込むスリップ…

あぁ…10秒前に戻れたら……





R「ばっか…!バラしてんじゃん!!」

スリップ「…………」

R「なんで釣らないかな。掛かったのに。」

スリップ「……………………」



その後、ヒットゾーンを通すが2発目は無くタイムアップ。



ぐっちょぐっちょ音をさせながら車へと戻る……


あ。


俺着替えない!!!



濡れたままではいくら暖かいとはいえ風邪をひく。
びしょびしょタイツ&びしょびしょTシャツでしばらく駐車場を縦横無尽に駆け回り、自然乾燥を試みるがやはり乾かない。

仕方がないので、びしょびしょパンツ(ちょっとやらしい)&びしょびしょTシャツのスタイルで最寄りのイオンへ。

上着は素肌にジャケット、下はびしょびしょパンツにR氏から借りたレインというスタイルで入店。

コインランドリーに洗濯物を放り込んで、終わるまでの間その格好ままでフードコートで食事。

民宿を予約し、2日目を迎えることに。




2日目の朝、早朝から出るはずが起きたのは10時。


しかも昨日の荒天が嘘のように快晴べったべたのすっけすけに逆戻り。


勝浦まで行くが、どこも同じ。
昼飯に「勝浦タンタン」という名のラー油ラーメンを食しながら作戦会議。
結果、帰りの事も考えて昨日の磯へ戻ることに。
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明らかにラー油ラーメンだろ、これ…。




磯に着くと一直線に昨日バラしたスポットへ。

もはやSwimにも躊躇がない。
そして元から濡れてたウェーダー、浸水も気にしない。


だが、ここもベタ凪。(当たり前)


仕方がないので、沖の潮目にジグをフルキャスト。何か青物釣れないかなぁ…なんてやってみる。(初めて俺の相棒が本当の用途で使用された)


ヒラマサ!ヒラマサ!!ヒラマサ~!!!


ここでヒラマサ釣ったら逆転だ!!!



なんて考えながら塩田ジャークを繰り返す。


すると後から知り合いさんとR氏も渡ってきた。


先端マニアのRさんは、岬の先っちょから更にウェーディングして潮目を狙っている。


しばらくすると、



「食ったーーーー!!!」



声の主はまたしてもR氏。


愛竿・ミッドストリームリミテッドがバットからひん曲がっている。

まさか!またヒラか!?



やっちまったなー、割と本気で青物しか頭になかった…w
一生懸命スズキを狙うべきだったな。
なんて思いながらファイトを眺めていると、



ガバッ!!!


エラ洗いを見て安心した。
マルスズキのエラ洗いだ。


80くらいのようだ。



ファイトはあまり長引かず、魚を持ったR氏が帰ってきた。


スリップ「おっ!なんかデカ…え!?デカいぞ、これ90あるんじゃね??」

R「そんなねぇろ、90ないくらいだ。」

スリップ「いやいや、メジャー当ててやる。」

………


スリップ「90…5…95センチだわ。」

R「お、自己記録更新だ。」


初めて行った磯でデイゲーム、どピーカン、どクリア、ベタ凪、この条件でこのサイズを引っ張り出したのに、昨日のヒラスズキのインパクトがあり過ぎて一同あまり感動がない。

R「こいつと昨日のヒラ、順番逆だったら良かったのにな。」

スリップ・知り合いさん「だな。」




その後、日も落ち始め、大潮の満潮間近ということで帰り道のこともあり、タイムアップ。





今回の千葉・外房遠征は終了、帰路についたのだった。
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ん?


お前何も釣ってないんじゃないかって??




いやいや、


ほら、


俺はなんだ、その…


ヒラマサ狙いだったから!!!ね?



いやー、俺も惜しかったけどなー!!!!



惜しくもノーバイトだったわ!!!!!


惜しくも。


惜しく…




絶対リベンジしてやるぞ!ヒラスズキ!!!




とりあえずRさん、初ヒラスズキ&マルスズキ自己記録更新おめでとう!





以上、

解散っ!!


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道中のドライブも楽しかった。
知り合いさん、車&運転ありがとうごさいました!



今回の使用タックル


対ヒラスズキ

Rod:G-craft MidReef MRS-962-BLS “blueback light special”
Reel:DAIWA CERTATE3012H

対ヒラメ
Rod:G-craft MonsterStream892
Reel:DAIWA EXIST2510R

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