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思い出の魚

  • ジャンル:釣行記
「間違いなく5本は出るよ」

立神の高い磯から見渡したサラシを見たら、その格言は確言だろうと言わんばかりの濃いサラシが伸びていた。
準備に焦る。早く投げたい。
魚釣りのこの時間が本当に好きだ。
久しぶりに竿を握る時でも、毎日通い込み同じ景色を見てても、昨日とは違う何か?前回とは違う何かを探し、ベールを返し、ガイドに糸を通し、仕事以上に緊張感が増し、独特な感覚とこの高揚感が好きで、もう20年以上虜である。
状況的にぶっつけ本番。
伸びサラシのインサイドか?
アウトサイドか?
手前か?奥か?
ダブルクリンチに思いを乗せ、1発でキャストが決まる。
どこに居るのか?そんな事を考える暇を持たずして、早々にヒットに持ち込んだ、1投目の出来事だった。
魚が走ってから気づいた、普段より強めに絞めてるドラグが、いつもより早く、尾鰭のピッチは細かく、一かきが強く。
バイトは小さく、コココンっと。

根際の磯とは逆方向に、右に伸びたサラシに乗って走り、サラシの切れ目で水柱が上がった。
そのサイズは立ち位置からして40メートルほど離れていても、大型を確信させる見事な体高だった。

「おぉ。デカイ。」

思わず溢れた言葉に相乗して、引きの強さを感じた肩に力が入った。
すぐに疲労が襲いかかり、さらに冷静さを失っていた。
大型のファイトに慣れてないが故に、ここは奴等のテリトリーであるガチャガチャの磯。
相手に分がある。
糸の角度を気にしながら磯を降りるが、スパイクが引っ掛かり、足元に目を奪われてる間にフックが外れる感覚が来る。
1回潜ったお前は、トリッキーに上昇し、水面を割る。そしてまた潜る。
サイズとウエイトを物ともしない力強い飛び上がりに、完全に踊らされる俺。
波のタイミングに合わせて磯へ引き込もうとするも、魚との呼吸が合わず、またフックが外れる感覚が来る。
「ヤバい。」
そーわかっても上手くいかない。デカイ魚だ、しかも、強い魚である。
このことにファイトの途中で気がついた。
餌を取り、筋肉質な背中が見え、背鰭を見る限り、ガンギレである。笑

何発目の波かわからないくらい時間を費やして、やっとタイドプールに導くことができた。
右上半身に無駄な力が入っていた為か、魚を持ち上げる力は残っておらず、肩で息をし、丸鱸より大きな目を見ながらその大きさに酔いしれた。

「たまねんねぇよ。お前」

自身初のランカーヒラスズキ。
この時のルアーをそのまま残している。
飲みながらでも、昼間でも、いつ見ても今尚あの時の焦りを思い出し、汗で手のひらが光る。
ヒラスズキの体高の凄さ、身の厚さ、目の大きさは写真では伝わらない。
その黒銀の背中は美しく、かっこいい。
鱗は細かく、丸鱸とは違う銀色で、口はでかい。
バイトは小さく、潜りこむトルクは強い。
そして、なかなか出会えないが故に、居てもタイミング次第では食わない。
この魚に出会えた時、流した汗は多ければ多いほどまた足を運びたくなるが、第一歩は実は憂鬱だったりする。笑
こんなたまらん魚釣りは中毒性抜群。
僕はこの日、有り難くその命を頂いた。
そのお腹の中からは、キビナゴが17匹出てきた事はここだけの秘密にしておこうと思う。笑
ありがとう、ヒラスズキ様。
お前が懸命に生きたその生き様は、俺を幸せにする最高の1本だった。
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