大海原へ向けてジグをフルキャスト

ダイビングペンシルで水面を掻き回す

おおよそ想像されるショア青物の釣りはこんなイメージであろう

僕もこれまではこんなイメージの中で釣りをしていた

だが、前回の釣行で日中のサラシの中でも、それこそヒラスズキを狙うかのような攻め方で出ることを思い知った

思ってる以上に青物は至近距離にいるのではと考えざるを得なくなっていた


この日もよし君と共に磯へ

海はうねりが入り潮流も早いが、それでもなんとか磯へ立つことが出来た

ここで、僕はあえて磯の手前に構え、釣り座を後ろの位置にした

そして足元のサラシの先にある根際にそっとミノーをキャスト

頭の中ではヒラスズキを狙うイメージで、だが狙いは別の魚を見据えていた

ファーストリトリーブで根際を通し、足元のサラシでスローリトリーブに切り替える

途端に引っ手繰られる衝撃が走った

と同時にドラグからラインが引き出される

１投目からのヒットでまともにドラグチェックしてないリールからはラインが走る

ドラグを締め、追い合わせを入れフッキングを完全に決める

最初の走りでヒラスズキではないと確信

前回の敗因だった、ヒラスズキとの勘違いを断ち切る

そして、弱い心を捨て、強引に寄せてくる

最初こそ走られたものの、体勢を立て直し後は難なく寄せ、最後は波に乗せてランディング



3kくらいだろうか。前回の雪辱と、思い通りのヒットに喜びが込み上げる

魚をロープで結び、岩の隙間にピトンを差しこみ、そのピトンにロープを結びつけた

再びキャストを再開すると、足元のサラシの先で魚が走るのが見えた

すぐにルアーを通すとゴツッと来たが乗りきらない

結局このバイトを最後に釣りを終えた

帰りに魚を回収しようとロープに目をやると、ロープが無くなっていた

うねりのある波にさらわれてしまったのだ

またしても魚を傷つけて還してしまった

辺りを必死で探すが見当たらない

しばらく探し、疲れた僕は磯に座りぼんやりと魚が消えた場所を眺めていた

もしかしたら、という気持ちから中々帰ることが出来なかった

一難去ってまた一難

ヒラマサの道は険しい