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新 拓也

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紅語:参 最終話-Re:Encounter-




志国・高知には夢がある
紅語:参 
最終話 Re:Encounter
 
 
 








 
折り返しの日
“アイツと初めて出会った日”
それからは時間が経つのが早かった。
いよいよ迎えた最終決戦。
 
 
 
 








 
たった一週間
一潮も回っていないのに
状況はめまぐるしく変わる。
昨日までは逆潮
今日は順潮。
そして、昨日から抜けたボラ。




 
「抜けたのには理由がある。」
 


岡ちゃんはそう言った。
加えてあの時と同じ言葉を口にした








「今日は何かある…」
 
 
 




 
いつものようにK2F142を結ぶ。
折れた右手にはもう力が入らないが
無心でキャストを続ける…
もう一度アイツに会いたい。
 
 














 
ヨタヨタヨタ…
ス――

 



・・・コッ!!
 
 






・・・コッ!!!

 
 
 
触ってもいないくらいの微かなバイトが
Cloverに伝わってくる。
ヤツは居る。


 
 
 
たまにボラが怯えたようにジャンプをし
どこかでアノ音が木霊する。
間違いなく目の前にアカメは居るのだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 










 
 
1時間程振り続けるが
焦らすような展開が続く。

 
 
 






 
無風。
熱気が辺りを包んで
首筋を汗が伝う。
  
ウェーダーを脱ぎ
座り込んで少し休憩。
指のテーピングを巻き直し
水分補給。


 
こうしているとラウンドのインターバルみたいだ。
けれど一人で闘ってるわけではない。
心強い仲間がいるし
バカできる友人がいる。
この3人を結んだのは
アカメという1匹の魚。
その1匹を獲るために
千葉から、鹿児島から集い
地元のアングラーが日々心血を注ぐ。
 
しかし、同じ苦労をするなら楽しいほうが良い。
またこの3人が集まってもきっと同じようにバカをして
それぞれのペースで夢を追うんだろうな。
そして、誰かが目の前で夢を手にしても
羨む前に心から祝福できる気がする。
 
同じように夢見た誰かがそれを手にするまでにアカメという魚が
この海に存在して、みんなが同じような夢を見れたら良いな…
残念なことにアカメは存在が危ぶまれたことがあり
今後もその危険性ははらんでいる。
釣るという行為自体がダメージかもしれないが
最小限にとどめる努力をする余地は十二分にある。
各々が一つの命として尊重出来れば
それぞれの行動に違いこそあれ
同じような結果に収束していくのではないだろうか?
この1週間、岡ちゃんと話し、アカメという魚を取り巻く環境を見てきて
自分の中でこの考えに落ち着いた。
 

 
 
 
 
 
 





 
 
10分程座り込むと
再びロッドを手にして
水辺へと向かった。
 
 
 
 



 
まだまだ
岡ちゃんにも
自分にもアカメからの反応はある。
 
ショートバイトだったり
反転だったり
ルアーの泳ぎが消えたり
 
 
 
 
だが深いバイトが出ない。
きっと何かが違うんだろうけど
何かは試行錯誤で地道に詰めていくしかない
リトリーブスピードを上げたり下げたり
ティップの角度や
流れに対する角度
ロッドアクション
 
ひたすらK-TENを投げ込むのは
一見単調に見えるが
詰めていけばとても複雑な釣りだと思う。
 
 
 
 

















 
 
 
 
 
 
 
 
3時間が経過した
空は少しずつ白み始める。

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ここにきてベイトが刺してきた
やや上ずった感じにも見えたので
BKF115へとチェンジしてみる。
 


















 
20投程したが
明らかにバイトの数が減ったので
もう一度K2F
 











 
 


コン・・・


 
やっぱりこのレンジが効いているようだが
未だ深いバイトは出ない…
 
 
 
 
























 
 
そして日が昇る。
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夏の日差しが照りつけ
急激に温度が上がってゆく
岡ちゃんは時合いの終了ということで
片づけを始めるため車へ戻る。
 










「ラスト10投!!」
 
 
 
最後の最後に何かあるハズ!
と信じて1投1投に力がこもる。
 
 









 
 









 
数投した頃、上から声がした。
 












岡「左や!!回収して左!!」
 










 
コチラから姿は見えないが
上からははっきりとアカメの姿をとらえている。
言われるがまま左へ投げる。





 
「投げすぎ!!もうちょっと手前」

「そのまま巻いてきや」
 




スローリトリーブでゆっくりとアカメに向かわせる
・・・つもり。何せこちらからは全く見えていない
 














「ジャーク!」
 
トン!
 
 
「ストップ!!」










 

「行ったで…」
 

 































「イカン!反転した」
 
 
「115は!!?」
 

 
BKF115へチェンジ
 




「イカン!浮きが早すぎる」
 
 
再びK2F142
 
 
 
 


「正面左!ゴミ向いて投げて!!」




「ソイツデカいぞ!!
メーターは越えちゅう!!」

 

 
 
 
















キャスト!
 
「ええコース入ったで…」
 
 
「まだ遅く!!…そう」
 
 












 
ジャーク!もう一発」
















 
「見てる見てる…行ったで・・・

 
 

























 
 
「コイツ食うぞ!!」

 






「トゥイッチ!ストップ!!」
 
 
チョンチョン!フっ…
 





「…巻いて」
 

 







 
「軽くジャーク!」


 
トンっ!
 
ルアーを引ける距離はあと1m足らず
 
 
















 
「行った!!
食うぞ・・!!」

 
 
 
緊張が走る!!
見えてるわけではないが
アカメがまさに今ルアーの後ろをついていくイメージが
鮮明に頭に浮かんでいる。
 
 


































 
「ああ!!!
あと1cmやったのに!!!」



鼻先1cmまで接近していたが
ルアーが水面まで浮き上がる方が先だったようだ。
 
 







目の前にはいつの間にか赤黒い塊
これが魚とは思えないほどの重厚感と落ち着きを持って
足元に寄り添うように定位していた。
コイツが今追ってきた魚なのだろう。
 


再び目の前に姿を現したそれは
また来年の挑戦を待つかのように
ゆっくりと姿を消して行った…。

 

 
 
 














 
 
岡「集合写真撮ろうや。」
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ラテストーサステッカーを貼ったプリウスの前
いつもの2人。
そういえば3人で写真を撮るのを忘れていた。
けれどきっとまたここに集まるだろう
3人がアカメという魚に夢を重ねる限り…
 
 
 




 
 
紅語:参
-完-
 
 
 
 
 
 
 












 
一同「キレイに終わろうとしてこんなのお前じゃねえよ!!www」


って思われてる気がw
ここまで読んで頂いた方々
長々とお付き合いいただきありがとうございました!!
ネタなしで書きたい部分とかもあったもので・・・。
 
 
今回こうして出会った事などもあり
一時大量のトラックバックスパムの前に屈してしまい
諦めていたfimoの釣りログですが
これからも再びfimoでログを書くつもりですので
今後ともよろしくお願いいたします(^^)




別視点での高知遠征

http://www.fimosw.com/u/yoshifish/st7uacsr6gcuaf

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