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▼ ベイトシーバスの可能性について
- ジャンル:日記/一般
各社こぞってベイトリールを使ったシーバスタックルを展開している昨今。
しかしベイトシーバスゲームを謳った販売戦略は何も今始まった訳でない。
10年前にもシーホーク等でベイトシーバスを推す戦略はあったし5年ほど前にもブランジーノやモアザン、ジリオンPE等の流行りものもあった。
それにも関わらずベイトによるシーバスが定着しないのはどうしてなのか?
バックラッシュするから…そんな単純な話ではない。
人は慣れる。
バックラッシュなんざ1日釣りしてたらすぐ克服出来るはずだ。
●スタンダードにはなり得ない
そもそもベイトの利点は高強力の太糸をトラブル無く扱えると言う点が挙げられる。
一般にモノフィラメント系ラインでシーバスに充分な強度を確保しようとするとスピニングではバックラッシュを引き起こしたりするレベルの太糸となる。
ところがPEラインの台頭によりシーバスに充分な強力がスピニングで扱えるようになってしまった。
テクニック次第でカバー出来るとはいえ取り扱いにおいてはベイトリールは様々なディスアドバンテージを抱えている。
スタンダードになることはこれからも無い。
●ベイトの強みが活かせるポイントは?
ベイトの強みとしてよくキャスト精度を挙げる人がいる。
間違いでは無いと思うが、シーバスレベルの釣りだとスピニングでも充分なキャスト精度が出てしまうのだ。
やはりベイトの利点は手返し、この点に尽きると思う。
岸ジギ。
この釣りにおいてベイト以外の選択肢はない。
この事実こそがベイトの利点を物語る。
●ベイトでしか成り立たないゲーム
先に高強力のラインを巻けると書いたが、例えばストラクチャーがらみで1mmも糸を出せないケースがままある。
こういう場合ベイトは巻き取り効率の高さに任せてドラグをガチガチに入れて竿の弾力を無視して魚を寄せる事が出来る。
このように3号以上の太いPEを巻けるベイトでしか捕れない魚が居るのも事実である。
竿がのされても糸さえ手繰ることが出来るなら魚は捕れるのだ。
スピニングにこんな芸当は出来ない。
●機関部が水にさらされる恐怖
ベイトリールをキャストする際、ラインが拾った水がスプールの遠心力で盛大に霧散する。
それはカッコ良くもあるのだが、同時に機関部に塩水を噴霧してしまう。
中海レベルの塩分濃度でも10回使うとギアボックスの中は塩だらけ。
浸水による影響を考えると末長く使えるのは大橋川中流まで、と言ったところだろう。
スピニングも防水は出来ていないがベイトのそれに比べれば遥かにマシなレベルである。
●愛だろ、愛
結局、ベイトを使い続けると言うことはそのディスアドバンテージ全てを受け入れるということに尽きると言える。
飛距離を腕でカバーし(たまにおかしい飛距離の人がいるが)、塩が噛んではオーバーホールし、壊れては直す事に楽しいさ、コダワリを持ち続けられる人。
ベイトを使い続けられる人はこういう人に他ならない。
販売戦略に踊らされてタンスの肥やしになるリールが1個でも少なくなることを切に願う。
- 2014年7月10日
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